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犬土偶日記

海の近くに住みたい

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2009年09月24日

種子島2009秋 17日目 さらば種子島

最終更新日: 2009年10月04日 15時47分08秒

朝早く起きる必要があつた。8時15分頃にタクシーが来ることになつてゐたので、それまでに完全に帰る準備をしなくてはいけない。大体前の日に終つてゐるのだが、寝る時に着てゐた服なんかもカバンに詰め込む必要があるし、ゴミを捨てに行かねばならん。戸締りのチェックもしないといけない。だから携帯電話のアラームを6時半頃にセットしておいたのだが、昨日は結構激しく遊んだから起きれなかつた。準備が間に合はないほどではなかつたが、ゴミ捨ては叔母が行つたらしい。コーヒーを飲んだり残つたプリンを食つたりしてから急いで準備した。僅かに残つたゴミは洗つてゴミ袋に入れておいた。虫が集るやうなことは無いだらう。しつかり戸締りを確認し、荷物をまとめてゐたら外の様子を見に行つた叔母から声が掛かつた。もうタクシーが来てゐたらしい。最後にもう一度戸締りを確認し、俺に与へられた最後の仕事をやり遂げる。ブレーカーを落として行かねばならん。もう電気も水道もガスも全部止めることになつてゐる。今までは祖母の口座から基本料金だけ引き落とされて維持されてゐたが、もう全て止めるらしい。電気は今日で止まる。水道は明日。電話は30日。ガスは知らない。で、電気はブレーカーを落として行くやうにと言はれてゐた。最近俺は不安になるほど記憶力が悪く、自虐的に痴呆症と言つてゐる。忘れるのではないかと何日も前から不安で仕方が無かつたが、忘れずにできた。外に出て鍵を閉めた。もう来ることは無いかもしれない。毎年さう言つてゐる気がするが、今回は本当に最後のやうな気がしてゐる。分からんけどな。また来たいことは来たい。でももう金銭的に限界だし、宇宙に狙はれ過ぎてゐるから精神的にも結構限界に近い。ヒキコモリが余計なことをすると酷い目に遭ふ。次から次へと襲ひ掛かる不運に宇宙の明確な悪意を感じる。今年は特に酷かつた。そんなに俺が怖いのか。

最後に家の写真を撮つてタクシーに乗り込む。坂を下りずに上から行つた。海のそばを通ることもなく空港へ。クレジットカードを渡して航空券を受け取つた。まだ座席指定はしてゐなかつた。ネットで予約する時に座席指定もできるのだが、何故か窓側が選択できなかつた。半月も前に窓側が全部埋まつてゐるはずは無いと思ふ。空いてゐても選べないことがあるのだと思ふ。詳しい仕組みは知らんけど。予約時に座席指定無しで当日にやつても良いかもしれないと思つたのだ。でも通路側だつた。窓の外は見えない。しかも左側だから種子島も見えない。叔母は右の窓側だつたから種子島を見ながら帰ることになる。飛行機を待つ間、ジュースを飲んだり土産物屋を見たりした。さう言へばバンドメンバーに土産を買つて行かねばならん。最後の方は慌しくて土産を買ひに行く暇も無かつた。送つたりするのも面倒だつた。それに、毎年色んな物をあげてるから、もう種子島の土産は大体みんな食つてゐるだらうと思ふ。特に目新しい物も無い。空港で適当に菓子類を買つて手荷物で持ち帰つてスタジオに持つて行くことにした。帰つてすぐにバンドの練習があるから丁度良い。種子島に来てすぐの頃に買つた飛魚の醤油が激烈に美味かつたので、それを土産にしようと最初は思つてゐた。だが、親戚に食はせてみたら誰一人美味いと言はなかつた。酷評の嵐。何度食つても俺は美味いと思ふのだが、どうしても誰も良いと言はない。俺の味覚がをかしいのかもしれない。冷蔵庫の腐つた臭ひのせゐで嗅覚や味覚がをかしくなつてゐる可能性もある。実は大して美味くないのかもしれない。だから買つて帰るのはやめた。とは言へ、自分用に1本しつかりと買つておくのは忘れない。

タクシーからの景色1 タクシーからの景色2 タクシーからの景色3 タクシーからの景色4

アホみたいに暑い。いつも天気予報を見てると可児は種子島より気温が3℃か4℃低い。半袖で帰ると寒いかもしれないと思つて長袖を着てゐる。しかも2枚。これはキツい。

土産を見たりしてゐる間に叔母を見失つた。もう飛行機の時間が迫つてゐたので先に入つたのかもしれない。カバンからノートPCを出し、荷物をX線の検査に通す。中に入つたら叔母がゐた。窓から飛行機の写真を撮つたりしてゐたら搭乗の時間が来た。ドラクエの擦れ違ひ通信は0人。結局半月持ち歩いて島民とは1人も擦れ違へなかつたな。そのまま電源を切つてポケットに入れ、外に出る。歩いて飛行機に乗り込む。これが地面を踏む最後になるかもしれない。飛行機に乗るのは勇気が要る。狙はれてないお前らには分かるまい。

種子島空港1 種子島空港2 種子島空港3 種子島空港4

意を決して乗り込み、自分の席に座る。クソ狭い。もう少し広く作ればいいのに。さらば種子島。もう来ることはないかもしれない。イカを釣れなかつたこと、イセエビやナガラメを密漁できなかつたこと、他にも色々と思ひ残すことは多い。敗北感でいつぱいだ。滑走路に移動し、猛烈に加速する。急激に上昇する感覚はあるが外が見えないのでどうなつてゐるのか分からない。東か西か、どちらの方に飛んだのかも分からない。鹿児島に着くまで本を読んだ。種子島のTSUTAYAで買つた伊坂幸太郎の終末のフール。滞在中も夜の暇な時に少し読んでゐた。今日中に読み終るだらう。

もうすぐ着陸といふアナウンスが流れた。ここが一番危ない。知らんけどたぶん着陸の瞬間が一番事故発生率が高いだらうと思ふ。命懸けだ。何もできんけど。歯を軽く食ひ縛る程度のことしかできない。もしタイヤが地面に着くその一瞬を狙つて大地震が発生して弾き飛ばされたらどうなるだらう。あのスピードで横転したらエンジンが火を噴いて大爆発を起こしながら変な転がり方で派手に大破して中にゐる人は全滅だらう。想像するだけでウンコが漏れさうだ。朝食つたプリンが腸を刺激して本当に便意に襲はれてゐた。もし着陸時に死ぬやうな事故が起こらなくても、何らかのトラブルで待たされることになつたら大変なことになるぞ。ウンコ関係の悲劇は凄惨だ。

飛行機から空港の建物までは少し距離がある。デカい飛行機だと飛行機の出入口に通路みたいなのが繋がつて直接移動できるが、プロペラ機の場合は一度飛行機を降りて外を移動する必要がある。バス2台に分かれて建物の出入口まで運んでくれるらしい。丁度半分ぐらゐで一旦止めると言はれた。俺の1人前で止められた。1台目のバスが満員になつたんだらう。叔母は前のバスに乗つた。かなり待たされて2台目のバスに乗り込み、空港内へ。叔母が待つてゐるかなと思つたが、もうゐなかつた。取り敢へずウンコを流し殺すために便所へ。

便所を出て歩く。叔母はほとんど待ち時間無く東京行きの飛行機に乗れるはず。東京行きの飛行機乗り場の方に行つてみた。ドラクエの擦れ違ひ通信をONにしてすぐに1人GETした。端の方まで行つたら叔母が自販機でジュースを買はうとしてゐるのを見つけた。10時45分の飛行機に乗るやうだ。俺は13時25分だから相当待ち時間がある。暇過ぎる。叔母に軽く挨拶して外に出た。もう叔母と会ふことも無いかもしれない。誰かが死んだ時ぐらゐしかもう会ふことは無いだらうな。猫の叔母や一番下の叔母は愛知に住んでゐるから何かの機会に親と一緒に会ふやうなこともあるかもしれん。いや、猫の叔母はもう親と一緒に会ふことは無いかもな。種子島の親戚でもう二度と会はない人は結構多いだらうと思ふ。

土産屋とか飲食店を一通り見回した。飛行機まで時間があるので飯を食つて行くつもりなのだが、まだ早過ぎる。硬い物を食ふと歯が痛むので、鰻を食ふことに決めてゐた。店を見に行つたら全然混雑してゐなかつたので、腹が減つてから行くことにした。外にある足湯に入つて本を読んだりした。種子島に行く日は温度が高かつたが、今日は熱くなかつた。しばらく温泉に浸かつてから空港内に戻つた。

3階の展望デッキ奥の休憩所でノートPCの電源を入れてみた。無線LANのアクセスポイントを探したらいくつか暗号化無しのやつがあつたので接続を試みた。電波の状況が悪いとかで全然繋がらない。苦労して繋がつたと思つたらIDとパスワードを要求された。ダメか。仕方が無いのでAIR-EDGEで接続した。19日の鬼観光の画像がまだ3割ほどしかUPできてゐない。これをUPしようと思つた。しかし、あまりにも遅いので10枚ほどでやめた。帰つてからUPした方が断然速い。もう諦めた。

飯には丁度良い時間だらう。足湯に入る前に見た時はあまり混雑してゐる様子ではなかつたから余裕で食へるはず・・・と思つたら飯時だつたので凄まじい行列。今日は平日なのに何でこんなに人が多いんだ。歯を食ひ縛りながら並んだ。面倒臭い。鰻丼セットを注文した。もし長時間待たされたら飛行機に間に合はないなんてことにもなるかもしれん。少し不安だつたが、10分ほどで出て来た。サクッと食つて店を出た。

鹿児島空港1 鹿児島空港2 鹿児島空港3 鰻丼セット

土産屋で買ひ物。自分が食ふ物も買ふし、親や弟にも買つて行く。バンドメンバーにも追加で少し。色々歩き回つて買ひ漁つた。半月前に気になつてゐた花林糖饅頭を買つた。定番のスイートポテトも。あとはクソ高い明太子。小さいのが3本か4本しか入つてないのに1500円。あり得ん。あとは何を買つたかな。宮崎の鶏ササミの燻製とか買つたな。他は忘れた。まあどうでもいい。

保安検査場へ。アホみたいに面倒臭い。カバンからノートPCを出し、ポケットからDSとデジカメと携帯電話を出す。ポーチからiPodやノイズキャンセリングヘッドホンを出す。土産とカバンとPCと小物を渡し、入り口の機械にANAマイレージカードをかざす。面倒な手続き無しでカード1枚で飛行機に乗れるのは良いんだが、この検査も省略して欲しい。さうしたら犯罪者に都合が良過ぎてヤバいだらうが、俺みたいに明らかに犯罪をする気が無い人間は素通りさせて欲しい。犯罪者とさうでない人間を区別する基準とか方法が難しいといふなら、俺だけを無条件で素通りさせて欲しい。面倒臭過ぎる。

結構ギリギリだつた。5番ゲートまで行つたら優先搭乗の案内をしてゐた。便所へ行つて戻つたら丁度一般搭乗開始だつた。俺の席は後ろの方。窓側は取れなかつた。これも予約時にネットで座席指定しなければもしかしたら当日に窓側が空いてたりするのかもしれないが、鹿児島から中部の飛行機は折角カード1枚で乗り降りできる仕組みがあるのでそれを優先した。ネットでチェックインまで済ませておくとマイレージICカードだけで乗れる。左右に3列づつある割と大きめな飛行機だつた。いつもは片側3列、片側2列みたいなのが多いからな。後ろの方の左側の真ん中。通路側でもなく窓側でもない。しかも両隣には客がゐる。窓の外も見えにくい。外の景色を見るのは諦めて読書することにした。途中のドリンクサービスでホットコーヒーを貰ひ、それを舐め回しながら終末のフールを読む。着陸態勢に入り、歯を食ひ縛る。

疲労困憊。ロケット打ち上げ成功して激しく喜んでゐる関係者の姿がよくニュースで流れるが、あれと同じぐらゐの歓喜と安堵。無事に着陸できることが奇跡にしか思へない。何とか生きて中部国際空港までは辿り着けた。飛行機を降り、長い長い通路をひたすら歩く。動く歩道の上をひたすら歩く。クソ長い。あり得ん長さだ。荷物受取所をスルーして外に出て親に電話した。西可児まで迎へに来れるか聞いてみた。大丈夫らしい。親は22日に種子島を出たが、フェリーで鹿児島に渡つて桜島を少し観光して1泊し、それから大阪までフェリーに乗つて、そこから車で岐阜に帰り着くのは俺と同じ24日といふ激しい行程だつた。さすがに俺よりは早く着いてゐたやうだ。ギターや米や荷物を少し持つて帰つて貰つてゐた。駅に着く時間が分かつたら教へることにして電話を切つた。一切寄り道せずに名鉄の駅へ。今日はバンドの練習がある。先週と先々週の練習音源はネット環境が無くて落とせなかつた。家に帰つてからまともに聴く時間も無いかもしれない。とにかく早く帰る必要がある。券売機の前でババアが手間取つてゐた。恐ろしく時間を掛けて何度も何度も操作してゐた。早くしろ。新可児行きの準急があと2分で出るといふ状況だつた。特急で帰りたいが、新可児方面の特急はしばらく無いやうだ。この準急が一番早い。たぶん岐阜行きの特急とかに途中で追ひ抜かれたりするだらうが、それでもこれが一番早いはず。早くしろ!!ババアが買ひ終つてすぐに用意しておいた1410円をブチ込み、アホみたいに画面を連打して買つた。ダッシュして改札を抜け、ホームに走る。ドアが閉まるのが見えた。車掌が誇らしげに何か合図してゐる。待て!まだ行くな!ああああああぁぁああぁあっぁぁあ!!

次の新可児方面は30分後。死ね。それより早く帰るためには岐阜方面の特急に乗るしか無い。岐阜方面だと名古屋で乗り換へる必要がある。たぶん、名古屋で乗り換へるのは今乗り損ねた準急になるだらう。数分の差で無駄に特急の座席指定券を買はされる破目に。ババアがもたついたせゐだ。いや、宇宙に狙はれてゐるせゐだ。名古屋からは座れない可能性が高い。まだ通勤の時間帯ではないだらうが、学生は多いだらう。でも乗るしか無いか。名古屋から45分ほどある。既にこんなに疲れてゐるのに立つて電車でそんなに長い時間耐へられるだらうか。荷物も多いのに。仕方が無い。取り敢へず特急券を買はう。だが、ここでも狙はれることになつた。ホームの端に特急券専用の販売機がある。自分で買へるのだが、駅員がいちいち客に行き先とかを聞いて操作してゐた。駅員に名古屋までμチケットくれと言つたら窓側と通路側とあるがどちらが良いかと聞かれた。窓側!と答へたら何故か通路側だつた。電車に乗つてから気付いた。アホか。駅員のくせにボタン押し間違へたな。最後の最後までイチイチ細かく不運にやられるんだな。どうでもいい。果てしなくどうでもいい。

名古屋で降りて乗り換へ。新可児方面の準急がもうすぐ来るところだつたが、恐ろしい行列だつた。人が少ない列を探して奥の方まで行つて並んだが、もう座れないんだらうなと思つた。名古屋で乗り換へえずに手前の金山で乗り換へた方が良かつたと今さら気付いた。金山からなら余程のことが無い限り座れるはずだ。もういい。どうでもいい。死ね。電車が来た。少し空席はある。だが座れないだらう。と思つたが奇跡的に1つ空いてゐた。罠か?ここに座ることによつて何かあり得ない不運にやられるのか?かかつて来いや。お前が死ね。電車の中で終末のフールを読了した。丁度良かつたな。

親に西可児に到着する時刻をメールした。長いな。朝早く種子島を出て帰り着くのは夕方だ。ドラクエは空港内で何人か擦れ違つた。名鉄で2人擦れ違つた。全部で7人増えてゐたので鹿児島と中部の空港で5人擦れ違つたんだらう。疲れた。もう限界だ。でもまだこれからバンドの練習がある。

駅に着き、電車を降りた。生きて帰つて来れたが何の感動も無い。またパチ屋へ通はされる地獄の日々が始まるんだな。親の車に荷物を載せ、家に帰る。可児は寒いかと思つたが、全然寒くない。種子島と同じくらゐだ。クソ暑い。何で俺はこんなに厚着してるんだらう。狙はれてるな。もし薄着してたらクソ寒いんだらうよ。さうなるやうにできてゐる。

オクラ庭のオクラが激しく生長してゐた。25cm以上の巨大な実がいくつもついてゐた。もうそのサイズになると硬くて食へない。まだ食へさうなサイズのも結構あつた。種子島にゐる時に弟にメールでオクラのことを頼んでおいたのに予想通り放置だな。巨大な実がついたままだと新しい実がつかないからこまめに実を切つてくれと頼んでおいたのに。食ひたければ食へばいいし、要らないなら捨てればいい。いくつか切つた跡はあつた。たぶんメールを受け取つた日に1回だけやつてくれたんだらう。その後は完全放置のやうだ。弟なんか当てにしてもダメだな。家に入り、溜息が漏れた。台所が凄いことになつてゐた。ゴミの山。冷蔵庫の奥に勝手口があるのだが、そのスペースにゴミ袋が山積みになり、そこに入り切らない分は冷蔵庫の前に山積みになつて冷蔵庫を開けられない状態。さらに流し台の前にも積んである。しかも明らかに入り切つてない状態なのにさらにゴミを入れて溢れてゐるやうな感じ。袋からこぼれたゴミが床に散乱してゐる。アホか。居間のビールの缶が凄いことになつてゐるんだらうなと思つてゐたが、それは何と奇跡的に片付けられてゐた。俺が種子島に行く直前に既に寝るスペースが無いほどだつたから、限界に達して片付けたんだらう。限界まで溜めずに毎日片付ければいいのに。冷蔵庫を開けてみたら明らかに食へないサイズの巨大オクラが6本ぐらゐブチ込まれてゐた。捨てろよ。取り敢へず明太子を冷蔵庫に入れて自分の部屋へ。

ノートPCをカバンから出して机の上にセッティング。PC関連の電源を全て落としてゐたので、ルーターやモデムの電源を入れた。まづはドラクエ。超絶久しぶりのWi-Fi接続。ゲストがたくさん来てゐた。セティアつて誰だよ。土産とか荷物を片付けたりするのも大変だな。さういふのは後回しにして、まづは椅子タンのサーバーからバンド練習の音源を落とした。2週間分全部聴く時間はもう無い。倍速再生で適当に聴くだけでも間に合はない。種子島に行く前にやつてゐたAge君の曲だけでなく、CHOSANGが作つた曲も練習してゐるやうだ。楽譜が無いので相当キツい。小節数とコードだけでも紙に書いて欲しいものだ。

椅子タンが迎へに来た。土産を持つてスタジオへ。DSの音楽系のゲームでCHOSANGが新曲を打ち込んでゐた。それを聴かせてもらつた。覚えられるわけが無い。耳コピなんかできんし。楽譜が欲しい。ギターは俺とAge君の2人で弾くらしい。全てパワーコード(Root+5度)だが、Age君がコードの1度と5度を弾き、俺はそこに5度と9度を重ねるらしい。5度上でパワーコードを弾けといふこと。珍しいボイシングだな。普通5度+オクターブの4度和音を重ねるとかオクターブ上にするとか3度を重ねるとかだらう。全部完全5度で重ねるやうだ。大丈夫なんだらうか。整合性は取れてゐるのだらうか。聴いた感じ、明らかにをかしく聴える部分は無いやうに思へたが、細かい部分転調が多いやうに感じた。それは意図した転調ではないのかもしれないなと思つた。パワーコードで弾くと言つてもメジャーキーのVIIm7♭5とかマイナーキーのIIm7♭5とか♭IIIM7#5とかVIIdim7とか、完全5度を持たないコードがいくらでもあるから、全部完全5度で弾くと部分転調が多発することになる。さらにその上に5度+9度を重ねるとなるとかなり難しい。フリジアンとロクリアンで9度がアボイドノートになる。部分転調と解釈するにしても全てに9度を付加して整合性が取れるのか疑問に思つた。どうなつてゐるのか楽譜を見てみたい。展開も複雑だから視覚的に覚えないと無理。

スタジオに入つて練習開始。練習は2回休んだだけだから、本当に種子島に行つたんだらうかと思へて来る。種子島では結局ほとんどギターの練習ができなかつた。Age君の曲もまだコード譜を見ながらぢやないと弾けないし、ギターソロも考へてゐない。俺がゐない間に少し展開も変つてゐたし、曲調も少し変つてゐた。歌詞は無いが歌メロがついてゐた。最初は思ひ出しながらついて行くのが精一杯だつたが、後半はだいぶ良くなつた。ギターソロも即興で適当に何となく歌メロの雰囲気を混ぜながらやつてみた。この曲はだいぶ完成に近づきつつある。CHOSANGの曲は全然できん。教へて貰つても頭に入らん。ベースでルート音を鳴らしながら「ここ」とか言はれてもなかなか記憶に残らん。音名とかコード名とか度数で言つて欲しい。結局9度を含んだ和音は弾かないことになつた。開放弦を使ふべきフレーズだと思ふんだが、それができない状態だつた。速い曲なので開放を使はずに弾くのも難しい。俺を開放弦の方に合はせると今度はAge君が弾けなくなる。俺はカポつけてやつても良いしハーモナイザーを使つても良いが、まあ取り敢へずユニゾンでといふことになつた。でも覚えられん。酒と疲労のせゐかもしれない。最近脳みその力が劇的に弱くなつてゐるから、そのせゐで覚えられないのかもしれない。これは大変だな。どうなつて行くんだらう。

練習後はあまり長居することもなく、早めに撤収した。疲れた。明日は朝から歯医者だ。起きれるだらうか。急激に可児の生活に復帰してゐる。まだ荷物を片付けたりしないといけないんだが、もう種子島で暮らしてゐた気配がほとんど無い。

今回の種子島旅行はとにかく酷かつた。宇宙に狙はれてゐるから何か悲惨なことが起こるだらうとは思つてゐたが、まさかここまで激しくやられるとは思はなかつた。行く前から狙はれてたしな。直前にロケット打ち上げがあることが判明して急遽予定を繰り上げ、飛行機の特割7の予約期限数時間前に急いで予約したはいいがクレジットカードが知らないうちに止められてゐて決済できず、慌ててコンビニに行つてクレカの滞納分の金を振り込んで帰宅し、もう一度決済を試みたが拒否され、今度はネットバンキングで振り込まうと思つたが銀行に金を預けない主義なので残高が無く、またコンビニに行つてATMで預金しようと思つたら預金ができない時間で、半泣き状態で帰宅して今度はコンビニ振込みをすることにして必要な情報をメモしてマイレージカードを持つてコンビニへ。山の上に住んでゐるから自転車で3往復すると全身筋肉痛だ。何とか振込期限30分前に振込めた。危なかつた。最初からそんな感じだつた。暗い未来しか見えなかつた。初日は鹿児島空港で黒豚ロースカツを食つたら歯が恐ろしく痛んでどうにも我慢できない状態に陥り、それまで使はずに過ごしてゐた痛み止めをつひに使ふことになつた。それからずつと歯の痛みには散々苦しめられることになつた。種子島滞在中はひたすら歯の痛みに苦しんだ。何とか島に着いたが玄関を開けたら凄まじい異臭が立ち込めてゐた。畳に積もつた蟻なんかどうでも良いぐらゐの悪臭。夕方で暗かつたので電気を点けようと思つたら点かない悲劇。それで一瞬で全てを理解した。冷凍庫のオキアミが腐つて大変なことになつてゐる悪夢のやうな現実。電気が全く点かなかつたら困る。ブレーカーを弄つてみたら家の半分だけは点いたが、台所や風呂の方が点かない悲劇。電気よりも台所の臭ひがキツ過ぎた。台所の戸を開けたらさらに激しい臭ひ。恐る恐る冷蔵庫を開けたら視界が狭くなつた。息を止めてゐても臭かつた。冷凍庫を開けたら本当に気絶するかと思ふほどだつた。一瞬で閉めた。ハエも多かつた。取り敢へずネット環境が生きてゐるか確かめようとしたら電話も死んでゐることに気付いた。何もかもがダメだ。台所の電気が切れてゐるので風呂のボイラーのスイッチが入らず、水風呂に入らされる悲劇。もう何もかもがウンコだつた。途方に暮れてゐたら宅急便が来た。20〜21時に時間指定しておいたのに19時前に来やがつてイラついた。原付が動くかどうか確かめる必要があつたのでひたすらキックしてみた。原付もダメになつてゐた。原付が無いと食料を買ひに行けない。ロケットの打ち上げも見に行けない。どこにも行けない。惨状を親に知らせて、取り敢へず悪臭の中でさつま揚げを食つた。最悪の初日だつた。こんなハードな状況があるだらうか。2日目はとにかく冷蔵庫の掃除をしないとどうにもならない。この悪臭の中にゐたら発狂してしまふ。ハエが凄まじい。何匹ゐるのか分からない。数が多過ぎてどれだけゐるのか想像もできない。1000匹はゐただらうと思つてゐるのだが、実は500匹程度かもしれないし、実はもう1桁多くて1万匹はゐたのかもしれない。視界はハエの霧で霞むほどだ。ハエの羽音が凄まじい音量で轟く。さすがの俺も怯んでしまつた。悪臭も凄まじいし冷静ではゐられなかつた。窓を開けたら近所の人に通報されるかもしれない。まづは冷蔵庫の腐敗物を全て袋に詰めて密封し、冷蔵庫の中も掃除して臭ひの元を絶つ必要がある。台所では呼吸できなかつた。たぶん呼吸したら病気になつてゐただらう。深呼吸したらハエが肺に入りさうだしな。他の部屋で必死に呼吸して息を止めてから台所に突入し、汚物を1袋密封して外に出てまた呼吸をするといふのを何度も繰り返し、漸くブツを全て袋に詰めた。それから中種子町のゴミ袋に入れて外に置き、ハエ叩きを振り回した。狙はなくても適当に振り回すだけで何匹も簡単に死ぬ。何だこの地獄はと思ひながら呆然と振り回してゐたが、床に積もつたハエの死骸を掃除する手間を考へて溜息が漏れた。窓を全開にしてハエ叩きを振り回したらほとんどゐなくなつた。と言つても100匹は常にゐる状態だつたと思ふ。そんな地獄のやうな掃除の合間に原付をひたすらキックしてエンジンを掛けようと頑張つたが、どうしても掛からなかつた。あと少しといふ感じまでは行くのだが、どうしても掛からない。3日目の夜がロケットの打ち上げ。もう間に合はない。夜は痛む歯を食ひ縛りながら水風呂に入つた。そこでも悲劇に見舞はれる。ムカデに股間を刺された。これは1週間ぐらゐ苦しまされることになつた。心の底から死んで欲しい。丁度翌日が燃えるゴミの日だつたので夜中に悪臭の元を捨てに行つた。歩くとムカデに刺された股間が痛んだ。何で俺がこんな目に遭はねばならんのだ。3日目は叔父が頼んだ電気屋が来るといふので朝から待ちながらバイクをキックした。電気屋は朝8時に来ると言つてゐたが来なかつた。少し遅れるのかもしれないと思つてずつと待ち続ける悲劇。バイクは自力ではどうにもならないと判断し、バイク屋に電話した。明日取りに来ると言はれたが、その日のうちに来てくれた。でもその場では直らないやうで、修理のために持ち帰つた。これにてロケットの打ち上げは見れないことになつた。結局電気屋は来なかつた。正確には来てゐたが向ひの家に間違へて来てそのまま帰つたとか。で、夕方か明日の朝にまた来ると言ふ。夕方か朝ぢやなくてどちらかに決めろ。さうすれば下の海に遊びに行くぐらゐのことはできるのに。どうせ今日の夕方には来ずに明日の朝来て今日の夕方を無駄に待つて浪費することになるんだらうと思つた。でもその日に来た。九州電力とか呼んで電柱に登つたりい色々やつてゐた。電気が復活して風呂のボイラーのスイッチも入る・・・と思つたら夜になつてからボイラーだけは壊れたままだといふことが判明した。冷蔵庫は閉めて電源を入れると何故か凄まじい悪臭が発生することが判明し、開けたままコンセントを抜いておくことになつた。電気が復活しても水風呂。そして、ボイラーを見てもらふために電気屋が呼ばれることになつてまた待たされる。引き篭らされる。種子島に引き篭りに来たとしか思へなかつた。結局3日目も何もすることなく潰れた。冷蔵庫の悪臭は汚物を処分しても残つた。台所で息を吸ふのが困難な状態。でもそこでラーメンを作つたりする。ハエも多い。夜中に家がカタカタ揺れ、激しい轟音が響いて目が覚めた。ロケットの打ち上げ。このために少し予定を繰り上げて来たのに。俺は何をやつてゐるのだらう。虚しかつた。狙はれ過ぎ。とにかく前半は地獄だつた。また電話の工事とかボイラーのために待たされたりしたしな。バイクが直つて消臭剤を買ひ込んで冷蔵庫や部屋に置いたが、結局最後まで臭ひは消えなかつたやうだ。俺は途中から麻痺して感じなくなつたのだが。結局何だかんだで落ち着くまでに1週間掛かつた。滞在日数は17日。そのうち2日は移動で消えるから実質15日。約半分を無駄にした。とにかく悲惨だつた。空港の無線LAN詐欺にも引つ掛かつたしな。何もかもがウンコだつた。漸く落ち着いた頃に親戚が続々と集まつて来て慌しく法事をやつて叔母が発狂して急激にみんな帰つて、俺もほとんど何もしないまま帰ることになつた。ネタ満載の種子島旅行だつた。それにしても、祖母の子供5人が集まるのはこれが最後だつたかもしれないのに叔母は何であんなに発狂したんだらうな。後になつて考へても全然意味が分からない。それなりに遊んだし、楽しかつたけども、やはり消化不良だな。雷で電気や風呂や電話がやられてゐなければどれだけ充実してゐただらう。ネットも家でできたはずだ。まあとにかく運が悪い。狙はれてないと思へる要素がダニの糞ほども無い。宇宙は俺を苦しめるために平気であり得ない不正をする。以前バイク屋の定休日をネットで調べて定休日を避けてバイク屋に行つたら定休日だつたことがある。奴は俺を苦しめるためにバイク屋のサイトのHTMLをも書き換へる。もし俺が種子島に行かなかつたら浜津脇の落雷も無かつたはずだと思ふ。俺がどんな妨害にもめげず無理矢理飛行機のチケットを買つたので宇宙が雷を落とした。直前のスロ連敗とかクレカの件とか、明らかに何者かが俺の種子島行きを妨害してゐた。それに屈しなかつたから奴はここまで徹底的にやつた。よほど俺が怖いんだらうな。ウンコ舐めて死ね。

種子島滞在中にかなり大量の写真を撮り、ずいぶんたくさん日記にも載せた。その中で俺が思ふベストショットを今回の旅行記の最後に載せて締めくくらうと思ふ。今回の旅行を象徴する1枚だと思ふ。どの写真だと思ひますか。↓のリンクをクリック。お前の予想は当つたかな。

種子島2009秋 犬土偶的ベストショット

Info.
公開日時2009年09月28日 23時22分56秒
最終更新日2009年10月04日 15時47分08秒 (更新回数: 3)
本文文字数14095文字 (タグ込み)
URLhttps://orca.xii.jp/br/diary/diary.cgi?id=dogoo;date=20090924
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