海の近くに住みたい
話題:旅行
公開日時: 2015年11月01日 08時30分31秒
今日は日間賀島旅行。1泊2日。9時前に家を出る豫定。7時20分起床。速攻ギター練習。何があつても必ず毎日ギターの練習をすることになつてゐる。重病でも睡眠不足でも試驗前日でも關係無い。インフルエンザで死にかけた時も無理にやつた。2010年の8月2日からずつとだ。ただ、種子島に行く時にどうしても飛行機にギターを持ち込めずに諦めたことはあつた。2日間だけサボらざるを得なかつた。だが今日みたいな1泊の場合は家を出る前にやれば途切れること無く毎日練習できることになる。ここで早く起きることが何より重要。決められた最低曲數を消化するのに40分程度は消費するから、家を出る1時間前がタイムリミットだらう。昨日は1日掛かりの試驗だつた。アホみたいに早起きもした。滿員電車で死ぬほどウンコ我慢して疲れ果てた。結構歩いた。そんな状態だから、今日は起きれないかもしれないと思つてゐたのだが、根性で起きた。昨日からの3日間が勝負だ。全力だ。何もかも本氣だ。無事に日課のギター練習を消化できた。急いで旅行の準備。
(1.6)The Wild Wind、Enter Sandman、ONE FOR THE ROAD、ギリギリchop、GO FURTHER、OH!GIRL -Mixture style-、衝動、ELECTRIC EYE、(1.3)Anniversary song、fake、MIRAI、turning、トウダイモトクラシー、pain。
旅行が決まつたのはいつだつただらうか。バンドの練習のスタジオ豫約を取るのが大體毎月25〜27日邊り。俺は融通の利く人生なので基本的にいつでもOKなのだが、9月はこの日間賀島旅行のせゐで26日27日がダメだといふ珍しいことになつた。9月も最初はいつでもOKだつた。試驗があつたが金曜なので元々バンドの練習が入る可能性は無かつた。で、一旦はいつでもOKとCHOSANGに知らせておいたんだが、そこから練習が確定する前に26日27日がダメだと訂正した覺えがある。つまり8月の25〜27日ぐらゐの間に旅行が決まつたのではないかと思ふ。毎日日記を書いてゐるから調べれば正確に分かるだらうが、特に正確に分かる必要も無いので調べない。突然親に誘はれた。ここ數年、年に1囘か2囘ぐらゐのペースで誘はれる感じだ。今まで北陸や奧飛騨に行つた。親や弟がよく行く居酒屋で仲良くなつた人達と數ヶ月に一度旅行に行く習慣になつてゐるやうだが、車に乘り切れる範圍で可能な限り大人數で行きたいやうな氣配だ。その方が安くなるのか何と無く勿體無い氣分になるのかは知らない。都合で參加者が少なくなることもあるだらう。さういふ時に俺が頭數を埋めるために誘はれるやうだ。俺はその居酒屋には滅多に行かない。過去5囘行つたかどうかだらう。だから女將は知つてゐるが客のことは知らない。知つてゐるのは、店では會つたことが無いが昔居酒屋の常連達で借りてやつてゐた畑や旅行で會つたことがあるといふ人ばかり。旅行について行くと、當然、誰?みたいな反應をされる。完全に部外者みたいな感じなのだが、まあ特に問題は無い。店にも來いよと言はれたりするが、俺は1人で飲むのが好きだ。うるさいところや醉つ拂ひが好きではない。そんな感じで部外者丸出しの状態なので、親に誘はれたとしても普通の人の感覺ならあまり參加したいと思はないのではないか。でも俺は一切氣にしない。餘裕でついて行く。家で普段と同じ生活をするのと旅行に行くのとどちらが面白いだらうか。考へるまでもない。さう言へば親は8月末にもどこかに旅行に行つたんだ。俺も誘はれて一度はOKしたんだが、スタジオBELLのバーベキューと重なつてゐることを思ひ出して斷つた。あの時は長野に行くとか言つてゐたな。いつも山ばかり。何故みんな山に行きたがるんだらう。海へ行けよ。海の方が斷然良いぢやないか。今囘、俺は居酒屋旅行で初めて海へ行く。天氣豫報では雨のはずだつたが、何故か晴れた。このままずつと晴れてゐれば良いんだが、運が惡いからどうなるか分からない。
日間賀島は愛知縣の知多半島の先端からすぐ先に見えてゐる小さい島。周圍は6kmぐらゐしか無いらしいが、どうもそれも堤防の先まで含めた距離で、道路だけを1周すると5km程度のやうだ。徒歩でも1時間で囘れる。タコとフグの島。この島には30年ぐらゐ前に行つたことがある。正確にはいつだか分からん。たぶん小1か小2の時だと思ふんだが、違ふかもしれない。少なくとも可兒に引つ越して來る前だ。親の會社の社宅に住んでゐたんだが、同じ社宅の人達と行つた記憶がある。何と無く風景も薄つすらと覺えてゐる。親や他の人が夜に港で釣りをしてゐたやうなのも覺えてゐる。2年前、祖母の法事で母親と種子島に行つた時、この同じ居酒屋の旅行で父親は日間賀島に行つてゐた。その時も俺は誘はれたんだが、種子島が決まつてゐたので日間賀島には行けなかつた。さういふ状況だつたので、空港に向ふ途中の電車の中で母親に日間賀島のことを聞いてみた。30年ぐらゐ前に行つた記憶が微かにあるといふ話をしたら母親は確かに行つたと言つてゐた。俺は子供だつたから記憶が曖昧で自信が無いが、親は大人だつたからしつかり覺えてゐるだらう。で、今日。待ち合はせの場所に向ふ途中で父親に30年前のことを聞いてみたら行つてゐないと言ふ。そんな馬鹿なことがあるか。曖昧だが記憶もあるし母親も行つたと言つてゐた。社宅の人達と行つたんだから父親も行つたに決まつてゐる。でも全く記憶に無いと言ふ。2年前に行つた時、初めて日間賀島に來た!と思つたらしい。それまで船で島に渡つたことなど一度も無いと自信滿々だ。そんなはずは無い。俺より小さかつた弟は覺えてゐないだらうな。しかし忘れるものかね。30歳頃のことを60過ぎたら完全に忘れるのか。俺の30の頃と言へば種子島に長期滯在した頃だな。俺も老人になるまで生きてゐたとして、よきの海水浴場でバイクのキーを失つて長距離歩いて歸つたとか叔父と從弟がスズメバチに襲はれたとか鹿之峯で親戚の家の補修工事を手傳つたとかロケットの打ち上げを見たとか、さういふことを綺麗に忘れ去つてゐるんだらうか。そんなはずは無いと思ふ。何も無い普通の日の記憶は消えるかもしれないが、旅行に行つた記憶とか忘れるか?まさかもうボケ始めてゐるんぢやないだらうな。不安になるわ。でもボケると昔のことはよく覺えてゐるのに最近のことは覺えてゐないみたいなことになるとよく聞くがどうなんだらう。
今日は7人で行くらしい。いつもの女將夫婦と俺と親と、それ以外に3人。知つてゐる人だらうか。知らない人だらうか。まづは市役所から少し南に入つたやうな場所に2人迎へに行つた。知らない人だつた。どうやら最初は俺のことを弟と勘違ひしてゐたらしい。俺は居酒屋へ行かない人間だからな。みんな知らない人が來ることは想定してゐない。次に多治見の方へ向ひ、女將の家へ。すぐ下の道をもう1人の參加者が歩いてゐたが、反對車線だつたので取り敢へず女將の家へ。歩いてゐたもう1人の人も知らない人。知らない人が多いな。全員車に乘せて出發。
まづは喫茶店に寄るらしい。これが激しく無駄。夜は民宿で超豪華な飯が出るらしい。しかも凄い量で食ひ切れないぐらゐだとか。豫め分かつてゐるのに何故食ふんだ。馬鹿か。しかもどうせ晝も食ふんだぜ。完全に頭がをかしい。俺なんか昨日から食つてないわ。試驗中に便意に苦しめられるのを囘避するためにウイダーinゼリーの僞物を飲んだだけ。罐コーヒーやジュースは少し飲んだけどな。ウンコ囘避だけでなく今日の晩飯を全力で食ふための斷食も兼ねてゐた。やはり人生は本氣で生きないとつまらないと思ふのだ。何故このタイミングで朝飯を食ふのか。全く理解できない。考へられない。常軌を逸してゐる。明らかにをかしい。腹が減る?ならばそれを夜に全力で滿たせばいいぢやないか。夜に後悔することが分かつてゐて何故今食ふんだ。絶對をかしい。朝晝晩全部が豪華な飯なら食ふが、どうでもいい飯で腹を滿たして夜の豪華な飯を臺無しにするのはあり得ない。何故誰も何も言はないんだ。をかし過ぎる。でも俺だけ何も注文しないといふわけにもいかず、ホットコーヒーを注文。自動的について來るモーニングサービスが憎い。これが夜の後悔に繋がるのだ。ここで飯を食ひながら、俺のことを弟だと思つてゐたと言はれた。顏が違ひ過ぎるだろと誰かに突つ込まれてゐた。なんで部外者のお前がゐるの?といふ感じなんだらう。俺も何故自分が參加してゐるのかよく分からんよ。面白ければ良い。面白さ以外に興味が無い。だから場違ひだらうと何だらうと一切氣にしない。どうせそのうち馴染むし。で、親が自分のモーニングセットの茹で卵とバナナを食へと言つて俺に寄越す。親切心のつもりなんだらうが、昨日からの斷食を無駄にしてしまふ超絶餘計なお世話。ハッキリ言つて迷惑。自分で食へ。勿論、食はうと思へばいくらでも食へる。しかしこれで腹を滿たすのは勿體無い。夜に海の幸で全力だろ、どう考へても。しかし殘すのも勿體無い。苦澁の決斷。妥協して卵だけ食つた。自分で食へよ。
ここで藥を飲む。顎關節症が激烈にヤバい。口が少ししか開かない。左の耳の下邊りの關節がアホみたいに痛い。痛くて開けられないのではなく、物理的に開けられない状態なのだが、痛みも酷いのでますます開けられない。顎を動かすだけでも痛いので喋るのも嫌だ。痛み止めのロキソニンを飲むとそこそこ痛みが和らぐんだが、もう全部飲んでしまつてイブプロフェンのやつしか無い。同じやうな仕組みの薬だが弱いのであまり效かない。でも無いよりはマシだらう。用量を守らず多めに飲んだ。死にはしないだらう。
不要な飯を食つてから出發。多治見インターから高速に乘り、ひたすら南を目指す。守山PAで休憩。阿久比PAでも休憩。まさかどこにも寄り道せずに日間賀島まで行くのかと少し不安になつた。折角だから途中で觀光でもした方が良いだらう。前囘加賀に行つた時に一切寄り道無しで何しに行つたか全く分からんやうな状態だつた。ああいふのは避けたい。まああの時とは違つて今日は島で遊べるだらうから良いけど。俺には何も決める權利が無いからただついて行くだけ。そのまま師崎まで行くのかなと思つてゐたら、常滑に寄り道するらしい。常滑燒の何かを見るのだとか。何なのかよく分からんが、何でも面白いだらう。藥を餘分に飲んだのが效いたらしく、顎の痛みがだいぶ和らいだ。これは何とか乘り切れるかもしれないぞ。
常滑に着いた。燒き物の窯か何かがたくさんあるやうで、そこを見て囘るための散歩道が整備されて觀光名所みたいになつてゐるやうだ。やきもの散歩道 ( http://www.tokoname-kankou.net/contents/miru01-01.html ) といふやつのAコース1.6kmを輕く歩いてみる豫定らしい。スタート地點の陶磁器會館に駐車して建物の中へ。色んな陶磁器が賣られてゐる。どうせクソ高いんだらうと思つたが、意外と安いものが多い。名のある人が作つたものはアホみたいに高いけどな。しばらく見てから外へ。コースの看板の番號に從つて歩く。AコースとBコースがあり、Bの方は4kmあるやうだ。Aの1.6kmすら踏破する氣は無く、適當に見て途中で戻らうなどと言つてゐる。だいぶ俺とは考へ方が違ふ人達だな。折角來たんだから勿體無い。時間の許す限り全力で見る方が面白い。體力などは二の次。翌日疲勞で動けなくなつても構はない。今を全力で樂しむべき。俺は見た感じはアホみたいにやる氣が無ささうでフラフラしてゐるが、情熱は貧乏症丸出しで驚異的だ。1人で來てゐたら間違ひ無くAコースもBコースも兩方とも踏破するだらう。で、死ぬほど疲れたとか日記に書くのが容易に想像できる。今日は親達について囘るだけだから俺個人の意思は關係無い。面白ければまた今度1人で來ればいい。たぶん來ないけど。何に對してもこんな感じだから俺は1人で行動するのが好きなんだよ。どんなことも大抵1人の方が高密度で樂しめる。俺が主導權を握るとたぶんついて來れる人は少ないと思ふ。誘はれてついて行くことはあるが、俺の方から他人を誘ふことが無いのはさういふ理由。俺が何かする時に一緒に行きたいといふ人がゐても斷る。1人で別の日に行け。今日みたいに他人について囘る時は損した氣分になりながら可能な範圍で樂しむだけ。かういふのが普通の人の樂しみ方なのかーとか思ひながら。
陶器を燒く窯だけでなく、燒き物を賣る店もセットになつてゐるやうだ。そこら中に看板が出てゐて小さい店が竝んでゐる。時々煉瓦造りの煙突があつたりする。趣きのある風景だ。陶磁器には大して興味も無いのだが、たまには興味が無いものを見るのも面白い。觀光客が多い。外人ばかり。高速のPAでも外人が多かつた。色んな國の言葉が聞こえて來る。中國人が多い感じだが、白人も多い。ここはそんなに有名なところなんだらうか。
まだほんの少ししか歩いてゐないのに、俺以外もう疲れて歸りたい感じになつてゐた。1.6kmのうち明らかに1/4も歩いてゐないのにもう半分以上歩いたとか言つてゐる。いやいや、をかしいだろ。1.6kmの地圖を見て4kmのコースだと思つてゐるらしい。自分の肉體感覺でどれくらゐ歩いたか大體分からないものだらうか。折角だから1.6kmコースぐらゐ踏破したいものだが、まだまだ全然半分も行かないうちからもう拔け道を通つて歸る話ばかりしてゐる。何しに來たんですか。結局、地圖を見てここら邊から戻らうと言つてゐた場所を通り過ぎてしまひ、そのまま踏破することになつた。計劃では歸るべき場所を、俺は知つてゐて告げなかつた。わざとスルーしてみた。誰も何も言はなかつたからそのまま歩いた。
結構時間掛けて歩いたからもう午後だ。港には15時頃に行かねばならんらしい。飯を食つてから行けば丁度良いとか話してゐる。な?晝も當然のやうに食ふだらう?何故誰もをかしいと思はんのか。夜は豪勢な海の幸が食ひ切れないほど出て來ると豫め誰もが知つてゐる。何故晝飯を食ふのですか。百歩讓つて朝は受け入れよう。でも晝は絶對をかしいだろ。確實にスルーすべきだらう。何故食ふのが當り前みたいな態度なのですか。車でウロウロしながら飯屋を探す。探さなくて良いです。燒肉屋とか中華料理屋とかで迷つてゐる。マジか。夜の海の幸が臺無しぢやないか。飲食店を探しながら師崎方面へ向ふうち、急激に山になり店が無い感じになつた。よし。そのまま行け。晝飯を斷念しろ。と思つたが無殘にUターン。そんなに食ひたいか。朝食つたから全然腹減らんだろ。結局、良さ氣な店が見つからず、國道沿ひにあつた丸龜製麺でいいわといふ感じになつた。何だその投げやりな感じは。無理して食はなくていいんだぜ。何故さうまでして食ふんだ。丸龜製麺なんて可兒にもある。いつでも食へるんだから今日は食ふな。何も食はないといふ選擇肢が何故無いのですか。俺だけ食はないわけにもいかず、鬼おろし肉ぶっかけといふやつを食つてしまつた。滿腹。顏面蒼白。普段1日1食の俺がこの時點で既に2食。夜食へるわけねえだろ。海の幸が臺無し。終つた。昨日の斷食をも卷き込んで全てが終つた。儚い運命だつた。冷靜に考へてみよう。夜に海の幸を全力食ひするためといふ貧乏臭い發想を拔きにして考へてみても、今日の朝飯と晝飯は必要だつただらうか。夜だけで必要十分なエネルギーと榮養が摂れるのではないか。常滑で歩いた分のエネルギー消費を考慮しても。1日3食はをかしい。規則正しく毎日3食といふのが健康なイメージかもしれないが、明らかに過剩だ。人間にはそんなに食料は必要無い。もし本當に1日3食必要なのだとしたら、人類は原始人の時代に絶滅してゐるはずだ。原始人の時代に安定して毎日3食も食へるほど食料が豐富だつたはずは無いのだ。3食は食ひ過ぎだ。だから食糧に困つてゐない先進國の奴らはデブが多い。デブといふ醜いものが存在するのは人間だけだ。他の動物を見てみろ。同じ種なら大體同じやうな體型だらう。1日3食は全然普通ではない。健康を害するレベルの過食である。海の幸を臺無しにした絶望感でいつぱいだ。目の前が眞つ暗。泣きさう。他人と行動すると不必要な飯に附き合はされるといふのも1人で行動したい理由の1つ。さて、夜はどんな悲慘なことになるのか。他の人達は豪勢な晩飯を殘して後悔しないんだらうか。ムキになるなよ、もつと氣樂に生きろよ、なんて言はれるかもしれん。ダメだね。俺は常に本氣だ。全力で樂しまねば損だ。何故分からんのだ。
師崎方面へ。片名漁港といふところで待つてゐれば15時頃に海上タクシーが迎へに來るらしい。師崎からフェリーで行くと思つてゐた。海上タクシーといふのはどういふものなんだらう。海上運送法では何に該當するんだらうか。一般旅客定期航路事業とか特定旅客定期航路事業とか人の運送をする貨物定期航路事業とか旅客不定期航路事業とか人の運送をする不定期航路事業とか色々あるが、たぶん「人の運送をする不定期航路事業」なんだらう。師崎港から出てゐる名鐵の高速船やフェリーは一般旅客定期航路事業だらう。海事代理士の試驗を受けたばかりだからさういふ視點で船を見てしまふ。無意味な試驗でもそれによつて得た知識で世界の見え方が變る。色んなことを知つてゐる方が人生は面白くなる。日間賀島よりもう少し向うの方に見える渥美半島の先端附近には伊良湖水道航路といふやつがある。海上交通安全法で指定されてゐる海域だ。東京灣、伊勢灣、瀬戸内海。過去問の穴埋めでは何故か伊勢灣ばかり出題されてゐた。今年の海事代理士筆記試驗の海上交通安全法はこれまでの定番の航路に關する問題ではなく危險物積載船について出題されてそこそこ難しかつた。
高速を下りて海に出て、反對方向へ行つてしまひ、まるは食堂の方に出た。まるは食堂はここら邊では結構有名だらう。食堂といふが、温泉旅館も兼ねてゐる。ここも子供の頃に泊まつたことがある。内海の海水浴場で溺死しさうになつた苦い思ひ出。ゴムボートに乘つてゐたんだが、數時間前は足がついた距離感だつたので飛び込んだら潮が滿ちてアホみたいに深くなつてゐて溺れた。小2の時だつたかな。あの頃は泳げなかつた。一緒にゐた小6ぐらゐのお姉さんに助けられて今生きてゐる。危ないところだつた。まあそんなことはいい。まるは食堂の近くでUターンして片名漁港へ。そこで海上タクシーを待つ。少し時間が早かつたので待ち時間がある。死ぬほど頑張れば泳いで行けさうな距離に日間賀島や篠島が見える。海を覗きこんでみても魚は見えない。水は汚い。臭ひも惡い。殘念な海。をかしい。想像してゐたのと違ふ。
俺は種子島の海を「普通の海」と思つてゐる。山に住んでゐるから海を見慣れてゐない。母親の故郷の種子島に何ヶ月か滯在したことがあり、俺の中ではその種子島の海が基準になつてゐる。沖繩や奄美のやうに激烈に綺麗なわけでもなく、特に汚いわけでもない。見慣れた普通の海として種子島を基準にしてゐる。だから名古屋港は汚過ぎて海水に觸れたくない。地下鐵の名古屋港驛から出た時に感じる潮の香りは良いが、實際に海に近づくと激烈な惡臭がある。水の色も紫に茶色を混ぜたやうな感じで、水面から50cm下が絶對に見えない。常に魚の腐つたやうな惡臭と何か分からない惡臭が混ざつた感じで、萬が一飛沫の一滴でも口に入つたらその瞬間に腹を下して下痢ぶち撒けた上にその日のうちに命を失つてしまひさう。俺の知る限り、名古屋港は最惡の海。花見に行く荒子川河口附近も惡臭が凄い。櫻は綺麗なんだがあの惡臭で全て臺無しだ。今日行く日間賀島は伊勢灣の最奧部の名古屋港からはだいぶ離れてゐるし外洋に面してゐるから綺麗だらうと思つてゐた。しかし、知多半島の先端附近の片名漁港でもこんなに汚い。名古屋港よりはマシだが。臭いし透明度は低いし危險な感じ。少し離れた場所に目的地の日間賀島が見えてゐる。3〜4km程度だらうか。大して變らないだらう。こんな汚い海で獲れた魚介類を食つても大丈夫なんだらうか。汚いと思つてゐるのは俺だけで、これがごく一般的な普通の海なんだらうか。南知多の内海といふところに有名な海水浴場があつて毎年大勢の人で賑はふ。俺が子供の頃に溺れた海水浴場。30年ぐらゐ前に行つた時ですら深緑の汚い海だつた。水中メガネを裝着しても2m先が全く見えない感じだつた。緑だつただけ良いだらう。今はもつともつと汚いはずだ。よくあんな海で海水浴なんかできるなと思ふ。ここら邊では福井の水晶濱が綺麗だとよく言はれる。だがあそこも實際に行つたら大して綺麗ではなかつた。消えない泡が漂つてゐたしそんなに透明度も高くなかつたしゴミだらけだつたし。何が良いのかサッパリ分からなかつた。確かに知多の海と比べたらだいぶ綺麗だが、わざわざ行くやうなところでもないと感じた。しかも日燒けし過ぎて死にかけたしな。どう調べても入院が必要な状態になつたが根性で自力治癒した。危ないところだつたな。海が好きなのに海と相性が惡いな。水晶濱はあまり良い思ひ出が無い。でもこの汚い海を眺めながら、俺の感覺がをかしい可能性があるなと思つた。種子島を基準にするのがをかし過ぎる可能性。沖繩や奄美が綺麗といふのは誰もが同意できるだらう。それと比べると全然綺麗ではない種子島の海。これを普通の海と思つてゐるのがをかしいのかもしれない。激烈に綺麗なわけではないが十分過ぎるほど綺麗だといふ認識に改めるべきなのかもしれない。種子島の海を基準にしたら水晶濱も汚いし、知多なんかゲロ吐きさうだし名古屋港なんか生き物の住める環境ではないといふことになつてしまふ。しかしもう少し綺麗な海を想像してゐたな。こんなに汚いとは。こんなところで獲れたタコとかヘドロ臭くないんだらうか。まだ望みは捨てない。ほんの數km先に見えてゐる日間賀島では何故か突然もつと綺麗な海なのかもしれない。海に對する幻想が打ち砕かれつつある。
どうやら待つてゐる場所が違つたらしい。海上タクシーの會社の人が輕トラで別の場所に案内してくれた。既に船が來てゐた。何人ぐらゐ乘れるんだらうか。30人は乘れるだらう。屋根の上にも行ける。これは小型船舶なのかな。總トン數20トンといふのがどれくらゐなのかイメージできないから分からない。でもまあ小型船舶なんだらう。旅客船は特定小型の免許が要る。まあそんなことはいいんだ。當然、屋根の上に乘るぞ。爽やかな風を受けながらの短い旅。といふのを想像してゐたが、豫想外だつた。この船、高速船なのか?物凄い速さで航行して風が凄過ぎる。立つてゐるのが不安になる。鞄や荷物を力強く片腕で抱き締めながらもう片方の腕で必死に手摺を掴む。時々カメラで撮影したりするが、結構不安。凄い暴風で髮の毛も亂れまくり。ヅラの人は危ないから船内にゐた方が良い。航跡を見ると、やはり汚い海のやうに感じる。
數分で日間賀島に到著。西港らしい。日間賀島には港が3つある。北と西と東。北はフェリーの發著場があるらしい。北が一番大きい。西と東は同じやうなもの。俺達が泊まる旅館は東港のすぐ目の前にあるやうだ。それなら東港まで送つてくれれば良いのに。でも西港の前の方が旅館やホテルが多い感じだ。他の客の都合もあるだらう。こんな中途半端な時期でも客は多い。船から降りると、小さいバスが待つてゐた。海上タクシーの會社がバスで旅館まで送つてくれるやうだ。旅館と提携してゐるやうで、客は旅館と海上タクシーを別々に手配する必要は無い。旅館が手配してくれるやうだ。樂だな。西港から反時計囘りに東港の方へ向ふ。そのルートだと途中に何も無い。ただ道路があるだけ。民家も無い。左(北)側が崖みたいになつてゐて、上にホテルやら何やらが見えるが、下は本當に道路しか無い。海側は高めの堤防がずつと續いてゐるので海もあまり見えない。東港の前に着き、バスを降りる。そこから歩いて1分も無い。はまやといふ旅館。やや高い場所にあるので少し階段を昇る。階段横に生簀があつて、ワタリガニやイセエビやサザエや大アサリなどがゐる。魚もゐるがよく見えない。キジハタがゐるやうに見える。食つたこと無いが、さかな檢定の知識によると結構美味い高級魚らしい。今日食へるのか?どんな飯が出て來るのか知らんけど。それにしても中途半端だよな。ここはタコとフグの島。フグ漁解禁まであと1週間。タコの旬はギリギリ終りさうな時期。でも觀光客は多いぞ。夏休みやフグの時期だともつともつと人が多くてうんざりするかもしれない。フグに興味が無いなら今ぐらゐの時期が良いかもしれない。
部屋へ。飯は18時からだと。まだ15時少し過ぎたぐらゐ。秋だがまだ日が沈む時間でもない。それなら島を探檢だらう。部屋で寛ぐなどあり得ない選擇だ。なのに他の人達は暇さうにテレビで相撲を見始めた。飯まで無駄に時間を勞費するつもりらしい。あり得ない。1人は散歩に行くと言つてすぐに出て行つた。それが正しい。まあ散歩と言つても本當に輕くすぐ近所を歩くだけなんだらうけど。俺は違ふよ。やるぜ!徒歩で島1周!5kmぐらゐあるらしいから、まあ1時間程度だらう。適當に色々眺めて1時間半ぐらゐで丁度良いか。無駄に晝飯を食つてしまつたからできるだけ消化しておきたいといふのもある。さて、時計囘りか反時計囘りか、どちらにしよう。時計囘りだとバスで見たあの何も無い道を最初に歩くことになるな。まだ見てゐない方へ行くか。
東港のすぐ隣から砂濱になつてゐる。今はシーズンではないが、ここは海水浴場だらう。見張り臺みたいなのもある。道路を歩くだけではつまらんので、當然砂濱を歩く。大量のゴミが打ち揚げられてゐて汚い砂濱だ。若い女の二人組が寫眞撮影してゐたので、寫り込まないやうに注意しながら歩く。濱の一番奧にはキッズアドベンチャーとかいふのがあつたが今はやつてゐないらしい。やはり夏休みは人が多いんだらうな。そこから道路に出てすぐ、島の端に近い場所から少し山に入ると、有名なブランコがあつた。木に括りつけられた手作りな感じのブランコ。北側の海がよく見える。そこに家族連れみたいなのがゐてブランコに乘つてゐた。俺も乘りたかつたが、そいつらが歸る氣配が無いので諦めて北側へ出た。海沿ひに歩く。これまで見た日間賀島の海ではここら邊が一番綺麗だらうか。少し離れたところで40cmぐらゐの魚が結構頻繁に跳ねてゐる。餌になる小魚が多いのかもしれない。カメラを構へて跳ねる瞬間を激寫してやらうと思つたが、想像以上に困難で諦めた。魚種は不明。鯖か何かだらう。知らんけど。
すぐに北の港に到達。思つてゐる以上に小さい島だぞ。北の端の方の長い堤防まで行くと往復で相當時間を消費してしまひさう。どうしようか。堤防の先端まで400mはあるだらう。往復で1km近く増える。飯に間に合はなくなることは無いだらうが、迷ふところだ。行つても何も無いしな。釣り人が數人ゐるだけ。釣れるんだらうか。それにしても、日間賀島の人間はバイクに乘る時にヘルメットを被らないんだな。かなり大勢のバイク乘りを見たが、ヘルメットを被つてゐるのは1人しか見なかつた。警察はゐないのか?
南側に少し凹んだ形になつてゐる小さい入江みたいな場所に沿つて歩く。奧まつた場所にあつて水が澱んでゐるのか、凄まじく臭い。近年毎年花見に行く荒子川の下流域みたいな激烈にヤバい感じの汚染度。荒子川では巨大な鮒の腐亂死體がいくつも浮いてゐてそれをアカミミガメが食つてゐるといふやうな状況で、凄まじい惡臭を放つてゐる。それと全く同じ臭ひがする。魚の死骸が腐つた臭ひだ。生臭い臭ひぢやないんだ。腐敗臭だ。汚過ぎる海を覗き込んで魚の死骸を探してみたが、1匹しか見つからなかつた。この臭ひからするとかなり大量の死骸が浮いてゐるはずなんだが。どこから臭つて來るんだらう。ここはヤバい。さらに海沿ひに歩き、漁協とかフェリー乘り場とかの邊りに出た。特に何も無い。海を覗き込んでも透明度が低いので魚とかは何も見えない。そして、臭い。船の修理工場みたいなところを通り過ぎ、喉が渇いたので自販機でジュースを買つた。觀光客が多い。徒歩でウロついてゐる人もゐるが、レンタル自轉車に乘つてゐる人が多い。
そろそろ半周しただらうか。30年前に來た時のことを思ひ出したい。見た記憶がある風景がどこかにあるはずだ。泊まつたところは海のすぐ近くだつたはずだ。親達が夜に港で釣りをしてゐたのを眺めた記憶があるからな。港といふと北か東か西か。これまで見た感じ、北の港に見覺えは一切無い。東は今日泊まる旅館の目の前だがまだ見てゐない。もしかして今日泊まるところに30年前も泊まつたのかもしれんよな。全く何も思ひ出せるものが無いけど。何か砂濱でバーベキューをやつたやうな記憶も微かにあるんだよな。東港の横の砂濱かもしれんよな。今日泊まる東港周邊のやうな氣がして來たぞ。親に聞けば全部分かると思つてゐた。旅館名すらもクッキリ覺えてゐるものだと思つてゐた。なのに島に來たことすら覺えてゐないといふから驚きだ。自分で探り當てることは可能なんだらうか。
西の端に出た。神社がある。西の砂濱は海水浴場だらうか。南の方に西港が見える。海上タクシーが來てゐる。1日に何往復してゐるんだらうか。俺が乘つた船やバスも丁度西港で客を運送してゐた。こんな小さい島で夏休みでもない時期にこんなに客がゐるんだな。西港の堤防は短いので少し奧まで行つてみた。釣り人が多いが、あまり釣れてゐない樣子。他には特に見るものも無いな。夏休みはイルカと觸れ合へるらしい。ここも子供の頃に見た記憶は無い。やはり東港なんだらうか。もう歸らう。西港から少し行くと、タコのデザインの駐在所があつた。なんだ、警察ゐるんぢやねえか。なんでみんな當り前にノーヘルなんだ。捕まらないのか?
そこから先は何も無い。海側が少し高い堤防になつてゐるので道路からは海が見えない。堤防の上に登つてその上をひたすら歩く。時々海の中に向ふ階段がある。水は汚い。魚は見えない。やはり海が臭い。沖には篠島が見える。伊勢神宮に奉納するおんべ鯛で有名な島だ。有名なのか?俺はさかな檢定の勉強で知つた。さかな檢定のおかげで魚介料理についてキモいぐらゐ蘊蓄を垂れることができる程度の知識が身についた。そのおかげで今日の晩飯も何も知らない状態でただ食べるだけよりは樂しめるだらう。知識があるのと無いのでは雲泥の差。人生の質が變つて來る。
東港に到達。1周した。思つたより早かつた。何も見るものが無かつたしな。取り敢へず、港の奧へ行つてみる。釣り人が結構ゐるが、やはりあまり釣れてゐない。そして、ここも全く見覺えが無い。をかしいな。どこかの港を見たはずなんだがな。雰圍氣的には東港が一番近い感じがする。でもどこにも見覺えが無い。かういふところは30年經つても何も變らないと思ふんだがな。
結局、子供の頃に遊んだ場所を特定できないまま旅館に戻つた。親達は部屋のテレビで相撲を見てゐた。この人達は何をしに來たんだ。海の幸を堪能する氣持ちも無いといふのは朝と晝にショボいものをアホみたいに食つたことからも明白だ。常滑燒に興味があるわけでもないだらう。何が目的なのか全く分からない。俺とは違ふ世界の住人だな。分かり合へない。まだ晩飯までは少し時間があつた。もう少し寄り道しても良かつたな。北港の堤防の先まで行けば良かつたかも。日課の讀書でもしておかう。かういふ日でも毎日本を讀まねばならん。ギター練習は家でやつて來たが讀書はできなかつたので本を持つて來た。昨日の歸りの電車で讀むために買つた本。超弦理論を輕く説明した本。この1年、宇宙の仕組みを知りたくて宇宙論とか量子力學とかを無駄に勉強した。海事代理士試驗の勉強なんか比べ物にならんほど勉強した。でも深過ぎて絶望的な感じだ。しかも俺が生きてゐる間には解明されないのがほぼ確實だから勉強するだけ無駄かもしれないといふのもある。でも面白いんだよ。面白ければいいんだよ。去年だつたか今日と同じ居酒屋旅行で奧飛騨に行つたが、あの近くにあるカミオカンデでニュートリノ振動が觀測されたとか、重力波を觀測するためのKAGRAがあるとか、さういふことも色々知つてゐると人生面白いよ。知識が無ければ面白いものが目の前にあつても氣附かず通り過ぎてしまふ。無知な人間には面白いものが見えない。だからつまらない人生になる。つまらないといふことにさへ氣附かないのならば不幸ではないのかもしれないが、折角生まれて來たんだから樂しまないと勿體無い。自分自身、人竝み以上の好奇心は持つてゐるつもりだが、まだまだ知らないことが多いので、面白いものをたくさん見逃しながら勿體無く生きてゐるんだらうと思ふ。もつと知りたい。もつと樂しみたい。
疲れた。しばらくして飯。部屋は2階だが飯を食ふのは1階。他の宿泊客はオバチャン數人の團體。外には結構觀光客がゐたが、旅館やホテルは多いのでそんなに宿泊施設が埋まるほどではないやうだ。さて、どんな飯が出て來るのか。食べきれないほど大量に出て來ると聞いてゐる。島を1周したりして無理にエネルギーを消費したつもりだが、全然空腹感など無い。14時に晝飯を食つて18時に晩飯だからな。無理に決まつてゐる。考へれば考へるほどアホだと思ふ。晝にも珍しいものを食つてゐるならまだ許せるが、どこでも食へる丸龜製麺だ。何故折角の豪華な晩飯を臺無しにするのか。思ひ出すだけでもイライラする。
最初に出て來たのは鯛の刺身と蛸の丸茹で。日間賀島と言へばこの蛸1匹丸ごと茹でたやつだらう。海膽もある。他の人達はビールだが、俺はビールが飲めない。別に酒を飲む必要も無いので茶でも良いのだが、俺のために麥の燒酎が注文された。取り敢へず鯛の刺身から食つてみる。ん?をかしいぞ。味が無い。連續で食つてみる。やはり味が無い。醤油の味しかしない。今度は醤油を付けずに食つてみる。やはり味が無い。何だこれ。見た目は豪華だが美味くないぞ。どうなつてゐるんだ。榮養失調で味覺障礙にでもなつてゐるんだらうか。いや、晝のうどんは大根おろしのポン酢の味が強烈だつた。味覺がをかしいわけではない。まあいい。蛸は鋏で切つて食ふ仕組みらしい。適度なサイズに切つて食ふ。これは美味い。ただ鹽茹でしてあるだけかと思つたが、味をつけて茹でてある。濃過ぎることもなく、どうやつたのか内部まで味があつて絶妙だ。これはいい。海膽は食はない。良さが分からない。高級だらうと何だらうと、不味いものは食はない。巨大な伊勢海老が出て來た。しかし生。これが非常に殘念なんだよな。海老は生より火を通した方が絶對美味いと思ふ。確かに刺身の方が高級感はある。なんとなく贅澤な感じがする。でも味は全然ダメだらう。甘みがあるとかプリプリした食感がどうとか言つて通ぶつて悦に入る人間も多いのかもしれないが、茹でて鹽で味付けした方が絶對美味いだらう。鹽燒きでも良い。蒸すのも良いな。鹽以外の味付けも良いな。生で山葵醤油なんてのは最惡な食ひ方だと思ふ。實際食つてみたけど全然美味いと感じない。勿體無い。知らないけど地元の漁師達が伊勢海老を生で食ふとはとても思へんのだよな。まあ自分達で食ふより賣る方が得だからそもそも食はないだらうけど、食ふとしても生では食はないだらうと思ふよ。絶對火を通した方が美味いから。伊勢海老の横におまけみたいに置いてある鮑の刺身はどうかな。俺は生の貝類は好きではない。これも燒いたりした方が絶對美味いと思ふ。生ばかりで非常に殘念な感じ。生が嫌ひなわけぢやない。生でも美味いものは生で良い。敢へて生で食ふ意味が分からないものを無理して氣取つて食ふ感覺が理解できない。意味の分からない贅澤感に醉ひ癡れるよりも味を優先した方が人生は有意義だと思ふ。本氣で生の方が美味いと思つてゐる人間が一體どれほどゐるだらうか。鮑の肝が美味いといふので、俺も食つてみた。食つたことが無かつたので挑戰してみたんだが、これは豫想してゐた通りの感じだつた。ほぼ味が無い。氣持ち惡い食感。俺はダメだな。サザエや大アサリは美味かつた。やはり貝類は火を通した方が絶對美味いよ。他に海老の鹽燒きとかカワハギの煮付けが出て來た。エビは種類が分からん。車海老かな。バナメイエビかな。ブラックタイガーかな。料理されると分からなくなるな。美味けりや何でも良いよ。カワハギは肝が美味いらしいとさかな檢定で學んだ。肝を醤油に溶かして刺身を食ふのが釣り人の特權みたいに言はれる。今日は煮付けだから生の肝ぢやないけど。どんなものか食つてみた。これも初體驗。肝醤油とやらの味がどんなものか想像はできた。壺に入つたタコ飯が珍しい。これは美味い。普通のご飯もあつたが、そんなものを胃に入れる餘裕は皆無なので食はない。
居酒屋の女將は魚介類を一切食へないらしい。ふりかけとかを持參して來たやうだ。味噌汁と米だけ食ふみたいな感じ。さうか、だからこの居酒屋メンバーの旅行では山ばかり行つて海には滅多に行かないのか。女將さんが俺に色々くれる。他の人も俺に色々くれる。貰へるものは貰ふよ。でも怖いんだ。次から次へと料理が出て來るが、あとどれくらゐ出て來るのかが分からない。最後の最後に死ぬほど高價で贅澤なものが待ち受けてゐるかもしれないのに途中で滿腹になつたら勿體無い。既にほぼ滿腹だけど。晝のうどんが憎い。最初の蛸や鯛が餘りまくつてゐる。みんな少ししか食つてゐないのにもう滿腹な感じだ。だから晝飯を食ふべきぢやなかつたんだよ。かうなることは分かつてただらうが。どうやらもう何も出て來ないらしい氣配を感じてから殘つたものを少しづつ食ふ。どう考へても食ひ切れない。勿體無い。オッサン達は醉つ拂つてあまり食べる氣も無ささうだ。結局、蛸の丸茹でが俺としては一番美味かつた。大アサリやサザエも良い。殘念だつたのは主役であるはずの伊勢海老と鯛。特に鯛の味の無さが全く意味不明。こんなに味の無い鯛を食つたのは初めてだ。どうなつてゐるんだらう。まあ、旬を外してゐるんだけど。もしかしたら産卵直後で一番美味くない個體を引いてしまつたのかも。伊勢海老の殘骸は翌朝に味噌汁のだしに使はれるらしい。外の生簀にゐたワタリガニやキジハタは出て來なかつたな。できるだけ多く食はうと頑張つたが、普段より全然食へなかつた。勿體無い。殘念過ぎる。途中、女將の旦那が醉ひ過ぎて便所の歸りに隣のオバチャン達の飯に亂入する事件が起こつた。隣の部屋とは襖1枚隔ててゐるだけの状態で會話とかも丸聞こえ。間違つて隣のオバサン達の部屋に入つてしまつたとか大聲で話してゐるのが隣にも聞こえてゐた。たぶん50代ぐらゐぢやないかと思ふのだが、70代だとか力説して隣から失礼だとか反應が返つて來る。醉つてゐるから調子に乘つて酒を持つて隣の襖を開けて亂入して謝つたり餘計なことをして騷ぐ。勘辨してくれよ。醉つ拂ひは嫌ひだ。まあ揉め事にもならず適當に終つたが、少し間違ふと面倒なことになるよな。少しづつ少しづつ殘つたものを食つてゐたが、全然食ひ切れないまま飯の時間は無殘に終了。殘念過ぎる。旅行に行く時は晝は拔け。できれば朝も食ふな。加賀の時みたいに夜の飯がそれほど頑張るべきものではない時は適當でも良い。でもかういふ時は頑張れよ。何故晝にうどんなんかを食つたのか。納得できる理由が何一つ思ひ浮かばない。
部屋に戻る。まだ飲むらしい。飲食物の持ち込みは禁止と書いてあるのだが、持つて來たクーラーボックスに罐ビール滿載だ。さらに燒酎も注文しまくる。俺はアルコールに弱いからそんなに飲めないんだが、俺の分までアホみたいに注文されてゐる。結局部屋に戻つてからも4杯飲んだ。これは飲み過ぎだな。たまにはいいか。女將の旦那が便所に行く時に醉つてフラついて轉倒して足を傷めた。倒れる時にバキッと音が聞こえた。片足で便所に行つて戻つてから布團に入り、ブルブル震へながら寒いとか言ひ始めた。骨が折れた時に寒氣がするとよく聞くが、ヤバい状態なんぢやないだらうか。觸つてみても折れてゐる感じではないやうだ。とするとヒビでも入つてゐるんだらうか。濕布を貰つて來て貼つたがどうにもならんので放置して飲む。數時間經つて惡寒は消えたやうだが、痛みは激しいらしい。自分がどうしてさういふ状態になつてゐるのか全く記憶は無いやうだ。朝になつたらアホみたいに腫れてゐるかもしれんぞと脅したりしながらみんなで飲み續ける。途中で風呂へ。外の別の小さい建物が風呂になつてゐる。そこそこ廣い。酒を飲み過ぎてフラフラする。俺も倒れるかもしれんと思つて不安になつたが大丈夫だつた。日課の筋トレがまだだ。ここで腕立て伏せを20囘。少ないが、必ずやらねばならん。これで日課は全部消化した。部屋に戻ると、また俺の分の麥燒酎が追加注文されてゐたので飲んだ。明日は朝6時から釣りをするらしい。貸竿を頼んであるらしい。死ぬほど樂しみだ。寢る時間になり、布團に潛り込む。ここからが大變。酒を飲み過ぎた。アルコールは時間が經つてから囘つて来るのだ。心臟の鼓動が3倍速。全く眠れない。呼吸が苦しい。しかもオッサン達のイビキがうるせえ。汗がドバドバ吹き出て來たり氣分が惡くなつたりでかなり長い時間布團の中で苦しんだ。いつ寢たのか分からん。かなり遲い時間まで起きてゐたのではないか。
ギター練習40分、腕立て伏せ20囘、讀書40ページ。
話題:旅行
公開日時 | 2015年11月01日 08時30分31秒 |
---|---|
本文文字数 | 25603文字 (タグ込み) |
URL | https://orca.xii.jp/br/diary/diary.cgi?id=dogoo;date=20150926 |
コメントはありません。