海の近くに住みたい
話題:免許・資格・検定
最終更新日: 2015年12月16日 01時45分16秒
ボケ防止のための腦トレとしての資格試驗、今囘は海事代理士。9月に筆記試驗を受けて合格したが、それで終りではない。今日、東京の國土交通省で口述試驗がある。試驗を受けることは腦トレではない。試驗のために勉強することが腦トレだ。だから試驗本番はどうでもいい。合否すらもどうでもいい。俺には資格など必要無いからな。だからと言つて受驗しないのは損だ。受驗料が勿體無い。しかし試驗を受けるためには新幹線に乘つて東京まで行かねばならんから交通費で大損だ。ならばそれを無駄にしないために東京を觀光せねばならんだらう。受驗料を無駄にしないための不毛な作業をするための交通費を無駄にしないための強引な觀光。さういふ口實でも無ければわざわざ東京まで行くことも無いだらうな。別に行きたくもないけど。新幹線の切符は11月6日に買つてあるし、一應計劃は立ててある。國會議事堂の參議院を見學し、國土交通省で試驗を受け、靖國神社を參拜し、遊就館を見て、スカイツリーに行き、最後にすみだ水族館へ。1日ではこれが限界だらう。まづは6時36分の名鐵の特急で名古屋まで行き、7時42分ののぞみで9時23分に東京に着く。11時から國會議事堂の參議院を見學する。荷物檢査等があつて少し早めに行かねばならんので、10時からのやつは不可能。12時からのやつだと試驗に間に合はないので11時からのやつに參加するしか無い。見學は約1時間。試驗は13時15分からで、1時間前から30分前までに受付を濟ませる必要がある。國會議事堂から試驗會場の國土交通省はすぐ近くなので12時に見學を終へて徒歩で5分程度で丁度良い感じになるだらう。試驗は13時30分まで。それから靖國神社へ行く。地下鐵で行くが、乘り換へが面倒なので、永田町驛まで歩く。また國會議事堂の角の方まで歩かねばならん。これは少し時間が掛かるので無駄かもしれない。ここから電車で5分程度らしい。さらに徒歩5分で靖國神社。輕く神社内を歩いて色々眺めてから遊就館に入り、展示を見て、16時ぐらゐには出たい。それからまた地下鐵に乘つてスカイツリーを目指す。20分ほど掛かるやうだ。16時半頃に着くとして、適當に1時間半を限度にスカイツリーで遊んでから、スカイツリーの下にあるすみだ水族館へ。そこでも1時間半を限度とする。終電を考へると、水族館を19時半までには出ないと嚴しいだらう。そこから地下鐵で1驛、錦絲町驛でJRに乘り換へて東京驛へ。乘り換へ時間も含めて押上から東京まで15分程度らしい。そして新幹線で名古屋へ。最後に名鐵で歸る。家に着くのはたぶん23時頃になるだらうといふ豫測。計劃通りに行動できるかどうかは未知數。結局スカイツリーは事前豫約をしなかつたのである程度は柔軟に行動できる。時間の制約があるのは參議院と試驗だが、十分餘裕を持たせてゐるので大丈夫なはずだ。
それ以前にまづ朝起きれるかどうかが最大の問題だつた。最近ずつと夜型生活をしてゐた。一昨日に調整失敗して夜型繼續といふ完全死亡濃厚な感じになつてゐた。昨日は無理して21時頃まで起きてゐた。それから寢ればたぶん5時に起きれるだらうと期待した。長時間起きてゐる状態だつたから、そのまま晝まで爆睡してしまふ可能性もあるが、早過ぎる時間に目が覺めることはまづ無いだらうと思つた。しかし、實際には2時前に目が覺めた。このまま起きるのは拙い。試驗の頃に限界を迎へてしまふ。その後の觀光に著しい支障を來す。もう少し寢る必要がある。だがこれが困難。絶望的に眠れない。そのまま5時まで眠れずに終るんだらうなと半ば諦めたが、いつの間にか寢てゐた。しかも無事に5時のアラームで目が覺めた。最後の1日で一氣に夜型を拔け出した。やればできる。
まづは朝飯。普段は絶對に食はないところだ。起きてすぐに飯を食ふと胃腸が刺戟されて電車に乘つた後とか絶妙に嫌なタイミングで猛烈な便意に襲はれる。でも今日は最初から名鐵も特急なので車内に便所がある。名古屋驛にも新幹線内にも東京驛にも便所はある。どこで便意に襲はれても大丈夫だ。だが、目的は別にある。國土交通省内の便所でウンコをするといふ野望。官僚樣のアジトに潛入して奴等の聖域にウンコをする。一般人は滅多に入れない建物だ。記念にウンコせねば負けだらう。勝利せねばならん。そのためにはウンコを補給しておく必要がある。で、朝飯を食つた。いつものやうに途中で便意に襲はれて電車内や驛の便所で流し殺してしまふ結末になつてしまふかもしれないが、それでも俺は果敢に挑戰するのだ。
日付 | 時間(分) |
---|---|
10月26日 | 21 |
10月27日 | 10 |
10月28日 | 12 |
10月29日 | 13 |
10月30日 | 18 |
10月31日 | 7 |
11月1日 | 10 |
11月2日 | 9 |
11月3日 | 12 |
11月4日 | 14 |
11月5日 | 11 |
11月6日 | 20 |
11月7日 | 10 |
11月8日 | 18 |
11月9日 | 18 |
11月10日 | 13 |
11月11日 | 25 |
11月12日 | 13 |
11月13日 | 17 |
11月14日 | 33 |
11月15日 | 10 |
11月16日 | 21 |
11月17日 | 10 |
11月18日 | 19 |
11月19日 | 50 |
11月20日 | 32 |
11月21日 | 26 |
11月22日 | 10 |
11月23日 | 30 |
11月24日 | 154 |
合計 | 666分 (11時間6分) |
俺にとつてはただの觀光の口實でしかないが、一應は海事代理士の口述試驗のために東京に行くといふことになつてゐるので、まづは海事代理士口述試驗について書いておかねばなるまい。基本的に1科目10點だつた筆記試驗で、重要な4科目だけは20點だつた。その4科目、船舶法、船舶安全法、船員法、船舶職員及び小型船舶操縱者法について、筆記試驗合格者に口述試驗が課せられる。海事局の職員か何かよく知らんが、官僚と對面で口頭での試驗を受けることになる。珍しい試驗だ。申し込む時はその珍しさも面白いかなと思つてゐたが、今は特に面白さうだとも思はない。もう何か、試驗に關しては何もかもがどうでもいい感じになつてしまつてゐる。俺の中では筆記試驗だけで終つてしまつたやうな感覺だ。特に資格も必要無いから本氣にもなれない。試驗會場は東京霞ヶ關の國土交通省のみ。遠方に住んでゐる人には非常に負擔の大きい試驗だ。1科目3分で5〜6問出題される。1問當り30秒程度。これは出題者が喋る時間も込みなので結構嚴しい。即答できないと時間が足りなくて死ぬだらう。音聲で質問される練習もしてゐないし、喋つて答へる練習もしてゐないし、即答する訓練もしてゐない。過去問はまあ一通りやつたが、それ以外はやつてゐない。近年過去問に無い新しい論點の問題が出題されるので、さういふ問題が多いと簡單に詰む。定番問題すらもまともに答へられるかどうか未知數。まあ、なるやうになるだらう。一應これも腦トレなので、いつものルールが適用される。1日も缺かさず毎日勉強すること。試驗當日も勉強すること。勉強時間を分單位で記録すること。筆記試驗の合格通知が送られて來た日から勉強を開始した。通常は筆記試驗終了後に自己採點をして合格基準點を超えてゐたらすぐに勉強を開始するのかもしれない。でも俺は合格が確定するまで始めなかつた。始めても全然やる氣が出なかつた。かつて無いほどやる氣が無かつた。ここまでやる氣が無く絶望的に勉強しなかつたのは初めてだと思ふ。毎日勉強するといふルールが無かつたらもつと酷いことになつてゐただらう。例によつて勉強時間のグラフを載せてみよう。最終日の今日だけ桁が違ふ。電車の中で勉強した時間が多いからな。他の日は一應やつてあげただけみたいな感じだ。過去問だけなら餘裕な感じだが、筆記の時も同じやうな感じで本番が難しくて苦しめられた。口述試驗でもそのパターンになるかもしれない。その場合、筆記よりだいぶ悲慘な結果になるだらう。もしかしたら不合格もあり得るのではないか。過去問と同じやうな感じなら樂勝なはず。なるやうにしかならん。もう今さらどうにもできん。後は野となれ山となれ。今氣附いたけど勉強時間の合計が6のゾロ目だな。不吉だ。
試驗に關することはそれくらゐにしておかう。今日は觀光がメインだ。午前中は雨といふ豫報になつてゐたが、外に出たら全く降りさうな氣配は無い。傘を持つて行かなくて濟むのは非常に助かる。まだ暗い。西可兒驛に着いてもまだ暗い。そんな時間には乘客なんてゐないだらうと思つてゐたが、結構ゐた。サラリーマンつてそんな時間から電車に乘つてゐるのか。そんな生活俺には絶對無理。少し待つて中部國際空港行きの特急が來た。特急座席指定券は11月6日に買つてあるのでそのまま乘り込む。そして最後の勉強開始。昨日印刷しておいた過去問をやる。試驗當日も勉強するルールだからな。試驗開始直前までは腦トレは終らない。微妙に便意が來たやうにも感じるが、全然成長しない。いつも便所が無い状況ではビッグバンの前のインフレーションのやうな指數函數的な勢ひで便意が成長するんだが、かういふ便所に困つてゐない時は便意に襲はれない。やはりいつも宇宙が俺を苦しめるために便意を成長させてゐたんだな。だが今日はそれでいい。國土交通省まで温存だ。それにしてもこの特急は快適だな。搖れないし音も靜かだし。顎關節症の痛みを和らげるために持つて來た痛み止めの藥をキュッと飲み下す。
名古屋に7時19分に着いた。中央改札を出て左へ。JRの建物に入る手前のところにテレビのカメラがゐた。何を撮つてゐるんだ。俺を映すなよ。殺すぞ。JRの建物に入つてすぐの改札からでも新幹線に行けるのかもしれないが、危險は冒さない。奥の新幹線專用の改札から行く。中央コンコースを太閤通方面へ歩く。新幹線の改札は奧にある。切符を買つた日は3分ぐらゐで行けたんだが、今日は何故か5分ぐらゐ掛かつた。こんな早朝でも人が多いな。東京はもつと多いんだらうな。想像するだけでストレスで死んでしまひさう。新幹線の改札を通る。乘車券と特急券の2枚を重ねて入れる仕組みらしい。すぐに出て來るかと思つて普段と同じ感じで通り拔けようとしたが、切符が出て來るまでの時間が長かつたので立ち止まることになつた。2枚入れたから處理に時間が掛かるのかもしれない。切符を取り、階段を上がる。俺が乘る12號車は階段上がつてすぐの場所だつた。まだ空席が多い時に豫約したから乘りやすい場所で取つてくれたのかもしれん。乘り換へ時間に餘裕を持たせ過ぎたな。23分も絶對必要無い。新幹線の改札を通つてからホームまでが遠いかもしれないし、便意に苦しめられるかもしれないと思つて少し餘裕を持たせたんだが、少しどころではなかつたな。暇。3本か4本スルーした。もう二度と新幹線に乘ることは無いだらうが、また6時36分の特急で名古屋に行く時はもう少し早い時間の新幹線を豫約すべきだな。でもさうすると猛烈な便意に苦しめられるんだよ。新幹線内に便所があつても、新幹線の便所までは耐へられさうにないぐらゐの絶妙なタイミングの便意が來るんだよ。宇宙は俺を恐れてゐるからな。
しばらく待つて俺が乘る新幹線が來た。ほんの2分とか3分とかの間隔であんな長い新幹線が頻繁に入つて來るんだが、どうなつてゐるんだらう。途中で事故でもあつたら追突するんぢやないのか。線路の8割ぐらゐを新幹線で埋め盡くしてゐるんぢやないのか。運轉席から前を走つてゐる列車が見えるんぢやないのか。そんなに乘客がゐるのが凄い。値段もクソ高いのに。切符を何度も確認してから乘り込む。もし間違つて違ふのに乘り込んでしまつたらどうなるんだらう。新幹線に乘るのは何年ぶりだらうか。中學3年の修學旅行以來だ。あの時はこだまに乘つたやうだ。たぶんまだのぞみは存在してゐなかつた時代だらう。快適な車内を想像してゐたが、薄暗くてクソ狹かつた。しかも暑い。搖れも音も激しい。名鐵のミュースカイが神に思へる。スピードが全然違ふから音や振動はこれ以上どうにもならんのかもしれん。しかし座席の間隔の狹さとかは殘念な感じだな。豫約した時はまだ空席が多い状態だつたが、今日の時點では空席無しの滿員。自由席は悲慘なことになつてゐるのかもしれない。早めに豫約しておいて良かつた。歸りは疲勞困憊で自由席なので死ぬほど不安だ。東京までは過去問をやるだけ。1時間40分で着く。全然眠くないし、相当勉強できるだらう。時々風景も見ることにする。山側の窗側の席だ。最初は海が見たいなと思つてゐたが、ネットで調べてみると山側の方が景色が良いらしい。濱名湖や富士山があるし。でもいつさういふのが見えるのか分からん。速いから油斷すると見逃す。日本の地圖を思ひ浮べながら、大體これくらゐの時間かなと目星をつけ、その附近でチラチラと外を見て、結局過去問に集中できない。天氣が惡いからどうかなと思つてゐたが、富士山もよく見えた。
横濱と品川と東京しか止まらないんだな。近過ぎるから品川は必要無いんぢやないのかと思ふ。無事に事故も無く東京に着いた。新幹線を降り、出口へ向ふ。八重洲北口といふところへ流されるやうに出た。そつちぢやねえんだよ。でもそれしか標識が無かつた。取り敢へず外に出てみた。でも線路の反對側へは行けさうにない。もう鬱陶しい。死ね。歸りたい。もう一度驛に戻り、少し離れた別の入り口から入つてみた。驛構内の地圖を見ると、反對側へ行く通路は1つしか無いやうだ。改札を通れば簡單に行けさうだがもう出た後だからどうにもならん。出る前に根性で丸の内側の出口を探せよ。苦勞して通路を探し當て、反對側へ。寫眞で見た事がある東京驛。これは驛ではなくホテルなんだな。アホ面下げて必死に寫眞撮影をするカッペが數人。俺も加はる。東京はクソみたいに人が多いんだらうなと思つて想像だけで死にさうになつてゐたが、今のところ全然大したこと無い。名古屋と大差無い感じ。
さて、どうするか。ここから國會議事堂まで歩くことも以前は考へてゐたが、Googleのストリートビューを見るとかなり大變さうだつた。餘計な時間ロスもあつたし、歩くとさらに豫定外のロスがあるかもしれない。ここは素直に地下鐵を使ふことにする。一應地下鐵を使ふ場合も想定して調べてある。參議院は議事堂正面から向つて右側。左が衆議院。衆議院側に國會議事堂前といふ驛がある。參議院側に永田町といふ驛がある。參議院の見學は永田町に行くのが良いのだが、乘り換へが面倒。國會議事堂前は東京驛から乘り換へ無しで行ける。議事堂の敷地の横幅なんてせいぜい300〜400m程度だらうし、國會議事堂前から歩けば良いだらう。といふことで、地下鐵の東京驛へ。これが見つからん。地圖を見ても分からん。地上に出たらダメなんだ。どこかで地下に下りて標識を探せ。横斷歩道を渡つた先にある階段から下に下りてみた。階段のところには地下鐵と書いてあつたが、下りたら何の標識も無い。バカ廣い無駄な通路みたいなのがあつて、他には何も無い。ウゼエ。もう何もかもが鬱陶しい。取り敢へず中央の廣い通路を突つ切つて奧まで行つてみた。そこで漸く地下鐵の標識を發見。切符賣場を探して切符を買ふ。東京の地下鐵は安いな。名古屋のボケは見習へよ。しかし驛構内が廣くて歩く量が多いな。今日1日で10km以上歩くことになるかもしれない氣がした。何とか丸の内線のホームに辿り着き、電車に乘る。常時滿員電車みたいなのを想像してゐたが全然そんなことは無い。普通に座ることも可能つぽい感じ。3驛程度だから座らないけど。名古屋の地下鐵東山線の名古屋から榮みたいな常時乘車率200%オーバーみたいなのを見慣れてゐると全然大したこと無いな。想像してゐたほど人口密度は高くないやうだ。東京でも場所によるんだらうけど。
國會議事堂前驛に着き、外に出る。外までが長いな。東京の地下鐵は名古屋の地下鐵よりも深い場所にあるのかもしれない。出て來た場所は議事堂正面から向つて左奧の角の邊り。衆議院通用口か何かのところ。議事堂の裏を右奧の方へ向ふ。實は困つたことがあつて、參觀受付の入り口がどこなのか分からない。衆議院や參議院の裏にあるのは知つてゐるのだが、そこに行くためにはどこから入れば良いのか。調べても結局分からなかつた。最惡、半周することになるだらうが、敷地に沿つて歩けば必ず何とかなる。それにしても、臭い。魚の死骸が腐敗したやうな臭ひが漂つてゐる。日間賀島でもあつたあの嫌な臭ひに似てゐる。それに加へてゲロみたいな臭ひもある。どこか下水の蓋が開いて漏れてゐるのではないかと思つたがさういふ樣子も無い。東京はやはりダメだな。少し歩くと、ヲバチャンの團體がゐて觀光バスが停まつてゐた。バスの中の行き先の札には「国会議事堂と靖国神社」と書いてあつた。さういふツアーなんだらうか。見事に老人しかゐない。俺の感性は老人と同じなんだらうか。精神年齢は中學生竝みに若いはずだが。ヲバチャン達が屯してゐる邊りを見ると、衆議院參觀受付とか書いてあつた。ああ、どこか別の入り口から敷地内に入つて表側から行くのではなく、裏の道に直に專用の入り口がついてゐるのか。ならば參議院はこのままもう少し奧に行けば良いだけだな。少し歩きながらふと氣附いた。惡臭の原因は銀杏ぢやないか。それだけとは思へんが、それが原因の大部分のやうな氣がする。迷惑な木だよな。無事に參議院參觀受付といふ表札のついた扉に辿り着いた。そこから普通に中に入らうとしたら門の前にゐた警備員に止められた。勝手に入つたらダメだつたのか。參議院の見學をしたいと告げると、參觀には1時間掛かつて途中で出ることはできないが時間は大丈夫かと聞かれ、大丈夫だと答へると中に案内された。そこで申込用紙に記入して受付に出すやうに言はれた。申込用紙は轉寫式の2枚になつてゐる。日付と住所と代表者の氏名と團體名と人數を記入する欄がある。團體ではないので代表者のところだけ書く。それを受付に渡し、説明を受ける。小さいパンフレットを貰ひ、それが通行證の代りなので鞄等に入れず常時手に持つて歩くこと。申込用紙の2枚目の紙も貰ひ、これを入つてから係の者に渡すこと。持ち物檢査があるので40分までに集合すること。30mぐらゐ先にある別館のサービスロビーで時間まで待つことなど。別館に行つて待つ。俺1人しかゐなかつたら何か嫌だなとか衆議院に行つてヲバチャンの團體と一緒に見た方が氣が樂だななんて思つたがもう遲い。しかし、サービスロビーに行つたらこちらにも別の老人團體がゐた。國會見學は結構人氣があるんだな。年配の人ばかりだけど。毎日1時間に1囘やつてゐるのにこんなに人がゐる。國會議事堂は日本に1つしか無いからな。日本人だけで1億人以上もゐて外人觀光客もゐるから、毎日數百人ぐらゐは餘裕で集まるといふことだらう。待合室には大きい液晶テレビが1つあつて、ボタンで何種類か參議院に關する映像を選んで見ることができる。老人達が樂しさうに見まくつてゐる。他に小さい液晶のタッチパネルの畫面が2つあり、國會議事堂内をCG化した空間を指で撫でて動かして見たりできる。そちらは老人は見向きもしない。他には國會議事堂の模型があつたり、國會の議事録や議員名簿などの資料が置いてある。資料を眺めながら時間を待つ。
係の人が呼びに來て部屋から出る。老人團體は係の人が呼びに來る前に勝手に何人か先に行つてしまつたらしい。同じ團體でまだ行つてゐない人は先に行つて合流するやうに言はれ、殘つた人は少し待たされる。複數人で申し込んだ人は同時に行かねばならん仕組みのやうだが、誰か便所から戻つて來ないらしい。殘り全員一緒に行くことになつたみたいで、ウンコしてゐる人を待つ。その間に、ロビーにある土産屋を覗く。バンドメンバーにどこかで土産を買はねばならん。まあここで買ふと持ち歩くのが大變だから買はないけど。安倍ちやん關聯のものが多いな。小さい袋に飴が入つた「アメノミックス」とか駄洒落系のネーミングが多い。便所から戻つて來て全員集まつたやうで、出發。これからまた申込用紙を提出した場所に行つて荷物檢査を受けることになる。長い列ができてゐた。この荷物檢査が結構時間を消費する。鞄を開けて中を見せる必要がある。ポケットの中身も全部出して、金屬探知機のゲートをくぐる。そこそこ嚴重だが、鞄の中は丁寧に徹底的に調べるわけではないからその氣になればナイフとかも持ち込めるかもしれない。ゲートをくぐるのは本人だけで鞄はゲートをくぐらないからな。鞄の底とか中のポケットとかに隱せば持ち込めさう。プロの目は誤魔化せないかもしれんけどな。長い列がなかなか進まない。檢査の列に竝びながら參加者を眺める。ほぼ老人。若いのはほぼゐない。1人子供連れの人がゐたが、それを除けば俺が最年少ぐらゐの感じ。若くても30代後半から40代ぐらゐのが2〜3人ゐる程度。他數十人は老人。若者が政治に興味を持たないから老人優遇の政治になるんだよな。若者は自分の首を絞めてゐる。平日のこんな時間に普通の若者が國會見學なんかできるわけねえだろ!といふ突つ込みは不要。
無事に荷物檢査を終へて中へ。受付の奧に參觀ロビーといふ廣い部屋がある。入つてすぐの場所にゐた人に申込用紙の2枚目の紙を渡す。1時間便所に行けないので今のうちに行くやうに言はれる。念のため尿を流し殺しておく。參觀ロビーには色々展示されてゐる。貴族院時代の看板とか明治天皇の椅子とか議員席の實物大模型とか色々。議員席には座ることもできるし、評決ボタンを押すこともできる。老人達が嬉しさうに座つて記念撮影してゐる。ここまでは撮影OK。ここから先は外に出て國會議事堂の正面に行くまで撮影禁止。適當に撮影したり眺めたり觸つてみたりしながら待つ。
少し遲れてどこからか別の團體が入つて來た。少し若いが何の團體か分からない。そちらの團體は荷物檢査の列にゐなかつたと思ふ。きつと豫約の團體でもつと早くから濟ませてゐたんだらう。そちらの團體が先に入つて行くやうで、扉の前に竝んで説明を受けてゐた。その團體が參觀コースに入つてしばらくしてから俺達の番。2列に竝ばされ、説明を受ける。長い階段があるので自信が無い人はエレベーターを使へるらしい。見る場所は同じ。階段の場所だけ別になつてすぐに合流して全員一緒に見るらしい。遠慮せずに擧手するやうに言はれ、老人が6人ほどエレベーターを使用することになつた。俺は歩く。折角だから通常のコースを見たい。
まづは參議院本會議場に向ふ。中學の修學旅行で來た時は衆議院と參議院のどちらを見たのか分からない。修學旅行の栞を見ても何故か書かれてゐない。ほぼ左右對稱なのでどちらも同じやうな感じだらうと思ふ。修學旅行で來たといふ知識はあるが、來た記憶が全く無い。他の場所へ行つたのはそこそこ鮮明に覺えてゐるのだが、國會議事堂だけはどうしても何一つ思ひ出せない。何か思ひ出すかもしれないと期待したが、今のところ何も思ひ出せない。確實に初めて見たと斷言できるレベル。修學旅行の栞に自分が書いたらしい感想によると、國會議事堂はテレビとかで見るとやたら白いが實物は茶色だつたとか蒸し暑いとか死ぬほどつまらないとか見て損したとしか思へなかつたとかいふことらしい。つまらなかつた記憶すら無いんだがな。まづ茶色といふのは大袈裟な表現だ。大理石でできてゐるが、確かに眞つ白ではない。ベージュぐらゐの感じだらう。汚れたのではなく、元からさういふ色の石を使つてゐるやうだ。可能な限り國産の材料を使ふといふ思想で造られてゐるらしい。階段の横の壁は沖繩産だとか。蒸し暑いといふのは全く無い。涼しくて快適。エアコンが使はれてゐるかどうかは分からんが、特に必要無いのではないか。窗がほとんど無く、日が入らない。修學旅行で行つた6月は濕度が高くて蒸し暑かつたのかもしれない。蒸し暑いと言へば新幹線や地下鐵の方が酷かつた。
參議院本會議場に到著。1階が議場で2階に傍聽席や外交官席や公務員席がある。俺達は下手側の外交官・外人記者席に入つた。前に入つた團體や、いつ入つたのか分からん別の團體が正面の傍聽席にゐて説明を受けてゐた。上手側の公務員席には誰もゐない。まづは議場がどうなつてゐるかの説明を受ける。自分達のゐる場所や傍聽席、議長席の後ろにある天皇陛下用の御席、大臣席、速記者席、俺達のゐる外交官席のさらに左側に少し出つ張つてゐる皇族席、上手側の同じ位置にある貴賓席、傍聽席中央にある天皇皇后兩陛下用の傍聽席。副議長は普段は自分の議席にゐて、副議長席といふのは無い。議長が出席できない場合に代りに議長席に座る。總理大臣は下手側の一番議長に近い位置に座る決まりで、他の大臣は特に決まりは無く、その時の内閣によつて違ふらしい。議員席には名前の書かれた黒い棒があり、それを立てるとセンサーで出席が確認されるやうだ。そこに3つボタンがあり、贊成・反對・取消を議員が選ぶ。これは衆議院には無い仕組みで、その結果や出席状況は正面左右にある畫面に表示される。このモニターも衆議院には無い。議席は上手側が與黨で下手側が野黨。460席あるが、定數が242なので半分は使はれてゐない。ただし開會式はここでやるのでその時は衆議院の議員も集まる。足りない分はどうするのかといふ説明は無かつた。議長席の後ろの御席も衆議院には無い。議事堂は可能な限り國産品を使ふといふことで作られてゐるが、3つだけ外國産が使はれてゐる。そのうちの1つはこの議場にある。天井のステンドグラス。自然光を取り入れるやうになつてゐるが、もちろん照明も使へる。外國産の他の2つは廊下にあるポストとドアの鍵。ポストは投函すると地下まで落ちて行くらしい。議員しか使へないわけではなく誰でも使へる普通の郵便ポストだと言ふが、一般人が使ふためにはわざわざ葉書を持參して參觀に申し込んで中に入らないと使へない。ドアの鍵はアメリカ製らしい。日本では作れなかつたんだらうか。
日本人はかういふ説明を受ける時、ただアホみたいに聞いてゐるだけで、自分から質問したりはしない。何か質問はありませんかと聞かれても、聞きたいことがあつたとしても質問しない。ダメな民族だ。しかしそれはある程度若い世代だけなのかもしれない。今日の老人團體は激しく質問しまくりだ。事前に勉強して來て最初から色々知つてゐる感じだし、係の人の説明を受けながらさらに突つ込んで質問して詳しい解説を引き出す。何だこいつら。この老人達のおかげで俺もついでに詳しく色々聞けて良かつた。若者と比べて政治に對する興味の度合が高過ぎるな。いつも國政選擧で投票率50%とかショボい感じだが、その投票者の大半がかういふ老人なんだらうなと思ふ。議員は老人に媚びるだけで簡單に當選できるんだらうな。若者が虐げられるのも無理は無い。世代間格差なんてのが問題になつたりするが、若い奴等は無關心といふ手段を用ゐて自殺してゐるだけだと強く感じる。若者のために頑張らう!といふ意識を持つて立候補しても當選しやうが無いのだからさういふ議員が現れることも無い。20代30代がもつと政治に興味を持たないとこの國の衰退は止まらないだらう。
次に向ふのは御休所。天皇陛下の部屋。開會式等で來られた時にこの部屋に待機する。議事堂内は思つたより廣い。結構歩かされる。どこを見ても中學時代の記憶は一切甦らない。窗から見える中庭も確實に初めて見た。本當に修學旅行でここに來たんだらうか。自分で感想も書いてゐるのに全く記憶に無い。同級生のけいた君もきこさんも記憶に無いらしい。次のバンドの練習の時にCHOSANGと椅子タンにも聞いてみる必要がある。誰か同級生で國會議事堂を確かに見た記憶があるといふ人はゐませんか。そんなに印象に殘らないものだらうか。昔の自分は見て損したとか死ぬほどつまらないとか思つたやうだが、今見ると全然そんなことは無い。そこそこ面白い。行政書士試驗で憲法の勉強をして多少は國家の仕組みも詳しく知り、選擧權も得て投票したりその結果を見たり色々と經驗を積んで來たから感じ方も變つたんだらう。子供には興味を持ちづらいかもしれんな。關係無いもんな。ガキなんてただアホみたいに遊んでゐればいいだけのカスだからな。御休所は中には入れない。廊下から小さいガラス越しに中を見るだけ。どこから入るんだらう。絨毯や壁などは豪華だが、寂しい部屋だ。テーブルと椅子と暖爐があるだけ。ここは天皇專用で皇后陛下も入れないやうだ。昔は窗から富士山も見えたらしいが、今は高層ビルが多いので見えない。隣に皇族室といふのがあつて、大きめのテーブルと椅子が何脚か置いてある。皇族が大勢集まるといふことはほとんど無いだらうけど。ここも特に何も無く寂しい感じだ。ここは議事堂の中央部分。1階から中央階段で上がつて來れるやうだが一般人の見學では中央階段は通らない。ここから先は衆議院になる。衆議院と參議院は完全に獨立した別組織のやうで、案内してくれる警備員も參議院の職員だ。衆議院の領域には入れないんだらう。參議院の參觀なのでここでUターンだ。御休所前の廊下は2cm角の14色だかの大理石を敷き詰めて模樣を作つてゐる。
中央廣間へ。これも廣間そのものへは行かない。上の階から見下ろす。天井の角の繪を見たり、廣間の銅像を見たりする。銅像は3體。何も無い臺座が1つ。板垣退助と大隈重信と伊藤博文の銅像がある。1つ空きがあるのは政治は未完であるとか何とか強引に説明してゐるが、單に銅像にすべき人間が他に思ひつかないとかさういふ理由で放置する間に長い年月が經つてしまつて今さら新たに作るにはそれなりの理由が必要になるからますます無理といふやうなことなんだらう。
最後に中庭を通つて議事堂正面の前庭へ。各都道府縣の木が植ゑられてゐる道を歩いて正面に出て、ここで撮影OKが出る。老人達が樂しさうに撮影する隙間から議事堂を撮影する。俺自身は寫る必要は無い。ここで參觀は終了。正面の門から出て解散だ。荷物を預けた人はまた外の道を歩いて裏の受付まで取りに行かねばならん。大變だな。俺は何も預けてゐないのでそのまま次の目的地へ。途中でウイダーinゼリーの僞物を飲む。本當に中學の修學旅行で國會議事堂に來たんだらうか。中も外も完全に初めて見たとしか感じなかつた。ダニの糞ほども見覺えが無い。
海事代理士試驗會場の國土交通省は國會議事堂のすぐ近く。警視廳とか總務省とかと同じやうな場所。議事堂正面の道を少し眞つ直ぐ行き、信號を右に渡つて霞ヶ關の省廳の建物へ。通常、かういふところに入るためには何か正當な理由が必要だらうしそこそこ嚴重なチェックを受けることになるだらう。今日は試驗なので、受驗票を見せれば記帳等は無しで入れて貰へるらしい。ただし入場口が指定されてゐる。外務省側の入り口のみ受驗票の提示で入れる。他の入り口からは通常通り記帳等が必要らしい。無駄な面倒に卷き込まれるのは嫌なので、指示通り外務省側の入り口とやらを目指す。横斷歩道を渡つてからまた少し國會議事堂方向に少し戻る感じで歩き、外務省の建物の前の道を左に曲がる。どこから入れば良いのかよく分からんので通り過ぎてしまつたが、明らかに通り過ぎた感じがあつたので戻つて警備員に聞いてみた。その門からで良いらしい。奧の警備員に受驗票を見せて入れて貰ふやうに言はれ、そちらへ進む。午前の試驗を終へて受驗票を持つて出て來る海事代理士受驗者がゐた。出る時も受驗票の提示が必要らしい。通常はICチップか磁氣カードか何かで認證するゲートを通る必要があるやうだが、さういふのが無い人が通るための通路があつて警備員が待機してゐる。あまり意味が無いやうに感じる。警備員に受驗票を見せてゲート脇の通路から入る。右に曲がつて階段を降りると右側に郵便局がある。その先にはドトールがある。人は多い。ほとんどみんな國家公務員樣なんだらうな。
まづは受付を濟ませよう。試驗の1時間前から30分前に受付を濟ませるやうにといふ指定だが、まだ少し早い。10分程度早いだらうか。まあそれくらゐはどうでも良いだらう。郵便局の正面ぐらゐの位置、階段を降りて來て左側にある廊下へ入つて行く。海事代理士の口述試驗の部屋が左側。右側が受付と控室。受付の部屋に入つてみると、既に結構な人數の受驗者が待機してゐた。誰も一言も喋らない。誰も寛いでゐない。全員眞劍に勉強してゐる。しかもほとんどみんなスーツを着てゐる。試驗前に觀光して全力の普段着で來て、さつさと試驗なんか終らせて次の觀光をしたいなんて考へてゐるのは俺だけだらうな。結構浮いてゐる。場違ひ感が半端ぢやない。受付に2人ほど竝んでゐて時間が掛かりさうだつたのでポケットからデジカメを出して控室の樣子を撮影。受驗者の顏はボカしてUPしてみよう。緊張感は傳はるかな。寫眞だとあまり傳はらないかも。受付で受驗票を出し、確認を受ける。試驗時間を告げ、名簿で確認されてから紙を渡された。生年月日と氏名が印刷されてゐて、それに間違ひは無いかを確認する紙だ。合格證書等に印刷される名前で、これが最終の訂正機會であるらしい。合格證書の再發行はしないらしい。間違ひは無かつたので、その旨をチェックして渡す。試驗開始の15分前までにこの控室に必ず來るやうに言はれた。普通はこのまま試驗まで控室で待機しながら勉強するんだらう。でも俺は違ふ。試驗よりも重要なミッションがあるのだ。
國土交通省の便所でウンコをする。一般人が滅多に入れない官僚のアジトでウンコをする。そのために來たと言つても過言ではない。そのために餘分に飯を食つて來た。だが、俺に勝利させたくない宇宙がかういふ時はいつもと逆に便意を抑へ込んでゐる。全くウンコなど出る氣がしない。それでも負けるわけにはいかんのだ。便所へ。官僚樣は一體どんな豪華な便所を使用してゐるのだらう。もしかしたら殘糞感を殘さないやうに腹をマッサージする機械が標準裝備されてゐるとか異世界みたいな便所なんだらうか。少し怯えながら便所に突入。死ぬほど普通な感じだつた。ウンコ部屋へ。なんとウォシュレットですらない。アホみたいに安つぽいカスみたいな便器だ。どうなつてゐるんだ。下級の國家公務員はかういふカスみたいな便所しか使へないんだらうか。上級の國家公務員しか入れない奧の方には豪華な便所があるんだらうか。それともここは一般人が入つて來る可能性がある場所だからわざとショボくしてあるんだらうか。こんなところでウンコしても勝利とは言へない氣がしてきた。でもやらねばならぬ。そのために來たのだ。全く便意が無いが死ぬほど頑張つて15分ほど籠つて漸く兔の糞みたいな小さいのを1個無理に放出した。勝利。どうだ?悔しいだらう?社會の最底邊のカスがこんな國の中樞に乘り込んで來て惡意を込めてウンコしたんだよ。完全に國の敗北だらう。つまり俺の勝利。死ぬほど疲れたぜ。もう悔いは無い。この15分を勉強時間に充てるかどうかで合否が分かれるとしても悔いなど無い。
その後は特にやることも無いので控室へ。猛烈に欠伸が出る。何十囘も出る。このタイミングで眠くなるなんてヤバいだらう。何か疲勞感もある。國會議事堂内で結構歩いたしな。東京驛でも無駄に歩いた。新幹線に乘るだけでも密かに結構疲勞してゐるのではないか。もう疲れて眠くなつても仕方が無いのかもしれん。でもまだ今日の豫定の半分も消化してないぞ。みんな凄いな。イヤホンをして目を閉ぢてゐる奴は過去問を自分で喋つて作つた音聲を聽いてゐるんだらうか。問題集を見てゐる奴、自作の單語帳みたいなのを竝べて何か見てゐる奴、ノートに何かビッシリ書いてゐる奴、色々だ。何もしてゐない奴はゐない。眞劍だな。年に1囘しか無い試驗だから大して難しくなくても落とすわけにはいかないんだらうな。逆にそこまで必死になつて絶對落とせないとなるとプレッシャーが凄過ぎて餘裕が無くなつて落ちてしまひさう。眞劍さの欠片も無いのは俺だけ。一應過去問を印刷して持つて來てゐるのでそれを眺める。何故か絶望的に頭が働かん。まさかもう疲れてゐるのか。時間になり、名前を呼ばれた。つひに試驗本番。ここで今囘の腦トレは完全終了。本番はただの不毛な作業。
廊下に椅子が竝べてあつて、指定された場所に座つて待つ。AブロックとBブロックに分かれて4人づつ、8人同時に試驗を行ふ。4人それぞれ最初に受ける科目が受付時に指定されてゐる。試驗官のゐる各科目の机を時計周りに移動しながら受ける。分からない問題はパスしても良い。他の問題を終へてまだ時間があればパスした問題に再挑戰できる。さういふ説明を受けて少し待ち、部屋から前の受驗者達が出て來た。笑顏の奴は上手くできたんだらう。ダメさうな表情の奴もゐた。AブロックとBブロックは入り口が違ふので別の部屋なのかと思つたが、入つてみたら同じ部屋だつた。眞ん中でAとBに分かれてゐるだけで特に仕切りも無い。科目ごとの試驗官以外にもう1つ机があつて試驗監督が座つてゐる。その人が時間を計つてベルを鳴らす。まづは部屋に入つて部屋の横にある荷物置場に鞄を置く。長い机が置いてあつて荷物置場になつてゐる。俺は船舶法からなので船舶法の机の前に行く。受驗票を出し、受驗番號と名前を言つて椅子に座る。「始めてください」の聲で開始。
船舶法は5問出題するとのこと。第1問。船名を標示しなければならない場所を答へよ。超定番の問題。筆記試驗でもよく出るやうなカス問題。船首兩舷の外部、船尾外部の見やすい場所。これが何故かすぐに出て來ない。頭の中では一瞬で出て來たんだが、言葉が出て來ない。3秒ぐらゐ意味の分からない間があり、試驗官が「まさかこんなのが分からないのか?」といふ表情をした。いや、分かるんだ。愼重に答へねばと思ふと出て來ないんだ。無事に答へたと思ふ。第2問。船舶を讓渡された場合にする手續きを誰がどこにどのやうにするのか順に説明せよといふやうな、これまた定番の問題。新所有者は船籍港を管轄する登記所に所有權移轉の登記を申請し、その後船籍港を管轄する管海官廳に變更登録を申請する。と同時に船舶國籍證書の書換を申請し、古い船舶國籍證書を遲滯無く返還する。これもすんなり出て來ない。何度も何度も過去問で見た問題。頭の中でも分かつてゐる。なのにスラスラ出て來ない。聲で質問される練習と喋つて答へる練習をしてゐないのが致命傷になつたか。順に答へて行くのだが、何か言ひ漏らしたものがあるかもしれないと不安になりながら喋る。自分が何を答へたのか、筆記試驗なら見直すことができる。でも口述試驗ではそれができない。最初から答へ直すことは可能だが時間が足りなくなるかもしれない。流れるやうにスラスラ喋る練習をしておかねばならなかつた。これは結構嚴しいかも。船舶原簿の閲覽だか登録事項證明書の交付申請だかの手數料納付方法についても聞かれた。申請書に手數料額の收入印紙を貼付して納付する。船舶所有者が抹消登録をすべきにも關らずそれをしない場合の手續について。管海官廳は船舶所有者に1ヶ月以内に抹消登録をすべきことを催告し、それでも尚正當な理由無くして抹消登録をしない場合は管海官廳は職權によつて抹消登録をすることができる。1問、どうしても分からない問題があつた。どんな問題が出たのかも今となつては思ひ出せないが、知らない問題だつた。無殘に時間切れ。
續いて、船舶職員及び小型船舶操縱者法へ。6問出題するらしい。多いな。3分だから1問30秒。これはあまり自信の無い科目。半分ぐらゐしか答へられなかつたかもしれない。18歳未滿が取れる操縱免許を2つ答へよといふ問題があつた。特殊小型船舶操縱士と二級小型船舶操縱士の技能限定。他に、法が適用除外となる船舶の長さ及び推進機關の出力について。長さ3メートル未滿、推進機關の出力1.5キロワット未滿。ここら邊は小手調べの基本問題。海技免状更新に必要な乘船履歴を答へよといふ問題が出た、と思ふ。去年ぐらゐの改正で新たに加はつたものがある。通常の總トン數20トン以上の船舶に1年以上乘り組んだ履歴と、うろ覺えだが、更新申請日以前6ヶ月以内で合計3ヶ月の履歴。上手く答へられたかどうか自信が無い。といふのも、試驗官の反應が明らかに鈍かつたからだ。何か言ひ漏らしたんだらうか。間違つたんだらうか。他に、どういふ問題か忘れたが、普通に答へたのに少し間を置いてから「それでよろしいですか?」と聞かれた。あ、ダメなんだと思つた。全く頓珍漢な囘答をしたやうな空氣。今さら聞き直して答へる時間は無いかもしれない。澁々「はい」と答へて次の問題へ。海技免状の有效期間滿了の6ヶ月前に更新申請をした場合の更新後の有效期間の起算日はいつか。これも去年ぐらゐの改正で變つたところだ。1年前から申請できるんだが、6ヶ月以上前か否かで起算日が變るのだ。覺えてゐない。實はここは昨日調べて確認したところなんだ。なのに分からない。「更新日」と答へて樣子を見る。「更新日・・・」と確認するやうに言ひながら見つめて來る。ダメつぽい反應。もう1問出たが、全く知らない問題で手も足も出ない。時間切れ。ヤバい感じ。
次は船舶安全法。5問。死ぬとしたらこの科目。第1問、臨時檢査とは何か。・・・え?いや、知らんわ。やべえ。1問目は誰でも分かるカスみたいな問題で樣子を見るのが定番みたいな感じになつてゐる。それをまさか答へられないとは。臨時航行檢査なら分かるよ。筆記試驗でも出されたしな。臨時檢査といふのがあるのは勿論知つてゐる。でもどんな檢査かと聞かれると分からない。これを自分が知らないといふことを今ここで初めて知つた。ヤバいだろこれ。ダメ元で「臨時に行ふ檢査」とでも答へておけば良かつたのかもしれないが、心に餘裕が無く、「分かりません」と半泣き。え?といふ顏をされた。まさか1問目で分からないバカがゐるなんて試驗官も豫想外だつたのだらう。サービス問題として出題したはずだから。次に、答へられるはずの問題を答へられなかつた。船舶檢査證書に記載される航行上の條件を全て答へよといふ問題で全部言つたと思つたのに次の問題に進まない。もう1つありますが、と言はれ、猛烈に焦る。自分が何を言つたか。何を言ひ忘れたか。死ぬほど焦る。出て來ない。何故だ。他にも全く知らない問題が出されたり、かなり苦戰。最大搭載人員には3種類ありますが、全て述べてください。え?そんなの見た事も聞いたことも無いよ。知らないものは答へられるわけが無いよ。パスではなく分かりませんと答へてしまつた。他にどんな問題が出たかも思ひ出せん。知らない問題が多かつた印象。これは死んだだろ。
最後に船員法。まあこれは大丈夫かなと思つてゐたのだが、何とこれが一番の難關だつた。出題は6問。1問目からいきなり知らない問題を出されて完全に冷靜さを失ふ。基準勞働期間が9ヶ月の船舶はどのやうなものか。知らんわ。過去問にも無かつただろ。これを1問目に出すか。退職手當と何か別の手當の消滅時效についての問題もあつた。退職手當は5年、他は2年。雇入契約の時に契約書に記載しなければならない事項を2つ答へよといふ問題には給料その他の報酬と休日及び休暇と答へた。就業規則に書かなければならないものと同じだつた氣がするのでそれを答へてみたんだがこれで良いだらうか。休日及び休暇ではなく勞働時間にした方がより良かつたかもしれない。試驗官の反應が芳しくない。その後はまともに答へられた氣がしない。答へたものもどうやら全然完璧ではなかつたらしい。勞働組合にも色々ありますがどうのやうなものですか?と再質問される始末。出て來ない。勞働組合に種類なんてあつたか?まさかこんなにできないとは思つてもみなかつた。過去問に無い問題ばかり。激しく知らない問題が多い。知らないものは答へられない。どうにもならない。知つてゐるものも上手く答へられてゐない雰圍氣。これはヤバいぞ。知らない問題は各科目1問しか出ないつもりだつたのに船舶法だけで3問ぐらゐ未知の問題だつたやうな氣がする。
無殘にベルが鳴り、荷物置場から鞄を取つて部屋を出る。完答できた科目が1つも無い。一番できたのは最初の船舶法だらう。他も特にできたわけではないから、船員法の出來の惡さをカバーできたとは思へない。落ちたかもしれん。どういふ採點基準なのか知らんけど。ここ2〜3年、過去問に無かつたやうな問題がよく出るやうになつてゐる。各科目1問程度だから、それが分からなくても他が分かれば餘裕だと思つてゐた。しかし、今囘の新問題は平均すると各科目1問を大きく超えてゐた。これは過去問以外にもしつかりと法律や施行規則を讀み込んでおかないと難しい試驗になつて行くのかもしれない。今は過渡期みたいな感じかも。質問を聽くのにも集中力が要る。何を聞かれてゐるのかが質問の途中で分からなくなつたりする。筆記試驗なら少し戻つて讀み直せば良いが、口述試驗ではさうは行かない。船舶職員法及び小型船舶操縱者法で、出題直後にもう一度お願ひします!と聞き直して大幅に時間ロスしたりした。時間が無いのに。さういふのが積み重なつて焦りも出て來る。これはヤバい。面白いよ。普段こんな緊張感はなかなか味はへないからな。でももう終つた。結果はどうなるか知らん。しつかり正解できたと思つてゐるものも質問を聞き間違へて全然違ふのを答へてゐたかもしれないし、何か言ひ漏らしたことがあるかもしれない。少なくとも樂勝といふ感じでは全然ない。受かつたとしても結構マグレに近い感じだらうと思ふ。落ちる可能性は6〜8割あると思ふ。ネットの體驗記等で、他の科目の机から聞こえる聲に惑はされるとか氣になるとかプレッシャーになるといふやうなのをよく見るが、俺は全くさういふことは無かつた。一切氣にならなかつたし、聞こえもしなかつた。いや、聞こえてはゐたんだらうが、全然意識できない程度のもの。まあここら邊は集中力とか緊張の度合とかで個人差があるだらうと思ふ。再質問された問題について考へてみる。船舶安全法の航行の條件、あと1つ。制限氣壓だ。何故本番中に出て來ないのか。本番に弱いな。船員法の勞働組合の種類。そんなもの知るかよ。待てよ。種類ぢやない。もつと詳しく答へろといふ意味だつたのではないか。船員の過半數で組織する勞働組合か?俺はさう言はなかつたんだらうか。單に勞働組合としか言はなかつたのかもしれない。だからさういふ質問をされたのかもしれない。自分が何を答へたのかも朧氣にしか覺えてゐない。もうダメだ。この感觸は不合格だ。基本的に試驗官は親切だ。落としてやらうといふつもりで臨んでゐない。できるだけ受からせてあげようといふ意思を感じた。再質問してくれたり、それでよろしいですか?と確認してくれたり、もう一つありますが・・・などと際どいところで微妙な助け舟を出してくれたりする。間違へると殘念さうに溜めて「・・・はい。」と返事したりする。さういふ甘い試驗で落ちるならそれは勉強しなかつた自分が惡いのだ。ウンコしてごめんねwww
そのまま外へ。ゲートのところで警備員に受驗票を見せて通過する。外に出て、國會議事堂方面へ向ふ。次の目的地は靖國神社。最初の豫定では皇居沿ひに歩いて行くつもりだつたんだが、地下鐵半藏門線といふやつで行けることを知り、地下鐵で行くことになつた。乘り換への囘數をゼロにしたいので、永田町驛から乘ることにした。だがこれが遠いのだ。參議院の通用口(議事堂正面から見て右奧の角)の邊りにある。國土交通省は議事堂の左側の手前の方。つまり電車に乘るために靖國とは逆の方向へ行くことになる。驛まで1km程度かなといふ感じ。10分は掛かるだらうが、大したことは無いはず。國交省から靖國までは3km程度。電車の方が少し早く行けるのではないかと思ふ。で、驛までは良かつた。驛の入り口から入つて半藏門線の電車に乘るまで死ぬほど歩かされた。これなら皇居沿ひに自力で歩いて行つても大して變らなかつたんぢやないかと思へて來るほどだ。霞ヶ關から丸の内線に乘つて乘り換へても良かつたかもしれない。驛の中が廣過ぎる。死ぬほど疲れた。もう歸りたい。でも歸るわけにはいかんだらう。14時前には靖國に着くつもりで計算してゐたが、どうやら14時過ぎるのはほぼ確定だ。どこにも寄り道せずに來てゐるのに豫定より時間が掛かつてゐる。今後もさういふ感じになるかもしれない。豫定以上に餘裕を持たせて行動すべきかもしれない。
九段下驛に到著。足が痛い。指の付け根邊りの膨らんだ部分と踵が痛い。思つた以上に歩いてゐるのかもしれん。鞄も重くて肩にダメージがある。大丈夫だらうか。もう歸りたい。驛から外に出て神社方面へ向ふ。昨日、神社の便所で爆發事件があつたからか、警察がウロウロしてゐる。普段からゐるんだらうか。神社に着き、巨大な鳥居をくぐる。何かイベントをやつてゐるやうだ。ポスターには黄葉見SAKE(こよみさけ)2015と書いてある。日本酒飲み比べと書いてあるのを見てテンションが上がつた。酒!これで疲勞を癒す!と思つたのだが、受付の近くに行つて急速に萎えた。2000圓だと。クソ高い。それだけならまだ我慢できるが、何と2000圓も拂つて飲めるのは小さいお猪口5杯まで!あり得ん。300種類近くあるのにたつた5杯。ワンカップ1杯分も無いよ。飲み比べの意味があるのか。試飲は無料で氣に入つたら買つてね!といふ方式かと思つたぞ。でも都會で無料にすると乞食が集まつて來るか。ならば少し金を取つて試飲し放題にすればいい。それでも2000圓は高過ぎる。2000圓あれば5合瓶の日本酒が2本か3本買へるぞ。頭がをかしいのか。何これ。ふざけ過ぎだろ。都會は鬼ですね。牛タンとか魚とか、酒に合ひさうなものも大量にあるが、イチイチ高い。何だこれ。マジで何だこれ。素通りですわ。
拜殿に行き、賽錢箱に小錢を入れて參拜。ここまで長かつた。もう疲れ過ぎてマジで死にさう。今すぐ俺も合祀してくださいと言ひたくなるぐらゐの疲勞。まあ俺は國のために何もしてゐないから無縁の場所なんだけどな。適當にウロウロしてから遊就館に入る。入つてすぐの場所に何故か汽車が置いてある。ゼロ戰もある。レストランや土産屋もある。まづは土産屋を覗いてみた。バンドメンバーにどこかで土産を買はねばならんのだ。しかしメンバーにあげるやうなものは無い感じだ。スカイツリーで買ふか。
券賣機でチケットを買ふ。800圓。これに印刷されたバーコードを電車の改札機みたいなやつにかざして入場する。ここから先は撮影禁止。60分コースと90分コースと120分コースがあるやうだ。どうせなら全部見たいが、2時間も餘裕は無い。もう14時半だ。遲くても16時には出たい。たぶんこれまでの感じからすると移動に思つた以上に時間が掛かるので、15時半には出た方が良ささう。とするともう1時間ぐらゐしか無い。こんなに時間が足りないとは思はなかつた。もう東京に來ることなんて無いだらうから、ここは無理してでも120分コースを見るべきだらう。だが、じつくり展示物を見れずに早歩きで強引に進むのも無駄な氣がする。短いコースをじつくり見た方が良いのではないか。いや、ここは120分コースに挑戰だ。
映畫をやつてゐるやうなので入つて少し見た。大東亞戰爭を正當化するための映畫だつた。パール判事や、敵であるマッカーサー元帥の言葉等も引用しながら。かういふ映畫を見ても自虐史觀の人は醜い言ひ譯だとしか感じないんだらうな。まづ日本が惡だつたといふ結論を設定し、全てがそこに繋がるやうにしか解釋しようとしない人がゐる。取り敢へず自分と違ふ意見でも何でも虚心坦懷に接してじつくり考へてみれば良いのにと思ふ。折角だから全て見たいが、ダメだ。そんな時間は無い。出て順路に沿つて歩く。足の痛みはもうこの時點でかなりヤバい状態だつたが、ここから加速度的に酷くなる。そして何故か目も見えなくなる。視界がボヤける。泣いてゐるわけではないぞ。メガネの向きや角度を變へたり目を細めたりしないと文字が讀めないぐらゐの状態。何故急にそんなことになるんだらう。腦がやられてゐるんぢやないのか。猛烈に不安になる。肩の痛みも増す。そして、背中まで痛み始めた。肩や背中は鞄のせゐだらうか。足の痛みは何だらう。こんなに激痛になるほど歩いてゐないはずだと思ふ。2ヶ月前の旅行では常滑のやきもの散歩道(1.6km)を歩いた後で日間賀島を徒歩で1周(5km)した。その時はノーダメージだつた。今日はもつと歩いたんだらうか。電車の乘り換へ等で想像以上に歩いてゐるとは思ふが、日間賀島の時よりは歩いてゐないのではないか。靴も同じだし、こんな状態になる理由が分からない。立つてゐるだけで痛い。自分の體重を支へられない。堪へ兼ねて椅子に座つた。足の負荷が無くなれば痛みも消えるだらうし、少し休憩すれば囘復するかもしれない。しかし逆だつた。座つて足を解放したら何故か痛みが増した。齒を食ひ縛つて險しい顏をしながら氣持ち惡い汗をダラダラ流す。この状態でこの後スカイツリーとすみだ水族館なんか行けるだらうか。今すぐ歸るといふ決斷をしたとしても、東京驛まで行つて新幹線に乘つて名古屋から名鐵で歸るのを想像すると、それすら不可能に思へる。これはマジでヤバい。どうするか。やるしか無いだらう。もうダメだといふところまでは誰でもできる。そこから先どれだけ餘分にできるかが重要だ。俺はやる。スカイツリーにも行くし水族館も堪能する。全ての豫定を見事にやり遂げてみせる。
目が見えないのがつらい。展示物を讀むのに時間が掛かる。物凄い情報量なので全部讀むのは不可能。時間に餘裕があつても120分コースの展示物を120分で全部讀めるのか激しく疑問。取り敢へず全部見る。しかし詳細には讀まない。氣になる部分だけ熟讀する。時間が無いし目が見えないのでその方法で行くしか無い。どんどんどんどん足の痛みが増し、歩く速度も遲くなる。肩も背中も限界で、立つてゐられない。力を入れても力を拔いても痛い。これは嚴しい。しかし大東亞戰爭で戰地に行つた人達はこんなものではなかつただらう。追ひ詰められ、やれる範圍でやれるだけやるしか無かつた。その結果が今の時代に繋がつてゐる。少しでも時代の流れが變つてゐたら俺は生まれてゐない。祖父母は4人とも戰爭を生き延びた。父方の祖母からは子供の頃に少し戰爭の話を聞いたが、子供の頃は興味が無かつたから全然眞劍に聞かなかつた。惜しいことをした。もつと聞いておくべきだつた。展示されてゐる遺品や遺書や資料を見ると、まだまだ知らないことだらけなんだなと思ふ。外人の觀光客も多い。中國人の家族が大聲で話しながら見てゐた。何を話してゐたんだらう。支那事變については日本にも責められるべき部分がある。白人の觀光客はどこの國の人だらうか。樞軸國側だらうか聯合國側だらうか。何を思ひながら見てゐるんだらう。
不自然な動きで無駄にゆつくり歩く。足を引き摺ると痛いので、しつかり上げる必要があるが、強く踏み込むことはできない。ダメだ、もうダメだ。これはマジで歸れなくなるかも。15時半頃に遊就館を出た。1時間で120分コースを見たことになる。ほとんどまともに見れてゐないだらう。1日掛けて全てじつくり見てみたいが、もう來ることは無いだらう。試驗に落ちてゐたらまた來年來るかもしれないが、交通費が掛かるので落ちても來ないかもしれない。
ゆつくり歩いて神社を出る。何度も振り返つてお辭儀する人が多いんだが、普通はさうするものなんだらうか。參道の酒のところを通る。美味さうな食ひ物の出店が多いが、高いから買ふ氣になれない。でも結構大勢の人が2000圓の飲み比べをしながら色々食つてゐた。都會は恐ろしいところですね。
驛に着き、電車に乘る。來た時と同じ半藏門線で押上驛まで行く。電車で20分らしい。16時10分ぐらゐに着くだらうか。足が痛い。不安過ぎる。電車に乘り込み、無事に座る。東京は人が異常に多いと思つてゐたが、やはり名古屋と同じぐらゐの感じだ。あまり人がゐない場所ばかり行つてゐるのかもしれんけど。
押上驛に着き、標識に從つてスカイツリーに向ふ。またアホみたいに歩かされる。一度も外に出ること無くスカイツリーまで行けるらしい。長い長いエスカレーターで4階まで行き、標識を見ながら色んな店が竝ぶ迷路のやうな通路を拔ける。そしてつひにスカイツリーに到著。上を見上げながら寫眞を撮つてゐる人がゐたのでそちらを見てみた。これがスカイツリーか。こんなのどうやつて作るんだらうな。俺も寫眞を撮る。入り口はもつと先にあるやうだ。ネット豫約の人は少し手前から入れるらしい。當日券はだいぶ奧の方まで行かねばならん。結構人が多い感じだつたので、もしかしたら入れないかもしれないと思つたが、無事に入れた。アホみたいな行列。何百人ゐるんだらうか。でも列の動きはたまにしか止まらないから何時間も竝ばされるといふ感じではない。足が痛いから嚴しい。列の動く速さに合はせる必要があるからな。
15分ほど竝んで購入カウンターに到著。思つたより早かつた。チケット購入後はツリーの上以外どこへも行けない仕組みになつてゐる。當日券は2060圓。350mの展望デッキまで行くことができる。450mの天望囘廊へ行くには350mのところでさらに1030圓のチケットを買ふ必要がある。ボッタクリだな。チケットにはQRコードが印刷されてゐる。これをゲートにかざして入場する仕組みらしい。この方式が東京では流行つてゐるのか?チケットを買つてからすぐに上に行けるのかと思つてゐたが違つた。奧のエレベーターの方に行つたらそこにも長蛇の列。上が滿員で動けなくなつたりしないやうにスタッフがある程度人數を計算しながらやつてゐるんだらう。といふことは、上はかなり滿員の状態だといふことだらう。嚴しいな。しばらく待つて漸くエレベーターに乘れた。ここから350mまで結構時間が掛かるのかと思つたが、あつと言ふ間だつた。あまりにも急激に氣壓が變化するので耳をやられる。耳の奧でパリッパリッと音がして痛んだ。唾を飲み込む動作を小刻みに3囘ぐらゐやらないと無事に行けないかもしれない。
エレベーターを出ると、かなり大勢の人がゐた。通路を歩くのはある程度普通にできるが、外を見るのは大變。常時隙間無く人がゐる。平日でもこんなにゐるのか。名古屋港水族館で例へると、團體客が異常に多い大外れの平日の晝頃みたいな感じ。土日祝日のやうな混雜ではない。だが、ここからさらにどんどん人が増え續ける地獄。夜景目當てで來る人が多いんだらうか。
まだ日は沈んでゐないがあと數分で沈むくらゐの感じだらうか。日の入りは16時40分頃だつたはず。時計を見ると45分。もう沈んでゐる時間か。でもまだしばらくは明るい。地上は靄が掛かつてクッキリ見えない。これは水蒸氣なんだらうか。それとも排氣ガスとかの汚い空氣なんだらうか。遠くに富士山の山頂が見えた。その左の方の手前には東京タワーも見える。東京タワーが低く見える。スカイツリーはそんなに高いのか。ここは350mだから東京タワーの高さと同じぐらゐのはずだが。いや、地面の高さが違ふのかもしれん。
完全に暗くなる前に450mに上がることにした。少し竝んでチケットを買ふ。こちらはほとんど竝ばない。先週から450mの天望囘廊でスターウォーズのイベントをやつてゐるが全く人氣が無い氣配。350mの場所にこれだけ人がゐるのに上に行かうとする人がほとんどゐない。エレベーターの天井が透明で、上の方が見える。途中から前の壁の向うも透明になり、外が見える。450mに着き、エレベーターを出る。人はやはりあまり多くないが、そこそこゐる。スターウォーズイベントは集客力無し。スターウォーズのために來てゐる感じの人はほとんどゐない。みんな外の景色を眺めてゐる。スターウォーズの展示は激烈にショボいよ。プラモデルが少し飾つてあり、ライトセイバーを持つて撮影できたり、等身大トルーパーの人形と一緒に撮影できたりするだけ。ここまで上がつて來るのに3000圓掛かることを考へると、相當なマニアでない限りスターウォーズ目當てで行く必要は皆無だと思ふ。まだ遠くの空は濃いオレンジ色で、富士山もまだ何とか見えてゐたが、すぐに暗くなつた。展望デッキより100mも高いはずなのに、風景は似たやうな感じに見える。大して變化を感じない。後でデジカメ畫像を見れば違ひが分かるのかもしれないが、實際に見てゐるとそんなに違ふやうには感じない。450mは2層になつてゐるが階段等は無い。時計囘りに螺旋状に上がつて行く感じで、終着轉には下りのエレベーターがある。つまり1周したらそれで終りだ。ショボい。これで1030圓も取るのか。1周してからまた逆方向に歩いて戻る。混雜時には逆方向に歩くことはできないかもしれない。足が痛過ぎて死にさうだが、少しでも元を取らねば。夜景の寫眞を撮つても上手くいかない。暗いからシャッタースピードが遲くなる。さうすると手ブレでやられる。疲れてゐるから固定するのは難しい。取り敢へず、東京の夜景を1周見た。この視界のどこかにゑりりんがゐる。ゑりりんに會ひたい。
どうやつても1030圓の元を取れるわけが無いので諦めてエレベーターに乘つた。天井の寫眞を撮つてみたりしながら展望デッキへ。展望デッキは3層になつてゐる。340と345と350の數字がついてゐる。地上からの高さだらう。最初に4階から上がつて來るのは一番上の350。そこからエスカレーターで下に行くことができる。450mの天望囘廊からエレベーターで戻つて來るのは眞ん中の345。ぢやあもう350には戻れないのかと思つたが、階段で戻ることができさう。345には土産屋やレストランがある。まづは土産屋へ。バンドメンバーに土産を買ふ必要がある。しかし、クソ高い。アホみたいに高い。しかもあまり良ささうな物も無い。ここでは買へないな。340に下りると、カフェがある。それ以外に床が透けてゐる場所がある。下を見ながら乘るとハラワタがモワモワする。バカがその上でジャンプする。本當にバカだよな。絶對に割れないやうに作られてゐるのは分かるが、本當に信用できるのだらうか。何らかの想定外の原因で強度が弱まつて突き破る可能性が絶對に無いと言ひ切れるだらうか。事故があつたらスカイツリーの責任?それはさうだが自分が死んだら全て終りだらう。バカは早死にする。餘計なことをするな。嬉しさうに飛び跳ねてるバカを見るだけで不快になる。しかもいい年したヲッサンがジャンプしてゐた。ああぁ怖い!無理無理!!とか大聲で叫んでゐるヲバチャンの方がまだ人間らしくて好感が持てる。しばらく展望デッキにゐて2060圓の元を取らうと思つたが、やはりどう考へても無理なので降りることにした。どうなつたら元を取つたことになるのかも分からんしな。何より足が痛い。もう動けん。「もう無理」と感じ始めてから一體どれだけ歩いただらうか。意外と死なないものだ。だが歸れる氣がしない。と言つても何だかんだで歸れるのだ。もう少しの辛抱だ。明日から全力で寢たきりになればいい。時計を見たら18時。意外と長くゐたらしい。痛過ぎて歩くスピードが極限まで遲くなつてゐるからな。もう痛みを堪へるのに必死で全然樂しめてゐない。勿體無い。
次はすみだ水族館。スカイツリーの隣にある。展望デッキからエレベーターで4階に降り、標識に從つて少し歩く。外に出て階段を上がると5階にある。外はアホみたいに寒い。スカイツリーに來た時點ではそれほど寒くなかつたのにこんなに急激に氣温が下がるのか。まづは入館券を買ふ。2050圓。まあ標準的な水族館の値段か。これも券にQRコードが印刷されてゐて、ゲートにかざすと入れる仕組み。靖國からずつとこれだな。東京ではこれが主流なのか。名古屋では見たことも無いんだが。ああ足が痛い。背中の痛みもMAX状態。立つてゐるだけでつらい。ゑりりんに看病して貰ひたい。ここは東京だ。偶然ゑりりんに遭遇する可能性もゼロではないぞ。ゑりりんは出不精だから遭遇できる可能性なんてほぼ無いか。しかも魚が怖いから水族館では絶對に出會へない。
一歩一歩足を踏み出すたびに激痛で死にさうになる。肩と背中も痛い。立つてゐるのが本氣でつらい。こんな苦しい思ひをして何故俺はここにゐるんだらう。足がどうなつてゐるか氣になる。裸足になつたらどういふ感じなんだらう。外見は何も變らないんだらうか。何が痛んでゐるのかもよく分からない。肉が潰れて炎症を起こしてゐるんだらうか。それとも骨にダメージを負つてゐるんだらうか。
變なお香を焚いたみたいな匂ひがする水族館だ。最初は熱帶魚と水草の水槽。その次にクラゲ。さう珍しいものでもないな。次に小さい水槽が竝んだ魚の展示があり、そこを拔けると下の階から繋がつてゐる巨大水槽が少しだけ見える。大きめの鮫がゐた。下の階からはもつと激しく見れるだらう。ウナギやナマズも展示されてゐた。何かそれ系の特別展みたいなのをやつてゐるやうだ。その後は少し廣い場所に大きめの水槽があつてサンゴ等が展示されてゐる。少し前に大改裝して生きたサンゴを入れたばかりの名古屋港水族館の方がサンゴの量は多いが、こちらの方が綺麗に見える氣がする。チンアナゴとニシキアナゴの水槽もあつた。名古屋港水族館にゐるやつと比べると超巨大。こんなデカくなる魚だつたのか。笑へて來る。俺は今まで子供のチンアナゴしか見たことが無かつたらしい。
下の階のデカいプールにゐるペンギンを見下ろしながら椅子に座つて休憩。もう歩けない。座つて足を體重から解放しても痛みは消えない。でも肩と背中の痛みは和らぐ。歸れる氣がしない。まさかこんな目に遭ふとは思つてもみなかつた。原因もよく分からん。歩き過ぎといふのも原因の1つなんだらうが、まだ大して歩いてゐない頃から痛み始めてゐた。日間賀島の時と違ふのは鞄を持つてゐること。どこかに自分でも氣附かない變な力が加はり續けて巡り巡つて足に來てゐるのだらうか。
ペンギンプールの上の通路を歩き、端の方から下の階へ。オットセイもゐた。ここら邊に來て急に水族館全體が暗くなつてゐる。夜用の演出らしい。餘計なことを。こんなに暗かつたら寫眞撮影ができないぢやないか。巨大水槽の方へ行き、しばらく眺める。
奧にカフェがあつたが勿論スルー。その邊りからペンギンプールの裏の方に金魚の水槽がある。色んな種類の金魚がゐる。これで一通り見ただらうか。元氣な時だつたら物足りないだらうが、足が痛くて死ぬほどつらい今はこれで十分に思へる。歸らう
いや、最後に巨大水槽をもう一度見ておかう。また椅子に座つて水槽を眺める。アホみたいにデカいウツボが何匹もゐる。ウツボつてあんなにデカくなるんだな。2mぐらゐあるんぢやないのか。名古屋港水族館にゐるやつは小さいやつばかりなんだな。この水槽は見た感じより廣いし魚種も豐富な感じがする。見榮えが良いな。
18時50分。豫定では19時半ぐらゐまで水族館にゐるはずだつたが、思つてゐたよりも電車の乘り換へ等で時間が掛かるやうだし、足が痛くて歩く速度も遲い。早めに歸つた方が良いだらう。恐らく20時20分ぐらゐまでの新幹線に乘らないと犬山から家まで10km以上歩いて歸ることになる。押上驛から錦絲町驛まで3分程度。錦絲町驛から東京驛まで8分程度。乘り換へで5分。20分あれば東京驛までは行けるはずの計算だ。だが餘分に掛かるはず。もしかしたら今結構危ない状態なのかもしれない。水族館から外に出たら寒さが増してゐた。アホみたいに寒い。11月末は本來これくらゐ寒いものだらう。これまでがをかしかつた。おつと、バンドメンバーへの土産を忘れるところだつた。スカイツリーの麓の賣店に突入。やはり高いんだよな。でももうここで決めるしか無い。適當に菓子を買つた。同じやつで味の違ふ3種類。ロシアンルーレットだな。まあ外れは無いと思ふけど。
最後に、ライトアップされたスカイツリーを撮影する。もう二度とここに來ることは無いだらう。建物に入り、標識を見ながら押上驛に向ふ。驛が遠いんだ。長いエスカレーターまで辿り着くのにも時間が掛かる。長い長いエスカレーターを地下3階まで降りて地下鐵の驛へ。またここからホームまでが遠いんだ。錦絲町驛まで1驛。それくらゐなら徒歩で行つても良いかもしれないが、今の状態では嚴しいだらう。でも結局徒歩で行くのと同じくらゐ歩かされてゐるのかもしれない。電車に乘り込み、無事に錦絲町驛へ。地下鐵とJRは同じ建物ではないので一旦外に出る必要がある。外は死ぬほど寒い。足が痛過ぎてもう歩けない。何度「もう歩けない」と思つたことだらう。それでも歩いてゐる。どこが本當の限界なんだらう。あと3km歩いたら確實に死ぬ氣がするのだが、實際には3km歩いても死なないんだらう。意外と限界は遠いものだ。弱音を吐くのが早過ぎるだけ。しかし歩くのがつら過ぎる。今日の俺と同じ状態になつたら大半の人間はここまで來る前にもう無理と言つて逃げると思ふ。恐らく遊就館に入る前に諦めると思ふ。少し休憩しながら周圍を眺める。つひ、ゑりりんを搜してしまふ。いつでも捜しているよ どっかに君の姿を 向いのホーム 路地裏の窓 こんなとこにいるはずもないのに
ここからはJR。總武線の快速といふやつに乘らねばならんらしい。同じ總武線でも快速と普通では行き先が違ふらしい。東京驛に行くためには必ず快速に乘る必要がある。間違へたら時間を大幅にロスして歸れなくなる。ここからは餘分な運賃は必要無いらしい。新幹線に乘るための乘車券が東京都區内→名古屋市内となつてゐて、その範圍内ならその切符で移動できるらしい。東京驛から名古屋驛の新幹線區間だけではないやうだ。勿論途中下車したら無效になる。東京驛では改札の外に出ず、新幹線の乘り換へ專用の改札を通らねばならんやうだ。錦絲町で乘る時は乘車券だけを入れ、東京の新幹線乘り換へ改札では乘車券と特急券を2枚入れる。色々面倒な仕組みだな。無事に東京に着いた。でもここから新幹線に乘るまでにまた大量に歩かされるんだらう?もう慣れたわ。結局、20時丁度の新幹線に乘れるかどうかといふ時間になつてゐた。水族館から1時間も掛かつてゐる。豫定の倍以上だ。やはり危ないところだつたんだな。ホームに出ると、自由席の1〜3號車は遙か遠く。始發驛だが、ホームに入つて來たばかりではないやうだから、もう滿員かもしれない。發車まであまり時間も無い。別のホームの次の新幹線にすべきかとも思つたが早く歸りたい。氣力を振り絞つて痛みを堪へながら小走りで1號車の方へ向ふ。3號車はかなり乘つてゐる感じだつた。ダメかと思つたがまだ諦めない。階段から遠い1號車はまだガラガラかもしれない。2號車を覗いてみると、まだまだ餘裕で空席があつた。當然乘り込む。座れた。助かつた。座れることがこんなに嬉しい。窗側の席に座り、賣店で買つたおにぎりを食ひながらコーラを飲む。そして顎關節症のための痛み止めを飲む。・・・何故氣附かなかつたんだ。靖國邊りで藥を飲んでゐたらこんなに苦しまずに濟んだのではないか。もう遲い。どうでもいい。
發車。車内は電氣がついて明るい。朝の新幹線より車内が激しく廣く感じる。同じに決まつてゐるのにこの差は何だ。横幅も前後の幅も廣いやうに感じる。乘客數が少ないからだらうか。歸りの電車で讀むために買つて持つて來た本を讀む。強い力と弱い力の本。專門書ではなくこんな一般向けの新書レベルでも知らないことだらけ。もう1年ぐらゐ結構な時間を掛けて宇宙論とか量子力學とか超弦理論とか勉強してゐるのに。海事代理士試驗の勉強は筆記と口述合はせて70時間程度だが、その何倍もの時間を掛けてゐる。でもまだまだ全然だ。宇宙の仕組みを知りたいと思つてしまつたのは何者かの罠だつたのだらうか。ゴールは無い。俺が生きてゐる間には全貌が解明されることは無い。それでも可能な限り知りたい。名古屋に着き、新幹線を降りる。もう二度と乘ることは無いかもしれない。藥が效いたのか、休んで少し囘復したのか、多少は足の痛みが和らいだ氣がする。中央コンコースを時計臺の方へ歩き、右に曲がつて名鐵へ。見慣れた風景。戻つて來たんだな。でもまだここからも結構長いぞ。この先、座れなくて死ぬ可能性がある。一旦逆方向の金山に行つてから乘れば座れるだらうけど、さうすると終電に間に合はないかもしれない。21時45分。ここから犬山まで30分。犬山からの最終は23時少し前だつただらうか。まだ間に合ふ。金山まで行くと少し不安がある。名古屋から乘るべきだらう。もしかしたら犬山から23時臺後半の電車もあるかもしれないが、自信が無い。ホームへ行つてみると、絶對座れないほどの長蛇の列。死ぬぞ。マジで死ぬぞ。今日だけは座らせてくれよ。必死に人數の少ない列を探して竝ぶ。空席の多い電車が來れば座れるか。微妙なところ。次の電車は鵜沼行きの一部特別車特急。乘れば早く歸れる。空席がありますやうに。特急券を買つて指定席に座ることも考へた方が良いかもしれない。ホームに入つて來た電車は微妙な乘車率。多少降りた。行ける。たぶんギリギリ。齒を食ひ縛りながら乘り込み、無事に座つた。ギリギリ助かつた。泣きさう。ここで座れなかつたらマジで命が危ないところだつた。でも犬山で乘り換へてそこから先は座れず。足の痛みが激しい。痛み止めの效き目がもう切れて來たんだらうか。無事に西可兒に到著。死ぬほど寒い。アホみたいに寒い。ここから家までがまた遠いんだ。でもあと少しだ。結局、22時55分頃に家に着いた。豫定通りと言へば豫定通りだが、水族館の滯在時間を短縮してこれだからな。19時半まで水族館にゐたら絶對死んでゐた。危ないところだつた。
足腰がやられ過ぎてゐる。背中も肩も痛い。アホみたいに痛い。でももういいんだ。ここから數日間、全力で寢たきりになるだけで良いのだ。取り敢へずデジカメ畫像をPCに取り込んでFacebookにUPしてみた。日記も早めに書き始めた方が良いだらう。今日は觀光がメインだから試驗に關することは少なめにしておかう。觀光部分だけでも相當な分量になりさうだからな。結局、何だかんだで2時半ぐらゐまで起きてゐた。朝5時から起きてゐて死ぬほど疲れてゐるはずなのに。明日以降本氣で長い間寢たきり状態かもしれんな。
かうして、地獄のやうな1日が終つた。ボケ防止のための腦トレとして資格試驗に手を出して8年。本格的にやり始めてから6年だらうか。全くボケ防止の效果を實感できない。最近、炊飯器のスイッチを入れ忘れる事件が多發してゐる。飯を食はうと思つて炊飯器を開けたら生だつたといふのがこの1ヶ月の間に2囘もある。GENKYに藥を買ひに行つて食料だけ買つて歸るなんてのも目立つて來た。ふざけやがつて。效果が無いのならやめてしまつた方が良いのかもしれない。無駄に金も掛かるしな。幅廣い分野の知識が身につくのは良い。世界の見え方も變る。ボケ防止の效果は無くとも得られるものは多いし、それなりに面白い。だが、その程度のことに時間と金を注ぎ込む價値は無いのではないか。色んな分野に手を出して來たが、そろそろネタ切れな感じになつて來てゐる。資格なんて世の中には數千種類はあるだらうから、完全なネタ切れといふことにはならないが、簡單過ぎるゴミを除外すると1割ぐらゐしか殘らないのではないか。その中で、多少なりとも興味を持てるものが無くなつて來た。資格そのものは必要無い。勉強することが腦トレだ。だから試驗を受ける必要すら無いのだが、試驗に申し込まなければ勉強などするはずが無い。無理に自分に勉強させるために申し込むのだ。申し込んだからには受けねばならん。そして一生使はないゴミみたいな資格が溜まつて行く。中途半端な資格マニアみたいになつて來た。海事代理士も選擇肢が少ない中で無理に選んでやり始めたものだ。海事代理士になりたいわけではない。だから別に受かる必要も無いのだが、受驗するからには合格せねばダメだらう。口述試驗は正直ナメてゐた。と言ふか、やる氣が出なかつた。ずつと過去問と同じ問題ばかり出てゐたが、ここ數年、新しい問題が出始めてゐた。でも新しい問題を全て捨ててもまあ不合格は無いだらうなんて思つてゐた。それが終つてみれば不合格の可能性が結構高いといふ状況。どうしようか。受かつたら別にどうでもいい。いつも通り登録もせず放置して終りだ。落ちた場合だ。負けたまま終るわけにはいかんなどと言つて來年に再挑戰することになるんだらうか。來年度だけ筆記試驗が免除される。ただし受驗料は同じ。ならば筆記試驗も受けないと損なんぢやないのか。また筆記を受けて筆記に落ちたら口述の受驗資格も無くなるから、どうしても受かりたい人は口述だけ受けるだらうが、同じ金で筆記をスルーしたら筆記試驗の問題用紙を貰ふ分とか海事局に採點させる費用とかの分が損だらう。さういふ考へをするのは俺くらゐのものだらうけど。俺の性格からして不合格のままやめてしまふ可能性は低いんだよな。名古屋で受けさせて貰へるなら何も問題は無い。普通に受けて今度こそ合格してそれで終りだ。でも東京なんだよな。
もう二度と東京なんか行きたくない。思つてゐたほどは人口密度は高くなかつた。平日の晝間に行動したからだらうか。單に人が少ない場所に行つただけなんだらうか。それともどこも同じやうな感じなんだらうか。思つてゐたよりは人が少なかつたといふだけで、人がアホみたいに多過ぎて鬱陶しいのは同じこと。物凄く不快。何故あんなに人が集まるんだらう。ゑりりんみたいな東京生まれ東京育ちの江戸つ子は別として、わざわざ快適な田舎を捨てて上京するお上りさんのカッペ達はあんな地獄のやうな街の何に魅力を感じて住んでゐるんだらう。何か大きなメリットがあるからあんなに人口が集中してゐるんだらう。でもそれが何なのか俺には分からない。俺の場合は人が多いのが嫌だといふのがあるから良さが見えないのかもしれない。人口密度の高さは無視することにして、何か良い部分があるのかどうか考へてみた。無いんだよ。思ひ付かない。でも無いはずは無い。あんなに大勢の人間が田舎から集まつて來るからにはそれなりの理由があるはずだ。何なんだらう。無理に觀光してみたが、そこまでして行くほどの場所ではなかつたし、足も痛くて全然樂しめなかつた。
もう來年は行きたくない。でも落ちたら行くことになるんだらうな。考へるだけで溜め息が漏れる。東京へ行かないために合格してゐて欲しい。さう思ふならしつかり勉強しておけボケ。東京觀光の計劃を立てたり電車とか新幹線とか色々調べるだけで疲れ果てて全く勉強する氣になれなかつたのと、どうせ受かると思つてナメてゐたことが敗因。いや、まだ落ちると決まつたわけではないが。まあ受かつてもマグレだから敗北か。合否は關係無い。自分に負けたのだ。人生は全て自分との勝負。他人や試驗などは勝負の相手ではない。まあ結果を見てから考へよう。微妙なところだよな。受かつてゐる可能性もあるし、落ちてゐる可能性もある。ボーダー附近なのではないかと思ふ。感觸としては不合格の可能性が高いと思ふけど。配點や採點基準も不明なんだよな。
ここ數年、違和感が凄い。何もしない人生はつまらない。だから何かをする。一歩踏み出せばそれで全てが變る。踏み出したら止まらなければいいだけだから。さうやつて變化を求めて來た。無意味な一歩を簡單に踏み出し過ぎてゐる。元から色んなことに手を出して時間が足りなくなつて何もかもが中途半端なのに、さらに新しいことに挑戰し續ける。ここに無理を感じ始めてゐる。何をやつてもそれなりには樂しめる。今囘の海事代理士試驗だつて、氣粉れの勢ひで申し込んだだけでこんなに色んな知識と體驗とネタをもたらした。あの時申し込んでゐなければ、この秋は特に變化の無い人生だつただらう。代りに何か特別なことをしたとは思へない。やつて良かつたとは思ふ。だが何かが違ふんだ。空囘りしてゐると言ふか、迷走してゐると言ふか、「これぢやない感」が凄いのだ。バンドのレコーディング作業すらまともにできなくなつてゐるぢやないか。俺には進むべき道など無いが、だからと言つて同時に無闇に多方向に進むことはできないのだ。リストラが必要だ。大幅に色んなことを省く必要がある。もう年末だから、年内はこのまま行かう。來年は取捨選擇の年にしよう。嚴選すべき。まづ、ネットの時間を減らさう。SNS系は大幅カットで良いだらう。本物のリア充はSNSなんかほとんどやらない。商賣で利用してゐる人を除き、SNSのログイン時間の多さとダメ人間度は完全に比例する。犬土偶日記も文字數を減らさう。少し珍しいことをした日の日記の更新が何週間も止まつてしまふのは無理があるからだ。載せる寫眞の數も減らさう。腦トレも來年は何もしないといふ選擇も考へてみよう。海事代理士は落ちてゐたらリベンジせざるを得ないかもしれないが、さかな檢定1級はスルーで良いだらう。色んなことをやり過ぎてゐるせゐで、全てが中途半端になつて、逆に何もやつてゐないやうな感覺になつてしまふといふ状態を拔け出したい。時間は有限なのだ。無限に生きたいがそれは無理だ。
(1.8)ロビンソン、泣いて 泣いて 泣きやんだら、Easy Come, Easy Go!、Trinity、STAY GREEN 〜未熟な旅はとまらない〜、儚いダイヤモンド、LOVE PHANTOM、IT'S SHOWTIME!!、(1.5)Anniversary song、fake、MIRAI、turning、トウダイモトクラシー、pain。
ギター練習35分、腹筋130囘、背筋130囘、讀書100ページ。
追記。官報や國交省のWebサイトにて12月11日に合格發表。やはり不合格だつた。船員法が死に過ぎたからな。船舶安全法も結構ヤバかつた。ろくに勉強しなかつた結果だな。東京觀光の計劃を立てるのに疲れて東京へ行くことを考へるのも嫌になつて絶望的にやる氣が出なかつた。それでも過去問だけ適當にやつておけばギリギリ合格はできるだらうなんて甘く見てゐたといふのもある。合格率が7割程度あると言つてもそこそこ勉強して筆記に合格した人のうちの7割だからな。あまりナメない方が良かつたんだな。まあ終つたことはいい。俺には資格など必要無いから、落ちても別にどうでもいい。だが、この性格上、「負けたまま終るわけにはいかん!」なんて言つてまた來年受けることになるのはまづ間違ひ無い。といふことはまたあの地獄の東京へ行かされることになる。それが死ぬほど嫌だ。もう二度と東京なんか行きたくない。次はどこを觀光すべきですか。觀光するところなんか無いんだよな。考へるだけでウンコが漏れさう。まあ1年後のことは今は考へる必要は無い。で、合否の結果を通知する葉書か手紙が送られて來るだらうと思つて待つてゐた。送られて來るなら「お前、バカだから不合格!ざまああぁあぁあ!!」といふ手紙を日記に載せないわけにはいかない。レアなアイテムだしネタ的にも絶對載せるべき。でも15日まで待つて送られて來ないので、どうやら合格者にしか通知しないやうだと判斷し、諦めて文章だけ追記することになつた。試驗結果の詳細は國交省のWebサイトにPDFでUPされてゐる。
口述試驗の受驗者は167人(2人棄權)で合格者は116人、合格率は69.46%。平均正答率は65.30%らしい。中部は18人受けて12人合格なので全國平均よりも合格率が低い。俺が受かつてゐたら平均を超えてゐた。俺が中部の足を引つ張つた。前年度筆記合格して口述を受けなかつたか不合格した人は今年18人受けて8人しか合格しなかつたやうだ。何なのその合格率の低さ。2囘目のくせに。俺みたいに1囘目にまともに勉強せずに辛酸を嘗めた奴は普通は2囘目は全力で勉強して臨むんぢやないのか。なんで1囘目の奴より合格率低いんだよ。ナメて落ちたのではなく能力が足りなくて落ちた奴が多いのかもしれんな。能力が無いから何度やつても受からない。このレベルの試驗でそんなことがあり得るのか。まともにやれば誰でも受かるものだと思つてゐたが、分からんものだな。とか言つてゐると何故か俺も來年また落ちるなんていふ最高のネタを提供してしまふことになるかもしれんな。いや、今度は眞面目にやるよ。もう一生東京に行かないといふ素晴らしい人生を手に入れるために過剩なまでに全力を出すよ。6割で合格だけど全問正解を目指す勢ひだよ。東京に二度と行かないために。マジで行きたくねえ。
話題:免許・資格・検定
公開日時 | 2015年12月02日 11時20分07秒 |
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最終更新日 | 2015年12月16日 01時45分16秒 (更新回数: 2) |
本文文字数 | 53279文字 (タグ込み) |
URL | https://orca.xii.jp/br/diary/diary.cgi?id=dogoo;date=20151124 |
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