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犬土偶日記

海の近くに住みたい

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話題:種子島&屋久島 2007年夏

2007年07月14日

犬土偶旅行記 12日目 台風直撃なので猫の鼻にムヒ

公開日時: 不明

珍しく遅くまで寝てゐた。10時過ぎまで寝てゐたかもしれない。親がバイクのキーを見つけた。干してあつた俺のズボンのポケットにあつたらしい。テーブルに置いたと言ひ張つてゐた俺は脳がイカれてゐるやうだ。もう老化が始まつたか。昨日の騒動がアホみたいだ。正直スマンかつた。

台風が丁度種子島に来てゐる。瞬間最大風速49.3mを記録したとか。雨も相当激しいが、風がとにかく凄い。こんな暴風は可児では体験したことがない。外に出たら確実に空を飛べる。外の木がアホみたいに動いてゐる。時々停電したりもする。テレビのニュースによると、7月の台風にしては激レアな強い台風らしい。数年前に大きな被害が出た時と同じぐらゐの雨量だとか。土砂災害の警報みたいなのが各地に出てゐた。明日までの予想雨量が1000ミリとか何とか。1000mmつてどれぐらゐなんだらう。1mか。先週辺りに九州本土で土砂崩れが多発して、これ以上降るとヤバいと言はれてゐるのに、さらに台風でこんなに降つたらもう確実にダメだらう。うちの庭も山から大量の水が流れて来て川みたいになつてゐる。

猫の便所が外に近い廊下にあるんだが、暴風の音に怯えたのか、祖母の布団に小便をして大騒ぎ。猫は相変はらず俺を警戒してゐる。狭いところに追ひ詰めたり、物音を立てずに忍び寄つて突然飛び掛つたりして暇つぶしをしてゐるので、俺と目が合ふだけで逃げる。俺が近づくだけでいつでも逃げられる体勢になる。それでも割と簡単に捕まへることができる。ここに来てから一度どうしてもやつてみたいことがあつた。虫刺されの薬のムヒを買つたんだが、その薬は塗るとスーッとして後から熱くなるやうな感触がある。それを猫にどうしても塗つてみたかつた。反応が見たい。といふわけで、早速捕まへて鼻に塗つてみた。そしたら口を閉じたまま水分がポタポタと大量に滴つてゐた。鼻水なのか涎なのかは分からない。あまりにも出てくる水分の量が多いのでこれは危険だと思つた。鼻に相当刺激があるらしい。ますます俺に怯えるやうになつた。

台風の威力が凄まじい。こんな激しい台風は岐阜では体験できんな。このまま九州に上陸して日本列島を縦断するらしい。岐阜にも明日か明後日に行くだらう。でも陸地の上を行けば威力はかなり弱まる。海から行くと伊勢湾台風みたいな甚大な被害が出るが、西日本で消耗して弱くなるだらう。しかしうちはボロいのでかなり不安がある。こんなデカい台風なら多少弱まつても家が倒壊するかもしれない。一応雨戸は閉めておけと弟にメールを送つておいた。少し前に家の周りの木をほとんど全部切つたのでますます不安。風のダメージを直に食らふ。毎年普通の台風でもガンガン家ごと揺れてゐたのでこの台風4号でもしかしたら本当に可児の家が倒壊してしまふかもしれない。

昼を過ぎても夕方になつても全く風が弱まる気配が無い。夕方に停電してから夜になつても全く復旧しない。電気が無いので風呂の給湯器も使へない。真つ暗なので今日は諦めて寝てしまはうといふことになつたらしく、俺以外みんな20時前に寝てしまつた。俺だけ暗闇で日記を書いてゐる。これもバッテリーが切れたら終りだ。21時にならうかといふ時間になつても全く風が弱まる気配が無い。明日の朝には暴風域を抜けてゐるだらうか。暗くなる前に一度無理に外に出てみたんだが、普通に歩ける状態ではなかつた。垂直ジャンプしても絶対に同じ場所に着地できない。といふか、高確率でコケさうになる。予想外の突風が来たら簡単に死ねる。家の前から海を見たら、波が異常なほど高くなつてゐた。あれは危ない。海沿ひの道路にも近づかない方が良い。電気はいつ復活するんだらう。何もできん。屋久島登山用に買つたヘッドランプをまさか家の中で使ふことにならうとは。俺も寝るか。何だこれ。本気で殺したい。何故俺ばかりこんな目に遭はねばならんのだ。お前ら全員台風で死ね。

何故か夜中の11時に電気が復旧。テレビの電源を入れた状態で停電してそのままになつてゐて、突然暗闇の静寂がテレビの爆音で破られた。少し昼寝してゐたのでなかなか眠れず苦労した。

さう言へば、17日に指宿に行くことになつた。祖母の病気を鹿児島の大学病院で診てもらつた後、指宿の温泉に泊まらうかといふ話になつた。あの辺りは土砂崩れで電車が脱線したりして大変らしいが大丈夫なんだらうか。脱線後も梅雨で雨が降り続き、さらに台風まで来てかつてないほどに土砂災害の危険が高まつてゐるとかテレビで言つてゐた。九州南部全体が過剰に水分を含んだ状態で、いつ土砂崩れが起こつても不思議は無いやうだ。狙はれてるからヤバいかもしれんな。ちなみに、全員で行くので池田湖を見に行つたり開聞岳に登つたりといふことはできさうにない。1人だけ残るといふ選択もあるだらうが、今のところまだどうするかハッキリ決まつてゐない。

話題:種子島&屋久島 2007年夏

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