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犬土偶日記

海の近くに住みたい

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話題:種子島&屋久島 2007年夏

2007年08月10日

犬土偶旅行記 39日目 白谷雲水峡・西部林道・千尋の滝

公開日時: 不明

白谷雲水峡へ行くことになつた。民宿の人とスタッフの人が今日の朝まで民宿にゐたが、昼前に種子島へ帰るらしい。その後は1階も2階も自由に使つて良いらしい。出る時は玄関を閉めて裏口から出る。裏口は開けつ放し。何歳か分からないが、定年後に東京の新宿から種子島の牧川に移住して来て民宿の手伝ひをしてゐる人がゐる。その人が西部林道は見るべきだと勧めてくれた。世界遺産に指定されてゐる地域は島の真ん中ら辺と西部林道だ。しかし西部へ行くには島を1周しなければならない。民宿のある小瀬田からだと丁度島の反対側なので、行つて同じ道を引き返すぐらゐなら1周した方が良いといふことになる。そこも余裕があれば行かうと親が言ふ。取り敢へず白谷雲水峡だ。

宮之浦にあるAコープで買ひ物。親は民宿の客が忘れて行つた靴を使つても良いと言はれたのでそれを履くことにしたらしい。Aコープで弟の衣類と昼飯を買ふ。弟は屋久島・種子島に1週間滞在するのにほとんど着替へを持つて来ないといふイカれたことをしてくれた。さういふところが種子島の血筋かもしれんな。おにぎり等を買つて白谷雲水峡へ向かふ。Aコープの奥の方へ進めば良いのだが、何故か叔父が島の外周の大通りに出て反時計回りに走り始めた。白谷雲水峡に行くと聞いたのは間違ひだつたのかなと思ひながら取り敢へずついて行つた。でもやはり道を間違へてゐたらしい。ずいぶん行つてから引き返してまたAコープのところへ。そこから奥へ進む。これも屋久島に来る前は森の奥へ入つていくイメージだつたが、やはり昨日と同じく山を激しく急に登つて行く。空を目指してどんどん登る。グネグネ曲がりくねつた細い道を10km走る間に1km近く高いところまで上がる。気圧の変化で耳がをかしくなる。何度も唾を飲み込む。屋久島はかういふところなんだな。ヤクスギランドよりも白谷雲水峡の方が行きやすい。

やはり山に入ると急に雨が降る。降つたり止んだりを繰り返す。猿や鹿も昨日と同じく普通にゐる。かなり近くまで行つても大丈夫だ。鹿は動きが少ないからどうだか分からないが、猿は近づき過ぎると敵意を見せる。野生動物は怖いからある程度距離を置いた方が良いだらう。雲水峡まで行く途中の道の広いところから海が見える絶景があつたので記念撮影。近くに鹿もゐた。俺は高いところには近づかない。無駄に命を危険に晒すやうなことは賢い人間のすることではない。

白谷雲水峡への道1 白谷雲水峡への道2 白谷雲水峡への道3
白谷雲水峡への道4 白谷雲水峡への道5 白谷雲水峡への道6
白谷雲水峡への道7 白谷雲水峡への道8 白谷雲水峡への道9

落ちたら確実に死ぬ崖に無理矢理作つたやうな道を延々と進み、漸く白谷雲水峡に辿り着いた。しかし既に観光客が多くて駐車場が空いてないらしく、交通整理の人にずいぶん手前の路肩に停めさせられた。こんな狭い場所に駐車するのはかなり難しい。出るのも大変だらう。車を降りて入り口まで歩く。不老長寿の水といふのがあつてタダで飲めるやうになつてゐたが、ただ山から流れて来るだけの水。さう言へば昨日行つた紀元杉のところにも同じやうなのがあつた。屋久島の山の中を流れてゐる水は普通に飲めるらしい。

ここはヤクスギランドよりも険しい山のはず。重病の祖母には無理だらう。雨も激しい。登つて来る途中に記念撮影した時は全力で晴れてゐたのに。入り口付近の休憩小屋みたいなところで取り敢へず雨宿りしながら飯を食ふ。すぐそばにある川の写真を撮つたりして雨が止むのを待つ。ここは険しい山なので病気の祖母は山に入ることはできないだらう。休憩小屋に1人だけ置いて行くのも不安だ。また叔母が祖母と一緒に待つのかなと思つてゐた。

白谷雲水峡1 白谷雲水峡2 白谷雲水峡3 白谷雲水峡4
白谷雲水峡5 白谷雲水峡6 白谷雲水峡7 白谷雲水峡8
白谷雲水峡9 白谷雲水峡10 白谷雲水峡11 白谷雲水峡12
白谷雲水峡13 白谷雲水峡14 白谷雲水峡15 白谷雲水峡16

雨が小降りになつた瞬間に入山。また300円を払ふ。何と祖母も山に入るらしい。といふか、折角来たんだからと言つて叔父が半ば強引に連れて行くやうな感じ。大丈夫なんだらうか。俺と親と弟は少し遠回りして弥生杉を見るコースを歩くことにした。叔父達はさつき吊橋まで行つて帰る30分程度のルートを歩くらしい。

弥生杉1 弥生杉2 弥生杉3
弥生杉4 弥生杉5 弥生杉6

弥生杉看板3人でひたすら森の中を歩く。コケにまみれた森も割と早く飽きる。巨大な杉やサルスベリみたいなヒメシャラといふ木も見慣れてきた。弥生杉がある方へ入つて行くとヤクスギランドとあまり区別が付かない。川沿ひに行くと飛流おとしとか、川系のものがヤクスギランドより派手なので印象的だ。しばらく歩いて辿り着いた弥生杉を撮影しまくり、序でに親や弟と一緒に写つたりした。弥生杉は昨日見た紀元杉と同じく樹齢3000年らしい。紀元杉よりはこちらの方が大きいやうな気がした。それにしても、巨大な屋久杉はただデカいだけだな。最初は感動するが、割とすぐに飽きる。森もただコケにまみれてゐるだけで慣れればただの樹海。一度見れば十分といふ気もする。しばらく弥生杉を見てからさつき吊橋の方へ進む。祖母達のペースを考へるとどこかで合流できる可能性もある。

弥生杉からさつき吊橋へのルート1 弥生杉からさつき吊橋へのルート2 弥生杉からさつき吊橋へのルート3 弥生杉からさつき吊橋へのルート4 弥生杉からさつき吊橋へのルート5 弥生杉からさつき吊橋へのルート6
弥生杉からさつき吊橋へのルート7 弥生杉からさつき吊橋へのルート8 弥生杉からさつき吊橋へのルート9 弥生杉からさつき吊橋へのルート10 弥生杉からさつき吊橋へのルート11 弥生杉からさつき吊橋へのルート12
弥生杉からさつき吊橋へのルート13 弥生杉からさつき吊橋へのルート14 弥生杉からさつき吊橋へのルート15 弥生杉からさつき吊橋へのルート16 弥生杉からさつき吊橋へのルート17 弥生杉からさつき吊橋へのルート18

祖母達が歩いたのとは違ふルートからさつき吊橋へ出た。その橋を渡つて川の対岸に沿つて帰ることにした。だが、橋を渡つた先はかなり険しい道だつたし、川沿ひに戻る道が異常に分かりにくくなつてゐた。そちらから戻ると何も無いので登山客も少ないんだらう。さらに山奥へ行く道は分かりやすいんだが。まあ危険を冒す価値も無いだらうといふことで引き返して橋を渡つた。そこで祖母達と合流。橋から200mほど奥へ入ると二代大杉といふのがあるらしい。祖母達はそれを見て帰るところだつたのかもしれない。

さつき吊橋1 さつき吊橋2 さつき吊橋3
さつき吊橋4 さつき吊橋5 さつき吊橋6
さつき吊橋から二代大杉へのルート1 さつき吊橋から二代大杉へのルート2 さつき吊橋から二代大杉へのルート3

デジカメの電池が切れさうになるといふ前代未聞の悲劇に見舞はれた。俺の持つてるデジカメは電池の持ちが異常に良く、1ヶ月ぐらゐ普通に使つてゐても全く充電の必要が無い。最後に充電したのは種子島に来てからだから、まだ大丈夫なはずだつた。充電器を種子島に忘れて来るといふ失態を演じたが、それでも大丈夫だと思つてゐた。だが、何故かここで電池切れが迫つてゐた。バッテリー残量の目盛が1個になつて赤色表示になつたのを初めて見た。かなり危険。かうなつてからどれぐらゐ持つのかも分からんのだが、相当不安。まだまだ撮るべき写真は大量にある。あと1日半も屋久島にゐるのだ。それにしても何故急に電池が切れたんだらう。もしかして昨日のヤクスギランドで雨に打たれて壊れたんだらうか。あれは相当危険な感じだつた。

二代大杉1 二代大杉2 二代大杉3
二代大杉4 二代大杉5 二代大杉6

二代大杉7折角なので二代大杉を見て行くことにした。親と弟と3人で奥へ。江戸時代に伐採した巨大な屋久杉の切り株上に新しい杉が生えた物らしい。だから樹齢は大したことはない。でも切り株部分の下の木がデカいので全体としてかなりの巨木に見える。下の切り株の中は空洞になつてゐて、入るなと注意書きがある。エコツアーの団体がゐて、ガイドが色々説明してるのを盗み聞きしたりした。ガイドを頼むと1万円ぐらゐは取られるんだらう?色々薀蓄を聞けるんだらうが、そんなの要らないやうな気がする。

二代大杉からさらに奥深くへ数時間歩くともののけ姫の森がある。さすがにそこまで行く時間は無い。今度1人で来た時に行くつもり。今回はここで引き返す。川沿ひに下つて行く。祖母達は先に戻つてゐるはず。途中のひりゅう橋から飛流おとしといふ名の滝を撮影。序でに滝をバックに記念撮影したりもする。ひりゅう橋を渡つて川の対岸から奥の駐車場の方へ帰ることにした。帰りに便所に寄つて行けるし。

白谷川1 飛流おとし1 飛流おとし2
飛流おとし3 飛流おとし4 白谷川2
ひりゅう橋から駐車場へのルート1 ひりゅう橋から駐車場へのルート2 ひりゅう橋から駐車場へのルート3

何と祖母達もそちらのルートから帰つてゐたやうで追ひついた。それにしても重病の祖母がよくこれだけ歩けたものだ。海で鍛へられてゐるとは言へ、こんな険しい山を歩くのは健康な状態でも結構キツいだらう。合流してからはゆつくりしたペースで6人で歩く。ヒメシャラの木を見て祖母が鹿に皮を食はれたんだらうと言つてゐた。物凄く上の方まで綺麗に剥げてゐるから絶対に鹿ではない。さう言へば祖母が猿を1匹連れて帰りたいといふやうなことを言つてゐた。鹿は農作物を荒らすから好きではないんだらう。途中の少し広いところで休憩。丁度駐車場奥の真上だつた。崖の50mぐらゐ下に観光バスが停まつてゐる。ガードレールは無い。ボロい柵があるが低いので簡単に飛び越せる。その辺りは少し広いので遠くから助走をつけて跳べば一発で崖を越えて駐車場まで落ちれるだらうかといふやうなことを弟と話した。まあ無理だらう。結構距離がある。相変はらず俺は崖には近づかない。崖が崩れたやうな跡がそこら中にあるし、ただでさへ俺は宇宙に執拗に狙はれてゐる。余計なことをすると必ず悲劇に遭ふ。チキン野郎と呼びたい奴は呼べば良い。無意味に崖に近づくのは勇気ではない。ただのバカだ。バカは死ねば良い。賢い俺は死ににくい。

ヤクザルの親子 警戒心全開のヤクザル
ヤクシカ1 ヤクシカ2

山を下りて駐車場入り口付近の便所に寄つて戻る。車に乗つてゐる時は俺が運転してゐるので写真を撮ることができない。弟に任せても操作に慣れてゐないのでなかなか良いのが撮れない。昨日の猿もあまりまともには写つてゐなかつた。今日は歩いて車に戻る時に猿がゐたので超絶至近距離で何枚も撮ることができた。小猿を抱いてゐるので下手に近づくと危ないかもしれない。シャッターの音で一番デカい猿(1匹で写つてる写真のやつ)が口を開けてシャー!と音を出した。危ない危ない。

帰りはラクだつた。だいぶ運転に慣れたといふのもあるが、午後から山を登つて来る観光客は少ないので対向車がほとんど無い。何より崖側ではなく山側なので心に余裕がある。でもカーブが激し過ぎて相変はらず弟がダウン。まだだいぶ時間があつたので西部林道にも行つてみることになつた。つまり島を1周するといふこと。反時計回りに回ることになつた。宮之浦へ出てから左へ向かふ。1周すると130kmぐらゐはあるはず。時速50kmで走るとしても2時間半ぐらゐは掛かるだらう。林道といふのがどういう道なのかによつても変はつて来る。今までの道を見てゐると恐ろしく険しい道なのかもしれない。細過ぎる砂利道とか、さういふ道だつたら3時間は掛かるかもしれない。とにかく行つてみるしかない。

島の北端の一湊といふところまで行くのも結構時間が掛かつた。このペースだとかなり大変だらう。海が綺麗だ。種子島より綺麗かもしれない。地上部分も相当急な勾配になつてゐるが、海の中もさうなつてゐるやうで、岸の近くでも水深が結構ありさうだ。猛烈に釣りをしたい気分になるやうなところがゴロゴロしてゐる。次の町は永田。ここはアカウミガメが大量に産卵しに来る場所らしい。夜中ぢやないと見れないが、7月の終り頃から8月の初め頃まで毎晩来るやうだ。つまり今日も夜に見に来れば遭遇できる可能性が高い。今度俺が1人で行く頃はもうダメかもしれない。

西部林道1永田を越えてしばらく行くと急に道が細くなつて山に入り、海が見えなくなつた。西部林道といふのはどこからだらうか。まだ普通の道だ。ダラダラと普通つぽい道をずつと進んで行き、つひに西部林道らしき場所へ到達した。東京新宿といふ都心から種子島に移住して来た老人は是非見るべきだと言つてゐた。世界遺産地域なのでかなり凄いんだらうと思つてゐた。だが、岐阜の山奥に住んでゐる人間には珍しいものではない。美濃加茂や八百津の奥に恐ろしく細い道がある。あれとほとんど同じやうなもの。すれ違ふのが猛烈に困難なほど狭い道が山の中を走つてゐるだけ。グネグネ曲がる細い道。道路の脇は崖だが深くはない。ただ山の中を延々25km走り続ける。植物は岐阜とは違ふんだが、雰囲気は八百津の奥地。時々猿がゐるぐらゐのもので、特に珍しいものでもない気がした。都会人は凄いと思ふかもしれないが、山人はそんなに凄いとは思はない。運転に気を取られ過ぎて景色を堪能する余裕が無かつただけかもしれん。対向車が来るのが怖い。すれ違へるわけないだらう。でも25kmもあるので対向車にもよく遭遇する。広い場所ですれ違へたらラッキー。

西部林道2西部林道の中間点ぐらゐでパトカーとすれ違つた。狭いから擦りさうだ。こんな狭いところもパトロールしてるのか。警察も大変だな・・・と思つて進んでたら、少し行つたところで事故があつた。俺達とは反対回りで来てた車が崖にダイブして5mぐらゐ下に落ちてゐた。デカい警察車両が2台停まつてゐた。やはり落ちる奴もゐるんだな。それにしても、ここでどうやつて警察を呼んだんだらう。携帯は100%圏外。歩いて町まで行くにしても、永田も栗生も相当遠い。観光客に頼んだんだらうか。あんな狭い場所で落ちた車をどうやつて引き上げるんだらう。世界遺産地域で車を放置するなんてことはないだらうし。しばらく走つてゐて、何となく景色を見てゐたんだが、ふと前を見ると叔父の車が停まつてゐた。ビクーン!と反射的にブレーキを踏み込んでしまひ、爆睡してゐた弟がスネを打つて目を覚ました。叔父の前の車も停まつてゐた。どうやら猿がゐたらしい。猿を見るために停まつてゐたところに危うく突つ込むところだつた。危ない危ない。

大川の滝?長い長い林道を抜けるとまた海が見えてきた。後ろを振り返ると恐ろしく険しい山が直接海に入り込んでゐる。あの山の中を走つてきたのか。標高も結構高かつたやうだ。しばらく行くと大川の滝といふのがあつた。特にじつくり見ることもなくほぼ素通り。栗生といふ集落に出た。こんなところに住んでゐても相当不便だらう。屋久島には店が無い。まともな店が宮之浦のAコープぐらゐしかない。ここからAコープに行くなら距離的には林道を抜けるコースだらうが、かなり大変なので安房経由で行く方が早いだらう。何にしても往復100km以上だ。恐ろしく不便。どうやつて生活してるんだらう。やはり近くに店があるんだらうな。

湯泊といふところに海中温泉がある。干潮時にしか入れないらしい。そこも華麗にスルーしながら延々と進む。もう疲れ果てて死にさうだ。まだ半周も残つてゐる。前を走る叔父の車で寝てゐたと思はれる祖母が急激に起き上がるやうな動きを見せた。何かあつたんだらうかと思つて周囲を見たら、屋久島には珍しい農業用地があつた。祖母は農業が好き過ぎるので、杉や滝や鹿や猿なんかよりも圧倒的に畑に興味を示す。指宿に行つた時も畑のことばかり言つてゐた。屋久島に来てからも屋久島には畑が無いと何度も言つてゐた。畑に興味津々。

島の南の真ん中ら辺の尾之間から少し行つたところで叔父が山の中に入つて行つた。千尋の滝(センピロノタキ)を見るらしい。少し入るだけの場所なんだが、やはり険しい山をイチイチ登つて行く。モッチョム岳の近くにある巨大な滝。種子島の男淵女淵の滝なんか全然滝ぢやねえよといふぐらゐの圧倒的な滝。岩の谷から流れ落ちてくる巨大な滝で、落差は何十mあるのか知らないが、なかなか壮観だ。左側の山は何だかツルツルした感じの巨大な岩になつてゐて変な感じだ。

千尋の滝1 千尋の滝2 千尋の滝3

帰りにビニールハウスの横で叔父が車を停めてゐた。祖母が物凄く楽しさうに見てゐるのが後ろを走る車の中からも見えた。そんなに農業が好きなのか。近くにトローキの滝といふ直接海に注ぎ込む滝がある。その入り口付近で叔父が車を停めて悩んでゐたが、結局行かずに帰ることになつた。どうやら祖母が「滝はもう良か」といふやうなことを言つたらしい。相当疲れてるんだらう。畑を見に行くならどこまででも行きさうな感じだけどな。

苦労して安房に辿り着き、そこからさらに進む。民宿の人が美味い飯屋を教へてくれたらしい。それが宮之浦にある。まさに島1周だ。Aコープの隣にある海舟といふ飯屋で晩飯を食ふことになつてゐた。民宿のある小瀬田を華麗にスルーして宮之浦へ向かふ。広い店だつた。民宿の人が予約しておいてくれたらしい。天麩羅定食を頼んだ。刺身定食は何となくよく食つてゐるやうな気がするし、飛魚の塩焼きも種子島に長期滞在してる俺にはあまり珍しくもない。何となく天麩羅定食に惹かれたのだ。叔父が飛魚の唐揚げ定食を頼んでゐた。それは珍しいかもしれない。

ここの飯は美味かつた。定食に付いてきた刺身もかなり美味い。何より驚いたのが味噌汁。白味噌なのに激烈に美味い。白でも作り方次第でここまで美味くできるんだな。だがやはり赤の優位は圧倒的に揺るがない。祖母が相変はらず全然食はない。少しだけ食つて「もう良か」と言ふ。あれだけ歩いてエネルギーを消費すれば否応無しに食欲も出るだらうと思つてゐたのだが、いつもと全く変はらない。無理してでも食はないと拙いんぢやないかと思つた。

飯を食つて民宿へ戻る。長い1日だつた。足が痛い。歩いたせゐだらうか、それとも運転のせゐだらうか。ほとんど運転経験の無い俺が無事故でこんな険しい山を走り抜いたのは奇跡かもしれない。疲れた。ハンドルも何千回回したか分からない。腕も後日筋肉痛になるだらう。とにかく疲れた。デジカメのxDカードをPCに刺してコピーし、PCでスライドショーで見てみた。ずいぶんたくさん撮つた。電池が切れる間際だが、何とか最後まで切れずに持ち堪へた。いや、まだ1日残つてゐる。危ないかもしれない。

今日は新しくできた温泉に行くことになつてゐたが、みんな疲れ果てて民宿の風呂を使ふことになつた。激しく疲れた。明日はどこへも行かないらしい。土産を買つたり民宿で過ごしたりする予定のやうだ。屋久島の山ばかり見て海系は完全スルーだつたな。今度1人で来る時は海にも行く。取り敢へず、これで俺の屋久島下見ツアーは終了か。屋久島の山がどういふものかうんざりするほど体験できた。民宿の人は50ccのバイクでは登れないと言つてゐた。だが登れないことはないと思ふ。実際にヤクスギランドまで50ccのバイクで来てる人もゐた。帰りはエンジン切つたまま下山できるからガソリン代もそんなに掛からないだらう。車よりも小回りが利くし速度も出せない場所なので原付の方が有利だとさへ思ふ。次回は従弟の原付を借りて島間港から太陽丸といふフェリーで屋久島へ渡ることにする。民宿は勿論またここを借りる。親の同級生がやつてゐて安く泊まらせてくれるから。他の客がゐなければ家を丸ごと借りる感じなので相当快適だらう。宿帳を見た限りそんなに客は多くなく、重複することはほぼ無い。リピーターが多いみたいなので満足度は高いんだらう。他の素泊まり民宿がどんな感じなのか知らんけど。民宿の人もスタッフも相当親切に色々教へてくれたりするのでここはオススメ。飯は自分で用意しないといけないけども、屋久島料理を堪能するために外食すれば良い。屋久島に行く人は是非民宿愛子岳へ。1泊2500円なので通常でも結構安い。一応宣伝。

巨大蜘蛛民宿に巨大な蜘蛛がゐた。これは種子島の祖母の家に住みついてゐるのと同じやつ。巣を張つて獲物を待つのではなく、自ら歩き回つてエサを探す。種子島ではこいつに首筋を這はれた。こんなのがウロウロしてゐると落ち着かないが、種子島や屋久島ではこれが当たり前の生活。ハエを取つてくれるから殺すなと言はれるが、毎日10匹以上殺す俺の方が効率が良い気がする。種子島に来てからハエタタキのスキルが超絶に上達した。絶対に振りかぶつてはいけない。遠過ぎるところから叩いてもいけない。最低でもターゲットから30cmまでハエタタキの先を近づけねばならない。種子島のハエは賢い。確実にハエタタキの存在を認識してゐる。ハエタタキを持つてウロウロすると逃げ方が違ふ。孫の手等を持つて歩く時と明らかに動きが違ふ。祖母の命中率が異様に高い。長年殺し続けてゐるから激烈に上手い。俺もなかなか上達したけども祖母の域まではいけない。それにしても毎日毎日大量に屠つてゐるのにどこから湧いてくるんだらうか。巨大蜘蛛を殺したらもつと増えるんだらうか。

話題:種子島&屋久島 2007年夏

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