犬土偶日記
海の近くに住みたい
2007年09月16日
犬土偶旅行記 76日目 叔父が携帯電話を持たされた
公開日時： 不明
まだ暗い早朝に目が覚めた。虫に起こされた。といふか刺された。喉の近くに激痛が走つて目が覚めた。振り払つたら何か硬い感触の虫だつた。どこかへ行つてしまつたのでムヒを塗つて寝た。しかし今度は腕を刺された。何故俺だけ狙はれるんだ。起きてムヒを塗る。喉のところは処置が早かつたからか、腫れたり痛んだりせずに済んでゐる。また寝た。
今度は親に起こされた。飯だと言ふ。うるせえうるせえ。昨日晩飯を食つたから朝飯など必要無いのだ。といふか起きてすぐに飯なんか食へるか。長い時間掛けて漸く朝飯を食はない生活を獲得したのに、親は意地でも俺に毎日3食食はせるつもりらしい。まだ眠いから起きるつもりもないし動くこともできんのに、いつまでもいつまでも叫んで俺を起こさうとする。服の中にまた虫が入り込んで腹を刺された。何故俺ばかりこんな目に遭はねばならんのだ。仕方が無いので無理して起き上がつた。滅茶苦茶つらい。全力で息を吐いたらそのまま気絶しさうだ。起きる必要が無いのに無理に起きた。時計を見たらまだ7時半。あり得ん。
飯なんか食へるわけがない。朝飯を食はないつもりだつたから昨日は晩飯を多めに食つた。朝昼抜きで丁度良い。それなのに晩飯並みの量がテーブルに並んでゐる。しばらく呆然と飯を眺めてゐた。起きたばかりで動くのもつらい。腹も減つてない。しばらくして少しづつ食ひ始めた。つらい。恐ろしい時間を掛けて完食。もう今日は昼も夜も飯無しで良い。でも親がゐる間は毎日3食食はされるらしい。
親が叔父に携帯電話を持たせようとしてゐた。俺と同じく携帯電話など必要ないと頑なに持たずにゐたのだが、病院からの緊急連絡用に持てと迫られてゐた。家にゐる時は良いが外に出てる時に何かあるといけないから携帯電話を持てと言ふのだ。親が種子島にゐる間に絶対に買はせると意気込んでゐた。親は20日までゐるらしい。まあ祖母が大変な時なので実際に何かあつた時に困る。叔父も諦めたやうで、つひに携帯電話を持つことになつた。どうせ使はないし祖母が退院したら解約するみたいなことを言つてゐた。安いからSOFTBANKにしようと言つてゐたが、SOFTBANKは長く使はされるんぢやなかつたか？それに種子島はauとDoCoMoぢやないとまともに通話できなかつたはず。DoCoMoは落ち目だし高いイメージがあるから真つ先に除外といふ感じか。SOFTBANKかauかといふことなら俺はauの方が良いと思つた。
西之表に携帯電話を買ひに行くことになり、俺もついて行つた。苦労してSOFTBANKの店を探して中に入る。店員に電波状況を聞くと、どうも西之表でしか使へないらしい。南種子や東海岸では絶望的だとか。南種子はauが強いらしい。主に中種子・南種子で使ふと言つたらSOFTBANKの店なのにauかDoCoMoにした方が良いと勧められた。auはどこに行けば良いのかと聞いたら親切にauの店の場所まで教へてくれた。
auの店は鉄砲まつりの日に茶を買つた店の奥にあつた。0円の機種しか眼中に無い。どうせ使はないから可能な限り安くしたいやうだ。しかし0円機種は2機種しか無いらしい。種子島だからだらうか。その中から1つ選んで契約。2年使はないと基本料金が安くならないらしい。強制的に2年使はされるやうだ。それで半額になつても大して安くない。DoCoMoの方が安い。しかも俺は半年で解約OKだからDoCoMoの方が良いと思つた。DoCoMoはやたらと高いイメージがあつたが実際はさうでもないんだな。でもここでauを新規契約することにしたやうだ。で、印鑑を持つてないことに気付く。近くで印鑑を探したが丁度叔父の苗字が売り切れ。種子島では多い名前なのかもしれない。和田書店にあるかもしれんといふことで雨の中を小走りで行つてみたが、遠くに見えるやうになつた時点でシャッターが閉まつてゐるのに気付いた。種子島は土日祝日が休みの店が多いのだ。土日祝日こそ稼ぎ時だらうと思ふんだが、さういふ発想は無いらしい。休みの日はみんな休むのだ。仕方が無いので契約保留して印鑑探しの旅へ。ダイワに行つてみたが印鑑は無い。祖母のパジャマを数着買つて今度はサンシードへ。ここには売つてゐた。475円もしたらしい。auショップで印鑑を押して、手続きが済むまでの間に近くの店で昼飯。朝食つたから全然腹が減つてゐない。まともに食へる気がしない。うどんとチョコパフェを食つた。しばらく待つてからauショップへ。つひに叔父も携帯電話を持つことになつてしまつた。IT革命が着々と完全終了に向かつてゐる。あとは親のすぐ下の叔母だけか。
そのまま南種子の病院へ。つひに叔父が携帯電話を持たされたことを話したら祖母が笑つてゐた。だいぶ元気になつた。でも親から見ると死にさうに見えるらしい。もうこのまま退院せずに亡くなるかもしれんとか言つてゐた。入院前のもつと瀕死の状態を見てた叔父や俺からするとかなり元気になつて来てもう大丈夫さうに思へるんだけどな。まあ行くなと言つても早朝から畑仕事に行つたりしてた頃と比べると死にさうに見えるかもしれん。また昨日の夜から熱を出してゐたらしい。熱が出たり下がつたりを何度も繰り返してゐる。肺炎が原因なのか何か原因なのかサッパリ分からんのだが、熱を出しても病院にゐればある程度の安心感はある。しかし油断はできない。それにしても眠い。異常なまでに眠い。朝起きるのが早過ぎたな。
帰りにAコープで買ひ物をした。冷房が激し過ぎて寒い。種子島の冷房は冷凍庫みたいだ。家に帰つて晩飯を食つて今日は終り。今日も無気力でエネルギーが出ない感じが続いてゐたが、病院から帰つてから少しづつ回復してきた。飯を食はないのが原因だつたんだらうか。親が来て無理に食はされて回復してきたのかもしれない。でも外を走つたり岩場を散歩したりする気力は無い。屋久島に行かねばならんのに。
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| 公開日時 | 不明 |
|---|---|
| 本文文字数 | 2516文字 (タグ込み) |
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