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犬土偶日記

海の近くに住みたい

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2007年10月17日

犬土偶旅行記 107日目 犬城海岸・馬立の岩屋・男淵女淵の滝

公開日時: 不明

起きたら13時過ぎてゐた。今日も朝から出掛けようと思つてゐたのに。とは言つてももう行く場所も無い。おなす海岸を探し出すぐらゐしかないだらう。あとは島を1周してみるとか、その程度だ。もうほぼ名所は行き尽くした。細かいところも大体回つた。でも通つたことがない道を走り回れば珍しいものがあるかもしれない。適当に走り回るつもりだつた。しかし昼過ぎまで爆睡の悲劇。何で起きれないんだらう。

午後から犬城海岸に行つてみることにした。馬立の岩屋をデジカメの動画で撮らうと思つたのだ。納官の辺りから二十番経由で行く道は何度も通つたので、今日は空港方面から行くことにした。浜津脇から県道583号線を上り、県道76号線を空港方面へ曲がり、空港をスルーして空港トンネルをくぐり、二十番まで南下して二十番の交差点を東へ。標識に従つて犬城海岸に向かつたが、標識を1つ見逃したらしく、男淵女淵の滝の前を通るいつもの道ではなく、増田の方から回つてしまふといふ遠回りをしてしまつたが、やはり男淵女淵の滝の入り口の十字路に合流した。そこから犬城海岸へ。ゴルフ場の脇を通つて少し北上。険しい道を下りて行くのだ。

犬城海岸に来るといつも原付のエンジンが掛からなくなる。長い下り坂が原因なのではないかと最近思ひ始めた。今日も掛からなくなるかもしれない。猛烈な不安に慄きながらエンジンを切る。そしてデジカメを動画モードにして録画開始。そのまま馬立の岩屋へ向かひ、中を歩き回る。ここは千座の岩屋と違つて、満潮時でも洞窟の中に海水は入つて来ないのではないかと思ふ。満潮時に来たことはないけど。

岩屋を出て海岸の少し奥へ行つてみた。干潮ぐらゐの時間に来てみたんだが、今日の午後の干潮は潮位がそんなに低くない。良い感じの潮溜まりができてるのを期待して来てみたがダメだつた。ここも録画しながら歩き回る。もう少し沖の方まで岩の上を歩いて行けさうだが、濡れる可能性が高いし、コケると拙い。それに忌明けまで海に行くなと言はれてゐる。散々色んな海岸に行つてゐるが、祖母が亡くなつてから1滴も海水に触れてゐない。一応海に行くなといふ言い付けを守つてゐるのですよ。ここまで海に入り込んでゐて海に行つてゐないと力強く言ふのも何だかをかしい気もするけどな。

馬立の岩屋 犬城海岸1 犬城海岸2 犬城海岸3

やはりエンジンが掛からなくなつた。泣くぞコラ。何度も何度もキック。夕方だが何故か今日は寒くない。半袖でも暑い。キック。キック。ひたすらキック。暑い。死ぬ。日陰に退避してキック。誰も来ない海岸で1人アホみたいに息を切らしてキック。死ぬほど蹴りまくつて漸く掛かつた。何度目だらう。もう慣れたよ。坂を上つてゐる途中でレンタカーと擦れ違つた。1本道で犬城海岸へしか行けない道なので観光客だらう。こんな季節でも結構観光客はゐるらしい。ここはいつ来ても必ず誰かゐるな。全く誰もゐなかつたことはない。まあ割と景色が良いしデカい洞窟もあるしな。中種子町はここの道路をもう少しまともに作るべきだと思ふ。擦れ違へないしカーブミラーも無い。

犬城海岸を出て今度は男淵女淵の滝へ向かふ。8月に大勢で行つて以来、近くを通ることは何度かあつたが、滝は見に行つてゐなかつた。もう一度見に行つておきたかつた。おおぎ畑の中を走つて男淵女淵の滝へ。懐かしい。前に来てからもう2ヶ月も経つたんだな。駐車場付近で少し写真を撮つてから、また動画モードにして撮影しながら奥へ行つてみる。前に来た時より川の水量がずいぶん少ない。最近雨が少なかつたからだらうか。上が男淵、下が女淵。xDピクチャーカードの容量が512MBしかない。640×320のサイズで録画すると7分半ぐらゐしか撮れない。既に馬立の岩屋とか犬城海岸で撮つてゐるので残りが少ない。早歩きで進む。女淵を見逃して男淵よりずいぶん上流まで行つてしまつた。水量が少なくて前に来た時と印象が違ひ過ぎる。少し戻つて男淵と女淵の間に下りる道を通つて水際まで出てみた。女淵の下に下りる道もあるのだが、恐ろしく険しいので下りられない。下りる間に容量が無くなつて録画が止まつてしまふだらう。といふわけで、中途半端な感じで男淵女淵の滝を写真と動画で撮影。

男淵女淵の滝駐車場 男淵女淵の滝駐車場横の広場 男淵女淵の滝駐車場遊歩道入り口
女淵の滝 男淵の滝 遊歩道から駐車場へ

滝から駐車場へ戻る途中で、残り数枚分しか撮れない状態だつたが写真を撮つたりしてゐた。ふと殺気を感じて後ろを振り返つたらスズメバチが飛んでゐた。またか!何故俺ばかり蜂に狙はれるんだ!明らかにこちらを見ながら飛び回つてゐる。どこか近くに巣があるのか?こんな場所で死ぬわけにはいかない。猛烈な勢ひで駐車場方面へダッシュ!急激に動くと蜂を刺激してますます襲はれるといふのも聞いたことがある。だがそんなのを信用してここで動かずに刺されたらバカだ。全力疾走ですよ。体力無いのに。途中で振り返つてみたら、何とウンコ虫も全速力で追ひかけて来てゐた。明らかに俺を殺さうとしてやがる。バカだからスイッチが入つたらもう止まらないだらう。何で俺がこんな目に!もう心臓が破れさうだつたが、さらに100%を大きく超えた全力で走り抜ける。原付を停めた場所よりも遠く、道路の方まで走り抜けた。50m以上は走つただらう。ここまで来れば大丈夫だらうと振り返ると、やはりまだ追つて来てゐる。もう走れん。振り返つたまま動きを止めてみた。そしたら奴も動きを止めた。ホバリングしてやがる。危ない。あと1秒も待てば最高速度で直進して来て刺されるだらう。激しく3歩ほどバックダッシュ。その動きに合はせて前進してくる。そしてホバリング。死ぬ!こいつ本気で俺を狙つてる。ハエタタキが欲しい。物を振り回すと刺されるから絶対に追ひ払ふ動きをするなといふのもよく聞くが、殺せば万事OKだらう。空振つたら死確定だが、一撃で叩き殺せば何もかもが上手く行く。大量の蜂に囲まれてるならどうしやうもないが、1匹なら殺すのがベスト過ぎる。敵が攻撃の前にホバリングして間合ひを計つたりしてゐる間が絶好のチャンスだ。殺したい。何で俺がこんなウンコ虫に狙はれねばならんのだ。力強くハエタタキで屠りたい。全力で叩いて地面に落ちた瞬間にフルパワーでジャンプして全体重を掛けて蜂に着地すると同時にグルルァッ!と回転して磨り潰し、最後に体重を掛けたまま手前に引いて蜂を粉末にしてやりたい。死ね!絶滅しろ!スズメバチだけは絶対に絶滅させねばならん。だが今はハエタタキを持つてないので逃げるしかない。とにかく全力疾走だ。道路まで逃げる。振り返るのが怖過ぎるが、振り返つて様子を見るしかない。恐る恐る振り返つてみると、何故かゐなくなつてゐた。だが視界に入つてないだけかもしれない。既に背中に止まつて刺す寸前なのかもしれないし、頭の真上を飛んでゐるかもしれない。慎重に様子を窺ひ、どうやら振り切つたらしいことを確認。しかしバイクまで戻るのが怖い。遠回りしながら周囲に細心の注意を払ふ。蜂ごときウンコ虫に怯えねばならん状況が激しく腹立たしい。ハエタタキは常時持ち歩くべきだ。どうやら近くにゐないといふことを確認してから少しの間そこで待つ。バイクのそばにはまだゐるかもしれない。慎重に時間を消費してからバイクへ戻り、目にも留まらぬ速さでメットを被つてエンジンを掛けて逃げる。エンジンが掛からないといふ最悪の事態が怖かつた。メットをシートの中から出す時にシートを開けたら中に蜂がゐて「ここは満員だ」とかジョジョ的なことも想像したりして。

蜂から逃亡した敗北感が凄過ぎる。必ず死で償はせたい。いつか必ず蜂を絶滅させてやる。帰りは納官方面へ向かはず滝の入り口の十字路を増田方面へ行き、中学校の前を通つて増田周袈裟女の碑のところへ出る。石碑に刻まれた文字が金色で、夕日を浴びて良い色合ひになつてゐた。しかしデジカメの容量が無くて1枚も撮れない状態だつたのでそのまま帰る。そこから野間へ向かふ。中種子野間に用があるのだ。Aコープで長袖の服を買はねばならん。土曜に可児に帰るが、可児はどうやら寒いらしい。半袖では凍死確定のやうだ。Aコープに行く前にガソリンを満タンにした。これが種子島最後の給油かもしれない。Aコープに寄つて、まづは雑誌コーナーで今週号のジャンプのHUNTER×HUNTERを立ち読み。そして衣類コーナーへ。適当に2000円ぐらゐのを買つて帰宅。

もうすぐ可児に帰る。もう種子島を去らねばならん。あとは荷物を送つたり土産を買つたりするだけで終りだらう。遊ぶ時間はあまり無い。次はいつ来れるか分からない。もしかしたらこれが人生最後かもしれない。猛烈に名残惜しい。景色を脳に焼き付けながらゆつくりと帰る。

家に帰つてデジカメの中身をPCに移し、動画をエンコード。飯を食つてから鹿の角とデカい貝殻を先日買つたビニールの緩衝材に包む。鹿の角は8月末に外の小屋を掃除してシロアリにやられた木材を庭で燃やしたりしてゐた時に祖母が倉庫の奥から見つけて俺にくれた物。貝殻は種子島に来てすぐの早朝の海岸清掃の時に拾つた物。もう荷物をまとめねばならん。つひに帰る時が来たんだな。

最後に、今日録画した動画をまとめて置いておく。面白い物ではないけど見たい人はどうぞ。全体的に動きが速くて画面がガタガタしてゐるが、メディアの容量が少ないことと、UP回線が遅いことを撮影の時点で猛烈に考へて怯えてゐたからだ。それにしても、帰る間際になつて動画を撮り始めたが、祖母が生きてゐる間に祖母の動画をたくさん撮つておけば良かつたと今さらながらに思ふ。折角防水プロテクタもあつたんだから、海に潜つた時も動画で撮つておけば良かつた。デジカメで動画を撮るといふ発想が無かつたのだ。

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公開日時不明
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URLhttps://orca.xii.jp/br/diary/diary.cgi?id=dogoo;date=20071017
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