海の近くに住みたい
公開日時: 不明
明日が満月。といふことは大潮だ。貝を捕りに行かねばならぬ。今度こそナガラメを捕獲するのだ。イセエビはもう諦め気味だが、まだ完璧に諦めたわけではない。12時頃に干潮なので11時頃から海に行くのが良い。つまり朝早く起きる必要がある。起きれないかもしれないが、たぶん大丈夫だらうと思つてゐた。人が多いから話し声とかで目が覚めるはず。
7時過ぎに起きた。人の声がうるさかつたといふのもあるが、ハエに起こされた。人が増えてハエも劇的に増えた。懐かしいな。去年もよくハエに起こされてゐた。今日は親達が朝一の飛行機で帰る。一番下の叔母も昼の飛行機で帰る。盆に色んな人から貰つたお供へ物をみんなで分けてゐた。中身は砂糖とか醤油とかインスタントラーメンとか色々だ。
親達が9時頃家を出た。しばらくしてから海へ出る準備を開始する。叔父達は小さいタコを捕りに行くらしい。穴に塩をかけると出て来るらしい。それも見てみたいが、俺はナガラメを捕らねばならん。海へ行くならコンタクトレンズを装着する必要がある。それが異様に面倒臭い。恐ろしく苦労する。一番下の叔母が帰る準備をしてゐた。大体同じぐらゐに家を出る。叔母は空港へ。俺は海へ。コンタクトレンズ装着でアホみたいに苦労すると思つてゐたが、何故か今日はほとんど苦労せずに5分ほどで装着できた。長袖のシャツと水着を着て手袋を用意して、露出部分には念入りに日焼け止めを塗る。磯用の足袋を履いて水中眼鏡とデジカメとクシ(貝を捕る道具)を持つて海へ。
今回の大潮は前回よりも潮位が少し高い。さらに悪いことに今日は風があつて波が強い。波に翻弄されて岩に激突したりするし貝を見つけても捕るのに苦労する。海に出た時には既に地元の人が数人ゐて貝を捕つてゐる雰囲気だつた。そちらの方に行つてももうダメだらう。もう少し手前で捕ることにした。しかし貝がゐない。地元民に捕られた後なのか元々ゐないのか、それとも単に俺が見つけられないだけなのか。海面より上に露出した岩場で探してもほとんど見つからなかつた。といふか波を被るので泡で見つけにくい。深いところに潜つて探した方が楽だ。でも海の中は波で流されたりする。貝を見つけても手を岩に引つ掛けて体を固定しながらやらねばならんのに、貝を入れる網とデジカメとクシを持つてゐるから苦労する。岩場を歩いてゐる時に足に激痛が走つた。明らかに何かが刺さつた。でも分厚いゴムの足袋を履いてゐるから何かを踏んで貫通して刺さつたはずは無いと思ふ。後で家に帰つて見てみたら元々足袋の中に入つてゐたゴミの破片が右足の人差し指の爪の横ら辺に深々と刺さつてゐた。運が悪過ぎる。
潜つてアナゴを捕る場面を動画で撮影してみた。穴の中のウニの横に見えるのがアナゴ。こんなにハッキリと分かるのは珍しい。普通は藻がビッシリ生えてゐたりして見えにくい。これを捕る場面を苦労して撮影した。波が激しいので何度も何度も流される。貝を見失はないために発見から捕獲まで一瞬たりとも水面には上がらない。いつもは潜らなくても捕れるし波が荒くなければこんなに苦労することも無いんだけどな。今日は結構危なかつた。山人は海ではただの雑魚だが、雑魚なりに頑張つてゐる。水中眼鏡で海の中を見ると実際より近く大きく見えるといふのは知つてゐたが、それが予想を少し超えてゐるからウザい。潜つて巨大なアナゴを発見したと思つて猛烈にテンションを上げて捕獲してみたらカスみたいなサイズだつたりする。
ナガラメは岩の下にゐるらしいので必死に探し回つた。荒波の中をひたすら潜つて岩の下に手を突つ込んで探した。でも見つからん。やはり山人には無理なのか。全く足が海底に届かないやうな深場にも潜つて探した。両手に色々と物を持つてゐるのであまり泳げない。岩から離れ過ぎると流されて帰れなくなる。貝を捕るクシを岩の穴に引つ掛けて命綱代はりにして探し回る。アナゴはゐるがナガラメはゐない。イセエビもゐない。また完全敗北なのか?1匹で良いからナガラメ捕らせろ。波が沖から来ると岩に叩き付けられ、その後に引いて行く波で強烈に沖に引き寄せられて行く。そのタイミングを予想しながら岩にクシを押し付けて叩き付けられないやうにしたり穴に引つ掛けて沖へ流されないやうにしたりする。
沖を探しても浅場を探してもナガラメなどゐない。アナゴも前回より数が少ない。これではあまりにも惨めな結末になるので、前回敢へて捕らなかつたカスみたいな貝も拾ふことにした。アカミナとかも目に付いたら適当に拾ふ。
小一時間潜つて疲れ果てたので岩の上に上がつてアナゴを探した。やはり見つからない。潜らないとダメらしい。疲れたので帰りながら新しい岩場を探すことにした。叔父達は俺と反対側の方へ行つてゐた。そちらに行つてみることにした。岩場を歩くより泳いだ方が楽。あまり深くない場所を波に流されながらクシで舵を取りながら進む。坂の下の民宿のすぐ下の海まで行き、アナゴを探したが見つからない。ここらのはもう叔父達が捕つてだらうから必死に探さなくても良いかもしれない。でもいくつか見つけて捕つた。去年見つけて目を付けておいたシャコ貝はまだ同じ場所にゐた。目を付けておいたといふか、去年発見した時は食へない貝だと思ひ込んでゐたのだ。でもその日か翌日か忘れたがテレビで芸人がシャコ貝を捕つて食つてゐるのを見て猛烈に後悔したのだ。次種子島に来た時に必ず捕らうと思つてゐた。1年寝かせて成長させてやるつもりだつた。同じ場所にゐたが、去年とサイズはほぼ同じだつた。
叔父が沖の瀬にデカいアナゴがゐると言ふので深いところを泳いで行つてみた。叔父はクシを持たずに来たらしい。そのアナゴを捕つてから岩の沖側に潜つて必死に岩にしがみつきながらアナゴを取る。波が強過ぎるし水深もある。水深はどれくらゐあるだらうか。必要性を感じなかつたので底までは行かなかつたが4mぐらゐあつたかもしれない。苦労してクシで剥がしたアナゴが波で流れて行つたりした。俺も流されさうだ。ずいぶんと海水を飲んで苦しんだ。運動不足ですぐに攣るからキツい。右脚の付け根を全力で攣つた時は視界が狭くなつて気分が悪くなつて危なかつた。少し攣るだけなら治るまで苦しみながら浮かんでゐれば良いのだが、重症の痙攣だとまともに呼吸もできないし視界も狭いしゲロ吐きさうだし、泳ぐ余裕も無い。さういふのは危ない。
何日か前に浦田海水浴場でダイビングをやつたが、その時と比べるとやはり魚の数が少ない。透明度も低い。ここらの海はダメだな。綺麗なところはかなり綺麗だ。犬城海岸や宇宙センターの辺りも綺麗だと思ふ。今度1人で海水浴に行つてみようか。
潜つて必死にナガラメを探してみたがやはり見つからない。どこをどう探しても見つからない。雨が降り始めたし異様に疲れたので一足先に帰ることにした。今日のところはナガラメは諦めるしかあるまい。家に帰つてシャワーを浴び、デジカメを防水プロテクターつけたまま洗つた。クシや手袋や水中眼鏡も洗ふ。写真は今日の獲物。黄色いザルのが俺の獲物。赤い方は叔父達。叔父はナガラメを2匹捕つたやうだ。クシも持たずに捕つたのか。やはり種子島人だから俺がどれだけ苦労しても見つけられないナガラメを簡単に見つける。結局タコは捕れなかつたらしい。昔は色んなのがたくさんゐたんだらうな。ナガラメもイセエビも大量にゐたらしい。今は海の幸が激減してゐる。乱獲のせゐか温暖化のせゐか、他に原因があるのか知らんけども。
足に何か刺さつて痛みを感じてゐたのでそこを見てみたら棘が深々と刺さつてゐた。5mmぐらゐの長さの細い棘が埋まつてゐる。必死に毛抜きで抜かうとするがどう頑張つても抜けないし抉れば抉るほどに激痛が走る。ムヒを塗つて麻痺させてからやつてみたが深過ぎてどうしても取れん。日を改めて抜かう。
今日は土曜。久しぶりのバンド練習の日だらうと思ふ。俺も練習しておく。家の中は暑いな。できるだけ風が入りやすい場所で練習してゐたが汗が相当出た。叔父や叔母はお供へ物のお返しの品を買ひに行つてゐた。ギター練習中に巨大なムカデが出て大騒ぎした。
猫の叔母とその旦那さんは出掛けて行つた。鞍勇と古田にお供へ物のお返しを持つて行くらしい。別れた前夫の実家に今の夫を連れて行くといふのも面白いな。古田の方は祖母の弟の家。俺が今度探しに行くヤギを飼つてゐる家だ。鞍勇と古田の間の近道を叔母に聞かれたのだが、古田の方の親戚の家を知らないのでどうしやうもない。あの辺りの道は大体知つてゐるから古田の家の場所が正確に分かれば道も教へられるんだけどな。また山の中で迷つてゐるかもしれない。
シャコ貝は煮たら中身が縮んだ。殻はあんなにデカいのに中身は小さくなつてしまつた。しかもグロい。あまり食ひたいとは思へない。貝柱の部分は美味いんだが、他が嫌だ。貝柱だけ食ひたい。貝の入り口付近のビラビラしたところや、内臓のどこかも食つてみたが、あまり美味くはなかつた。貝柱は美味かつた。ナガラメやアナゴも食つた。
今日は波が荒かつたので海の中にゐる時にずいぶん激しく踊らされた。船酔ひ状態になつてゐて、今でも体が波に揉まれるやうに動く感触がある。眠れないかもしれないが疲労で簡単に眠れるかもしれない。確実に言へることが一つある。明日は疲労困憊で動けない。明日が満月で本番なんだけどな。まあ明日は天気が悪いらしいからそもそも海に行けないだらうけど。波さへ無ければ雨はどうでも良いんだけどな。明日は叔父の一家が屋久島に行く。20日に帰つて来るらしい。俺は屋久島は9月に入つてから行かうと思ふ。縄文杉へ行くところは途中から一般車両の規制があつてバスで行かねばならんらしい。夏休み期間は観光客が多くて渋滞するからだらう。9月からは自由に行けるやうになる。バスでも良いんだが、バスだと時間が決まつてゐるのがキツい。体力が尽きて帰りが遅くなつて最終バスに乗れなかつたりしたら悲惨だらう。原付で行けばさういふ心配も無い。屋久島に行つて種子島に帰つて少しして可児に帰ることになるな。屋久島に行くまでの半月で種子島を堪能し尽くす必要がある。釣りをしよう。もう一度ダイビングもやるか。猫の罠も作らねばならんな。取り敢へず今日のところは寝るしかあるまい。あまり眠くないんだが疲労ですぐ眠れるだらう。
公開日時 | 不明 |
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本文文字数 | 5080文字 (タグ込み) |
URL | https://orca.xii.jp/br/diary/diary.cgi?id=dogoo;date=20080816 |
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