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犬土偶日記

海の近くに住みたい

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2007年10月12日

犬土偶旅行記 102日目 竹屋野海岸・のりはま海岸・熊野海水浴場・阿嶽の洞穴・水稲早期栽培発祥之地・千座の岩屋・広田遺跡・宇宙センター・ダブルレインボウ

公開日時: 不明

今日も起きれないかと思つてゐた。8時前に目覚ましをセットしておいたんだが、何故か目覚ましが鳴るより早く目が覚めた。何故起きれたのか分からない。昨日は遅く寝た上に夜中に何度も目が覚めて熟睡できなかつた。何か懐かしいな。疲労が激し過ぎて睡眠を維持できないといふ状態が可児にゐる時はよくあつた。しばらく種子島でも引き篭もつてゐたからまた体力が元に戻つて昨日宇宙ヶ丘公園を1周した程度の運動で疲労し過ぎたのかもしれない。でも起きれたので今日は南種子を回る。宇宙センターの施設案内ツアーで大崎射場まで行くのだ。午前のツアーは11時から。開始の30分前までに受付を済ませないと参加できない。本当は電話予約しないといけないんだが、空きがあれば当日でも参加できる。前日に電話予約しておいて朝起きれないと拙いし、予約して当日に気が向かなかつた時などは非常に困る。予約によつて未来を束縛されるのが嫌だ。常にその時の気分を優先して動きたい。だからライブのチケットを買ふといふのも実は嫌なのだ。刀剣が確実にあるなら予約などしない。事前にチケットを買つてしまふとライブ当日に夜型生活だつたり無駄に疲労してゐたり気が向かなかつたりしても絶対に行かねばならない。さういふのが物凄く嫌なのだ。ライブは日時を決めずに俺が見たい時にやれ。俺の気分に合はせろ。だから飛行機のチケットを何日も前に買ふのも嫌だ。その日は必ず早起きせねばならん。起きれなかつたら空港に行かない、起きれたら行く。さういふ自由な生き方をしたいではないか。同じ理由で土曜夜のバンド練習もキツい。月末に翌月のスタジオ予約をしてしまふ。バンドは他の人と一緒にやつてゐるので自由が利かない。その時どんなに眠くてもどんなに気分が乗らなくても設定6を打つてゐても必ずバンドの練習に行かねばならない。会社や学校も時間が決まつてゐるから完全な束縛だな。俺には無理。翌日の予定が決まつてゐて変更不可といふだけでストレス死だ。その時その時の気分を優先したい。だから俺1人だけで行動する場合に予約するなどといふことは極力避けたい。施設案内ツアーは飛び入り参加がベストだ。夏休みなら空きが無いかもしれないが、こんな中途半端な季節の平日なら絶対に空いてゐる自信がある。大学生の休みも終つてるしな。もしかしたら1人しか参加者がゐないといふ非常に気まづい状況なのではないかとさへ思ふ。

少し早めの9時に家を出た。11時のツアーに参加するためには10時半までに宇宙科学技術館に着けば良いので9時は早過ぎる。しかし直行する気は無い。広田遺跡に寄つてから行くつもり。9時で丁度良いだらうと思つた。県道75号線をずつと行くと、途中に東海岸に向かつて立て札が出てゐる。竹屋野海岸・おなす海岸・のりはま海岸といふ立て札を今まで見た。そこも行つてみる。その前にガソリンを満タンにしておく。南種子に安いスタンドがあるか分からない。野間のセルフのスタンドで1リットル159円が最安だ。そこで入れて行くのがベスト。

納官の辺りで突然猛烈な便意に襲はれた。何でいつもこんなに無駄にウンコに苦しめられるんだらう。便所はどこにあるだらうか。Aコープまで我慢するしかないか。力を入れずに歯を食ひ縛りながら我慢。何を思つたかAコープの前の最安ガソリンスタンドに飛び込んだ。もう限界に近いのに何を悠長にガソリンなんか入れてるんだ。先にAコープでウンコだらうが!アホか俺は。かういふ時に限つてガソリンがなかなか出て来ない。早くしろ。ノズルからガソリンが出るより早く俺からウンコが出るぞボケが!顔面蒼白になりながら何とか堪へ、逃げるやうにスタンドを飛び出し、Aコープの便所のウンコ部屋にダイブ。間一髪。幸先悪い出発だ。今日も不運三昧なんだらうと思つた。

野間の葬式場手前から県道75号線へ。しばらく行くと「竹屋野海岸」と書かれた小さい立て札が出てゐたのでそちらへ。県道75号線から海まで結構近いかと思つてゐたが、ずいぶん距離があつた。延々と続くおおぎ畑を抜けて山を下り、細い道から海へ。ここで泳いではいけませんと書かれた遊泳禁止の看板が出てゐるが、何故か中種子町が設置した簡易便所と更衣室がある。地元の人が草刈りをしてゐた。海は太平洋側なので波が荒い。少し北の方には砂浜が延々と広がつてゐる。その向うには犬城海岸の岩場と思はれる場所が見える。その山の上に見える大量のパラボラアンテナみたいなやつは増田宇宙通信所だらうか。防波堤は増田港だらう。いつか増田港の方から宇宙センターを写した写真を載せたが、その写真にここも写つてゐるだらう。ここは波が激しいので普通の海水浴は危ないだらう。サーフィンには良いかもしれないが、駐車場等は無い。

竹屋野海岸1 竹屋野海岸2 竹屋野海岸3 竹屋野海岸4

県道まで戻り、再び南下。しばらく行くと今度は「おなす海岸」と書かれた立て札が出てゐた。まさかここでハマるとは思つてなかつた。竹屋野海岸みたいにすぐ行けると思つてゐた。立て札に従ひ、おおぎ畑に突入。だがその後どこにも立て札は無い。少し東に出てから道は南に曲がつてずつと真つ直ぐだ。見渡す限りおおぎ畑。このままでは海に出られない。仕方が無いので標識は無かつたが太めの道を曲がつて東へ向かつた。ずつと行くと畑を抜けて山を下り始めた。そのまま海へ出るんだらうと思つてゐたが、下りた先には小さな集落があつた。女州公民館といふのがあつた。女州と書いておなすと読むんだらうか。それならこの辺りにおなす海岸とやらがあるはずだ。しかしどこをどう探しても海に出る道はない。散々探し回つて結局北の竹屋野に向かふ農道しか無い。南の端は山になつてゐておおぎ畑に戻るしか無い。この谷間からは海に出られない。仕方が無いのでおおぎ畑へ戻る。標識が出てゐないと思つてゐたが、最初の標識に従つて真つ直ぐ行つてゐる途中だつた。まだ先なのかもしれない。標識が見つかるまで南に行つてみようと思つた。ひたすら南へ。山の上なので東を見るとおおぎ畑の向うに太平洋が見える。だが海に出る前に道の無い雑木林があつて海に出られない。ひたすら標識を探して南へ向かふ。途中で老夫婦が畑仕事の休憩で道路に座つてゐた。俺の方を不思議さうに見つめてゐる。無視してそのまま進むと、何と300mほどで行き止まりになつてゐた。戻るしかない。老夫婦の視線が痛い。また途中で違ふ道から東へ向かつて下りてみる。だがやはりおおぎ畑の中の細過ぎる道で行き止まりになつてゐる。どの道も畑にしか繋がつてゐない。どこの道からも海には出られない。もつと前まで戻り、公民館があつた方へ下りる道よりもさらに前の道から東へ行つてみた。竹屋野に向かふ農道に出た。ダメだ。海岸へ出られない。10km以上もおおぎ畑の中を走り、大幅なタイムロス。11時の宇宙センター施設案内ツアーに間に合はないかもしれない状況になつた。どこを探してもおなす海岸が見つからないので歯を食ひ縛つて諦めることにした。半泣き状態で県道へ戻る。

しばらく南下し、もうすぐ熊野海岸といふ辺りで下り坂になる。向うに海が見える。その坂の途中で突然左側の山に向かつて「のりはま海岸」と書かれた立て札が出てゐる。入つてみよう。入り口から既に遊泳禁止と書かれてゐる。しかしここがまた激しい道だ。道と言へるんだらうか。細い砂利道が続く。細過ぎて絶対に擦れ違へない。途中から砂利ではなく岩石といふ感じになつていく。こんな場所は車では無理だらう。原付でも通る場所を慎重に選ばねば危ない。パンクしさうだ。これは入り口にバイクを置いて歩いて下りるべきだつたかもしれない。苦労して進むとその先には広大な砂浜が広がつてゐた。大潮の干潮だから普段より潮が引いてゐる。波打ち際まで行くのは相当大変だ。砂に足を取られるから疲労感も凄まじい。まあ波打ち際まで行く必要も無い。しばらく海を眺めたり写真を撮つたりしてから戻ることにした。こんな場所に遊びに来る人はほとんどゐないだらうな。で、ここで悲劇発生。原付のエンジンが掛からん。アホみたいに掛からん。どれだけキックしても無反応。掛かる気がしない。これは拙いことになつた。物凄く遠い場所だ。ここから歩いて帰つたら過労死する。最悪だ。何故いつもかういふ場所でエンジンが掛からなくなるんだらう。何か下り坂がダメな気がしてきた。犬城海岸で死に掛けた時もさうだつた。長い下り坂をエンジンブレーキ全開みたいな感じで下つて行くとエンジンが掛からなくなるやうな感じがする。エンジン切つて下りた方が良いんだらうか。何にしてもこのピンチを脱する必要がある。必死にキックしまくり。アホみたいに無人の浜でキック。ひたすらキック。死ぬぞ。何で俺がこんな目に遭はねばならんのだ。どんなに頑張つてもエンジンが掛からないので諦めて県道まで押して歩くことにした。これは相当キツい。瓦礫の山道の上り坂を原付を押して歩く。瀕死。途中で何度も休憩する。呼吸が激しい。汗が噴き出す。休憩するたびに未練がましくキックしまくる。ダメだ。恐ろしい時間掛けて何とか県道に出た。下り坂が終るまで乗つて下る。

のりはま海岸1 のりはま海岸2 のりはま海岸3 瀕死状態でのりはま海岸からバイクを押して出る砂利道

下り坂が終つたところでどうしようか迷つた。押して歩くか、それともエンジンが掛かるまでキックするか。押して歩くと言つてもどこに向かつて歩くんだ。熊野の近くからどこへ向かふんだ。帰るならまた坂を押して上らねばならん。進むとしても最終的にはいつかは帰らねばならん。何だこの絶望感は。歩くなんてどう考へても無理。エンジンが掛かるまで何時間でもキックしよう。体力が尽きるまで。何回も何回も無心にキック。通り掛かつた車に親切に話し掛けられると鬱陶しいので車が来たら携帯電話を弄つたりして通り過ぎるのを待つ。却つて面倒だから俺に構ふな。気が狂ひさうなほど執拗にキックし続け、じわじわと掛かりさうな雰囲気が出て来た。さらに何度も何度もキックして漸く掛かつた。もう家まで止まりたくない。でも止まらねばならぬ。といふか、まだ午前なのに疲労が激し過ぎて死にさう。

暑い。日差しが強い。日焼け止めを塗るのを忘れてきた。猛烈に不安だ。一度黒くなつてしまへば簡単には日焼けで死ななくなる。7月10日ぐらゐに強烈に日焼けしてから、何度か日焼け止めを塗りつつも効果が切れて少しづつ焼けたりしてかなり黒くなつてゐた。だが、また白くなつて来てゐる。不安だ。黒くなるのは痛みが無いから良いが、赤くなるのが怖い。

熊野海水浴場を通りかかつた。別に用は無いんだが、さう言へば熊野海水浴場の奥まで行つたことが一度も無いなと思ひ、奥まで行つてみることにした。また原付のエンジンが掛からなくなるのが怖いが勇気を振り絞つて止める。砂浜の奥の方で阿嶽川が海に流れ込んでゐる。マングローブのある川だ。その河口近くの岩山の上に灯台みたいな白い建物がある。そこにも行つてみたい。川の近くに看板があつて阿嶽の洞穴と書いてある。洞穴といふのはどれのことだらうか。奥行きが5mの穴なんて無い。目立つた洞穴は無いんだが、取り敢へず周辺を撮影。川には魚がゐる。種類は分からない。食へる魚なんだらうか。河口から海の方を見ると沖には穴が開いた巨大な岩が点在してゐる。種子島の東海岸はどこに行つてもかういふ奇岩だらけな感じだ。

熊野海水浴場1 熊野海水浴場2 熊野海水浴場3 熊野海水浴場4
阿嶽川河口1 熊野海水浴場奥から海水浴場方面を見る 阿嶽川河口2 阿嶽の洞穴看板
阿嶽の洞穴1 阿嶽の洞穴2 阿嶽の洞穴3 阿嶽川河口3
魚の群れ 阿嶽川河口4 阿嶽川河口から海水浴場を見る 阿嶽川河口5
熊野海水浴場南端付近 阿嶽川河口6 阿嶽川河口7 阿嶽川河口8

白い灯台みたいな建物がある岩山につけられた細くて急な階段を昇つてみた。頂上はかなり狭い。しかも手摺りや柵が無い。落ちたら確実に死ねる。高所恐怖症だが下を見下ろして撮影してみたりする。高所恐怖症といふ言葉を敢へて使つたが、断じて怖くはないぞ。ただ下半身に力が入らなくなつてハラワタがモワモワするだけであり、それを端的に表現する言葉が語彙力の貧弱さゆゑに瞬間的に湧いて来ないから、誇張的な表現ではあるが敢へてさういふ言葉を使ふことでモワモワ感のイメージを伝へやすいだらうといふ理由からさう表現したに過ぎず、言葉通り本当に高い所が怖いといふわけでは決してない。高い所に積極的に近づかないのは無意味に命を危険に曝さないためであり、慎重に生きる方が長生きできると信じるに足る理由があるからだ。そして誇らしげに崖つぷちに行きたがる奴を俺はバカだと思つて見下してゐるし、さういふバカが危ない目に遭つても決して助けることはしないと宣言しておく。バカのために自分の命を危険に曝すことは賢い人間のすることではない。他人が崖に近づくだけでもモワモワするのだ。モワモワを解消するために突き落としても良いとさへ思ふ。バカが死ねば楽になれる。俺の目の前で崖に近づく奴は死を覚悟しろ。だが慎重な俺があり得ないハプニングに見舞はれて死にさうになつた時は命を懸けて助けろ。

灯台に登る階段 灯台から見下ろす熊野海水浴場南端付近 灯台から見下ろす阿嶽川河口1 灯台から見る沖の小島
灯台から見下ろす阿嶽川河口2 灯台から見下ろす阿嶽川河口と阿嶽の洞穴 灯台から見る漁港方面の岩に群がる海鳥 灯台

この白い建物が灯台なのか何なのかよく分からんが、ここから熊野海水浴場をほぼ見渡せる。反対側を見れば浜田海水浴場と千座の岩屋が見える。絶景だ。突然の貧血でフラついて倒れても絶対に落ちない距離を保ちながらハラワタがモワモワし続ける。早く下りたい。何で俺はこんな危険を冒して怯えながらこんな場所にゐるんだらう。いや、断じて怯えてはゐないけども。無意味に命を危険に曝して撮影した写真を穴が開くほど見ろ。チキン野郎には一生かかつても撮影できない写真だ。下の写真は左2つが熊野海水浴場、右2つが浜田海水浴場と千座の岩屋方面。千座の岩屋は砂浜の一番奥。鳥居は微妙に見えないが、その近辺の独特な地形は分かる。後で出て来る千座の岩屋の写真と比べてみると良い。

灯台から見る熊野海水浴場1 灯台から見る熊野海水浴場2 灯台から見る浜田海水浴場・千座の岩屋1 灯台から見る浜田海水浴場・千座の岩屋2

水稲早期栽培発祥之地熊野海水浴場を出て少し行くと水稲早期栽培発祥之地といふ石碑がある。これは今まで何度も何度もスルーしてきたが、写真に収めておいた方が良いだらうと思ひ、適当に1枚撮影。観光誌には、日本一早い新米の産地として種子島は全国的に有名です。熊野海岸に近接する中種子町阿嶽浦では昭和11年早期米の栽培に初めて成功し、今日の基礎が築かれました。と書かれてゐる。7月に収穫してゐた米のことか。今年は天候が悪く不作だつたらしい。

もう全然午前の宇宙センター施設案内ツアーには間に合はない。おなす海岸に辿り着けなかつたりエンジンが掛からなくなつたりで大幅に時間をロスした。その上、当初の予定になかつた熊野海水浴場に寄り道をしたりした。これから広田遺跡を見に行くとさらに遅れる。午後の1回目に間に合へば良いが、もしかしたらそれすらも危ないかもしれない。

吉助橋を渡ると南種子町。塩田跡地付近に広がるマングローブ。そこを越えて少し行くと8月に叔父とバイクの叔母とその子供達と観光に行つた時に昼飯を食つた店がある。その先のT字路を左へ曲がると浜田海水浴場と千座の岩屋がある。8月5日に行つた時は満潮ではなかつたと思ふが干潮でもなく、洞窟内には入れなかつた。満潮時に洞窟に入るのは勇気が要る。といふか無謀。干潮時は中を歩き回ることができる。と言つても、あまり行つたことがないので潮汐次第でどうなるか分からない。昨日が新月だつたので今日も大潮。干潮時刻を狙へば相当良い感じだらう。潮汐表も見ずに来た、といふか、最初は千座の岩屋には来るつもりが無かつたのだが、後で調べたところ、この日の干潮は12時39分だつた。写真のExif情報を見ると撮影時刻が9時台になつてゐるが、9時に家を出て色々あつたのに千座の岩屋の時点でそれは明らかにをかしい。2時間ほどデジカメの時刻設定がズレてゐた。まああと少しで干潮といふ絶好の時間帯だつたやうだ。こんな中途半端な季節でも観光客がゐる。レンタカーが多い。どういふ人がこの時期に旅行に来てゐるんだらうか。観光客は若い人ばかり。仕事や学校を休んで来てるんだらうか。千座の岩屋の中にも観光客がゐた。千座の岩屋の中を水着を着ずに歩き回つたのは初めてかもしれない。ほとんど記憶に無いほど子供の頃に波の激しい洞窟内を泳いだ記憶がある。前回叔父や叔母達と来た時は水着ではなかつたので入れなかつた。一寸今回は趣向を変へて、デジカメを動画モードにして録画しながら洞窟内を歩いてみた。海側の手前の穴から入つて浜側の奥の狭い入り口から出る。洞窟内に凄く狭い通路があつたが、真つ暗で足元も見えなくて怖かつたので通らずに回避するヘタレつぷりも記録されてゐる。俺のデジカメは動画をMotionJPEGで記録する。全てIフレームでできたMPEGみたいなものだらうか。2分も無いのに130MB近く容量を食つた。メディアが512MBしか無いのであまり長く録画すると写真が撮れなくなる。といふわけでかなり早歩き。MotionJPEGのままだとCODECが入つてなくて見れない人もゐるかもしれないし、その以前にファイルサイズがデカ過ぎてISDNではUPできないので、家に帰つてからTMPGEncをダウンロードしてビットレートの低い(VBR 1150kbps)MPEGにエンコードすることになつた。それでも18MBぐらゐある。千座の岩屋の洞窟内の映像 ( http://orca.xii.jp/data/dogoo/mov/chikura_cave.mpg ) を見たい人はどうぞ。普通の写真もいつも通り載せておく。

千座の岩屋1 千座の岩屋2 千座の岩屋3 千座の岩屋4
千座の岩屋5 千座の岩屋6 千座の岩屋7 千座の岩屋8
千座の岩屋9 千座の岩屋10 千座の岩屋11 千座の岩屋12

千座の岩屋を去る時にまた新たな観光客が来た。デカいレンタカーで5人か6人の男だけの若者の集団。大学生なのかな。種子島の観光スポットと言へば宇宙センターと鉄砲伝来地の門倉岬と千座の岩屋ぐらゐしかない。鉄砲館といふ博物館も西之表にあるが、遠いので大体観光客が回るのはこの南種子の3ヶ所だらう。夏休みは人が多いが、まさかこんな中途半端な季節にも観光客がゐるとは思はなかつた。千座の岩屋を出てから県道75号線に戻り、宇宙センター方面へ行きかけたが、毎回同じ道を通るのが嫌でまた千座の岩屋の方へ戻つた。千座の岩屋に入らずにさらに奥へ行つてみる。結局は県道75号線に出ると分かつてゐるが、通つたことがない道を通りたい。

広田遺跡石碑しばらく行くと道が分かれてゐる。左へ曲がつて橋を渡る方向に宇宙センター・広田遺跡といふ標識が出てゐる。宇宙センターへ行く場合、これは地雷だ。7月に親と雨の宇宙センターへ行つた日にハマつた遠回りコースだ。真つ直ぐ門倉岬方面へ向かつてから、上中の交差点を東へ下りて来る道と合流してる辺り(以前に写真を載せた波に侵食されたやうにしか見えない岩山がある辺り)で宇宙センター方面へ向かふと楽に宇宙科学技術館へ行ける。まあ広田遺跡方面から壮観な山道を通つて海や射場を眺めたりしながらのドライブも良いけどな。で、今回は広田遺跡が目当てなので標識に従つて山の方へ行く。しばらく行くと広田遺跡公園といふのがあつた。駐車場に原付を停めて奥へ行つてみる。ショボい遊具が1つ置いてあつて便所がある。それだけ。何だここは。一応看板を撮影してみた。大量の人骨が出たりしたらしい。どこで?これではただの狭い駐車場ではないか。どこか近くの別の場所に遺跡があるはずだ。まさか横峯遺跡と同じ状態ではないだらう。

広田遺跡看板少し周囲を歩き回つてみたら、砂浜に向かつて広田遺跡といふ立て札が出てゐた。砂浜にあるのか。遠くに大崎射場が見える。波は割と穏やか。海水浴場ではないが、遠浅みたいだし、波も荒くないので良い場所かもしれない。浜に下りてしばらく進む。木の杭に広田遺跡発掘現場と書かれたのがあつた。ただそれだけ。他には何も見当たらない。その丘に登つてみたりもしたが、松の苗を植ゑてビニールのカバーがしてあるのが並んでただけ。発掘跡をそのまま残してあるわけではないやうだ。結局横峯遺跡と同じか。ここで発掘されましたよ!といふだけのこと。折角なので海岸を歩き回つて宇宙センターを写したりした。ロケット発射をここで見れたら最高だらうな。発射時は半径3km以内が立ち入り禁止になるからここには来れないけども、5日ぐらゐ前からテントや食料を持ち込んでこの浜に潜んでゐれば大丈夫な気がする。

広田遺跡のある砂浜1 広田遺跡のある砂浜2 広田遺跡の浜から見る宇宙センター大崎射場 広田遺跡発掘現場
広田遺跡発掘現場の土手の上から浜を見下ろす 広田遺跡の浜から見る宇宙センター大型ロケット組立棟 広田遺跡の砂浜から見る宇宙センター大崎射場方面1 広田遺跡の砂浜から見る宇宙センター大崎射場方面2

予定よりもずいぶん遅くなつたが後は宇宙センターへ行くのみだ。結構良い時間になつた。宇宙センターの敷地内に入つてから宇宙科学技術館まではかなり遠い。宇宙科学技術館はこちら側から行くべきではない場所にある。反対側からの方が楽に行けるのだ。しばらく宇宙センター内を進み、大崎射場の入り口が見えた。もしかしてこのまま入れるのか?と思つたが、関係者以外立ち入り禁止になつてゐた。ここは8月5日の施設案内ツアーでも入つた。打ち上げ準備中だつたから大型ロケット用の大崎射場までは行けなかつたが、中型ロケット発射台までは行けた。案内ツアーのバスぢやないと一般人はここへは入れないらしい。まあゲートが閉まつてるといふわけではないから、怒られるのを覚悟で進入することはできる。

道が二手に分かれてゐた。竹崎射場方面と茎永方面。茎永へ行くと県道75号線に出るだらう。竹崎射場は宇宙科学技術館方面だ。竹崎方面は以前に親と車で通つた。だから今回は茎永方面へ行つてみる。と強がつてみたが、ただ道を間違へて遠回りしてしまつただけ。ガソリンスタンドの横から出て県道75号線に合流し、波に侵食された岩山のところから通常コースで宇宙科学技術館へ向かふ。本当にただ遠回りしてきただけだ。だが無事に宇宙科学技術館へ辿り着いた。今夏3回目。今夏?夏?もう10月中旬なのに夏の感覚なのが凄いな。すげえ暑いし半袖だし。

宇宙センター施設案内ツアー2回目は13時半から。30分前までに受付をしないと参加できない。時計を見たら12時50分。危ねえ!科学技術館の来館者の記帳をしてツアーの空きを一応聞いてみる。当然だがまだ空いてるらしいので参加する。参加チケットを貰つて展示室へ。案内ツアーは13時20分に受付に集合だとさ。それまでは展示を見て時間を潰す。30分あれば十分だらう。全てを細かく見てゲームで遊んだりすると30分では全然足りないが、もう何度も来てるので30分で十分だ。展示室を出て土産物屋を見たり休憩所でジュースを飲んだりする。千座の岩屋にゐた2人組の観光客がここにもゐた。動画や写真に少し写つてゐる緑色のカップル。やはり行く場所は少ないんだな。案内ツアー参加者は集まれと館内放送があつたので行つてみた。参加者は何と6人。危ないな。1人だつたら地獄だぞ。ガイドとマンツーマンで1時間とか、どんな拷問ですか?想像したくもない。外で待つてるバスを見てビックリ。8月に行つた時は結構デカいバスだつたが、今回はすげえ小さいバス。

宇宙科学技術館前の広場にあるロケット模型 宇宙科学技術館付近の風景 宇宙科学技術館 宇宙科学技術館入り口付近
宇宙科学技術館展示物1 宇宙科学技術館展示物2 宇宙科学技術館展示物3 宇宙科学技術館展示物4
宇宙科学技術館展示物5 宇宙科学技術館展示物6 宇宙科学技術館展示物7 宇宙科学技術館展示物8

ツアーでどこを回るかの説明を聞いて衝撃を受けた。狙はれてないと思へる要素がダニの糞ほどもない。普段は大崎射場まで行くが、打ち上げの時や作業中はロケットの丘から見ることになる。残念ながら今日はたまたま作業中なので射場までは行けませんだとさ。あり得ん!昨日や明日ならOKだつたのにピンポイントでダメな日に来てしまつた。ウンコ漏らしさうになつたりエンジンが掛からなくなつたり激しいハプニングを乗り越えて苦労して来たのに。これでもまだ狙はれてるといふのが錯覚だと思ふか?泣くぞコラ!大崎射場のみが目的でここまで来たんだよ!屠り殺すぞボケが!!ダニの糞を食べるバクテリアの糞ほども無い。

ガイドは8月に来た時と同じ人だつたが、8月は2人ゐて今日は1人。内容は同じ。ロケットの丘で射場を見たりする。参加者が今日は何故射場に行けないのか聞いてゐた。今日は燃焼試験があるからダメらしい。射場のすぐ近くの施設で試験中なんだと。参加者は中年の男2人と女1人の3人組と、20代ぐらゐの男2人組と、俺。3人組は何だかリーマンみたいな格好だつた。社員旅行の下見か何かで来たんだらうか。それとも教師で修学旅行とかの下見なんだらうか。一般人の観光ではあんな格好で来ないだらう。スーツ着て上着だけ脱いだみたいな感じだ。若い2人組はビデオカメラを持つたりしていかにも観光客だが、どこから来たんだらうか。遠くから来て射場まで行けないといふショックは俺よりデカいかもしれんな。

バスから見る宇宙科学館周辺の風景1 バスから見る宇宙科学館周辺の風景2 ロケットの丘から見る大型ロケット発射台 ロケットの丘から見る中型ロケット発射台とロケット組立棟
ロケットの丘から見る大崎射場方面の風景1 ロケットの丘から見る大崎射場方面の風景2 ロケットの丘から見る大崎射場方面の風景3 ロケットの丘から見る大崎射場方面の風景4

バスで中型ロケットの発射台へ。元は白かつたが錆びて少しウンコ色になつてゐる。そのそばに打ち上げ時に何かの操作をするための施設がある。地下にあるんだが、発射台が近過ぎるので分厚いコンクリートの天井の上にさらに土を被せて小山になつてゐる。さういふ説明を受けてそのままバスで引き返す。

バスの中から見る中型ロケット発射台 バスの中から見る大型ロケット発射台 気象塔とか地下施設の山とか 気象塔

次はH-IIロケット7号機の実機が展示されてゐる場所へ。8月5日と同じ。断熱材のオレンジ色とか、先に打ち上げた8号機がエンジントラブルで失敗し、開発中のH-IIAロケットに専念することにして破棄された7号機がここに展示されてゐるとか。8月に来た時は南種子のロケット祭のポスターが貼つてあつたが、さすがに8月の祭のポスターはもう剥がされてゐた。

H-IIロケット7号機1 H-IIロケット7号機2 H-IIロケット7号機3 H-IIロケット7号機4

司令棟へ。打ち上げ時に色々やる場所。種子島宇宙センターの役目はロケットを打ち上げるだけ。打ち上がつた後のことは筑波の方でやるらしい。司令棟を出てから宇宙科学技術館へ戻る間も色々と説明がある。H-IIロケットのHは何のHだか分かりますか?とかガイドが聞いても誰も答へない。日本人はかういふところでは発言しない人種なのだ。ガイドも客が答へないのを分かつてても質問しなければならないやうになつてゐるんだらう。ツアーが始まつてから色んな質問を客に投げ掛けてゐたが、6人しかゐない全ての客に完全無視されて気まづい空気。ちなみにHは水素。H-IIロケットの前に打ち上げられてゐたJとかNとかのロケットはJAPAN、NIPPONの頭文字。常々思つてゐるのだが、ニッポンとニホンはどちらが正しいのですか?考へると夜も眠れない。最後に何故種子島に宇宙センターがあるかといふ説明。赤道に近い方が地球の自転の力を利用できて良いから、日本の中で可能な限り南が良いといふことがまづ1つ。その当時はまだ沖縄がアメリカの植民地だつたから沖縄は選択肢に無かつた。あとは発射場の南東方向が海で安全といふこと、他所で製造した巨大ロケットを船で運べること等、色々な条件に一番合つてゐたのが種子島だつたといふことらしい。ちなみに宇宙センター近海は遠浅なので船で直接宇宙センターまで来れない。愛知の三菱重工で製造されたロケットは3日かけて島の南西側にある島間港まで来る。そこからは時速4kmで一般道を通つて宇宙センターまで運ばれて来る。一般人の迷惑にならないやうに深夜から早朝にかけて運搬される。信号機等は回転するやうに作られてゐてロケットを運ぶ時には邪魔にならないやうに動かすらしい。種子島には信号機自体がほとんど無いけどな。標識や看板は最初から邪魔にならない高い位置に設置されてゐるらしい。島間港からどの道を通つて来るんだらうか。険しい道ばかりだぞ。横峯遺跡を通つて上中経由だとその後に凄いグネグネ曲がつた下り坂があつて大変だらう。その近くにデカい道路を建設中だが、道路が新しくなつたらそこを通るのかもしれない。今はそこは通らないのではないかと思ふ。では門倉岬を回つて来るんだらうか。それでも七色坂とか険しい道路がある。といふか、相当遠回りだ。30mぐらゐに分割された直径4mのロケットを運ぶから、急カーブ等があると厳しいと思ふ。でもやはり時速4kmで深夜に運ぶとなると最短距離で運ぶだらうと思ふ。やはり横峯遺跡の脇を通つて上中に出て県道586号線を通つて茎永方面へ出て、宇宙科学技術館の前を通つて大崎方面へ向かふのかな。次の機会に聞いてみるか。結局今回も大崎射場へ行けないといふ悲劇的な結末。

司令室1 司令室2 司令室3 司令室4

宇宙科学技術館に戻り、宇宙科学技術館の前にあるカーモリの峯といふ小山に登つて写真を撮つた。それにしても今日は疲れた。ずいぶん酷い目に遭つた。やはり狙はれてるから外に出ると必ず酷い目に遭ふ。腕がヒリヒリする。微妙に赤い。これは家に帰つてから強烈に痛み始めるだらう。さて、もうすぐ15時。18時には日が落ちるからあまりのんびりできない。宇宙科学技術館の前に広がる広大な芝生や遠くに見えるマスコミ用の打ち上げ見学場所等、まだ行つたことがないところにも行つてみる必要がある。それにしても、この近辺の海は滅茶苦茶綺麗だ。透明度が高い。行つたことないけど沖縄みたいだな。

カーモリの峯からの風景1 カーモリの峯からの風景2 カーモリの峯からの風景3 カーモリの峯からの風景4

まづはロケットの模型が置いてある広場へ。デカいな。実物大なのかな。ツアーに参加してゐた2人組が模型と一緒に記念撮影してゐた。そして車でマスコミ用の見学場へ去つて行つた。俺は模型を撮影してから別の方へ向かつてみた。芝生の奥にはJAXAの何かの施設があつただけだつた。

宇宙科学技術館の外の景色 JAXAのロゴの形に刈られた植木 広場のロケット模型1 広場のロケット模型2
広場のロケット模型3 広場のロケット模型4 広場の風景 広場のロケット模型5

戻つて竹崎観望所といふマスコミ用の施設へ。宇宙センター広いな。南国風の木と芝生と綺麗な海と奇岩。世界一美しい宇宙センターと言はれてゐるらしい。竹崎観望所に向かふ間、風に舞ふ砂が目に入つたりして大変だつた。砂の粒が細かい。駐車場に原付を停めて建物へ。記者会見等に使ふ建物内部には入れないが、横にある階段を昇つて屋上まで行ける。屋上はマスコミ用の撮影場所になつてゐるが、地面や柱にガムテープを貼つたりして各テレビ局がみつともない場所取りをしてゐる。これは早い者勝ちではなく区画を買つてるのかもしれんな。先程の2人組の観光客が疲れたのか座り込んでゐる。俺も死ぬほど疲れてゐる。意外と高い建物で急な階段だつたから死にさうだ。そもそも、のりはま海岸で原付を押したところから瀕死状態だ。今生きてゐるのが不思議なぐらゐだ。相当歩いた。熊野でも灯台の山に登つたり広大な浜を歩いたし、千座の岩屋でもかなり広い砂浜や洞穴を歩いた。広田遺跡の砂浜でも歩いたし、もう疲労が激し過ぎる。砂浜を歩くのは相当疲労する。本当に生きてゐるのが不思議なぐらゐだ。半年前の俺だつたら既に死んでゐる。

竹崎観望所からの風景1 竹崎観望所からの風景2 竹崎観望所からの風景3 竹崎観望所からの風景4
竹崎観望所からの風景5 竹崎観望所からの風景6 竹崎観望所からの風景7 竹崎観望所からの風景8
竹崎観望所からの風景9 竹崎観望所からの風景10 竹崎観望所からの風景11 竹崎観望所からの風景12

竹崎観望所の裏に漁港があつた。そんな場所に漁港があつたんだな。屋上から見ると相当透明度が高いのが分かる。周辺の海が凄く綺麗だ。浅い場所はエメラルドグリーンの透明。深い場所は濃い青だがかなり深い場所も見える。何故か波も荒くないみたいだし、種子島で海水浴するならここが良いかもしれんな。漁港に下りてみた。やはり透明度が高い。結構深いのに底までクッキリ見える。こんなところにもウニがゐる。ウニは高級品だが、良さが分からない。高いだけで美味くない。潜つて捕つて割つて洗ふといふ労力を割いてまで食ふやうなものでもなからう。牧川の海でも潜れば見渡す限りウニばかりだが、わざわざ捕つて食はうとは思はん。何が良いのかサッパリ分からん。あんな物が高いといふのが理解できん。ゴミみたいなもんだらう?他に食ふ物が無ければ食ふだらうが、わざわざウニを食はうとは思はんな。まあ世の中にはゲテモノが好きな人はゐるからな。透明度が高いから魚も見える。牧川港や浜津脇港や甲女川でも見た、藻を食ふ名前の分からん魚の群れ。他には種子島でよく見る黄色と白の体に黒い縦線の入つた熱帯魚みたいなやつ。いや、黒地に白や黄色の模様なのかもしれない。クサビはゐないやうな感じ。ここら辺の海は凄く良い場所だな。沖の瀬に渡れば大物も釣れるらしい。海水浴もダイビングもここら辺は凄く良いだらう。宇宙科学技術館を出てすぐの場所にいわさきホテルといふ結構デカいリゾートホテルがある。種子島で贅沢したいならここに泊まれば良いと思ふ。

竹崎漁港1 竹崎漁港2 竹崎漁港3 竹崎漁港4
竹崎漁港5 竹崎漁港6 竹崎漁港7 竹崎漁港8
竹崎漁港9 竹崎漁港10 竹崎漁港11 竹崎漁港12

帰りに南種子市街地の上中にある河野書店に寄つて行くつもりだつた。松浦亜弥のアルバムを買はねばならん。種子島でCDが手に入る店は西之表のサンシードとGEO、それから南種子の河野書店の3店舗のみだと思ふ。他にあつたら教へて欲しい。河野書店以外はフラゲ日も発売日も売つてなかつた。あとは河野書店を頼るしかない。ここで手に入らなければAmazonで買ふか、可児に帰つてから買ふしかない。さうまで必死になるほど欲しいのか?と侮蔑を込めて嘲笑してゐるお前らはきつと人生において多大な損をしてゐると思ふ。可哀想な奴らだ。

どの道を通つて上中へ行くのが良いだらうか。最短で最も楽なのは県道586号線。上中の交差点の東側へ出て来る道だ。だがそこは何度も通つた。まだ通つてない道を通りたい。できれば宇宙ヶ丘公園を真つ直ぐ南に行つたところから出て来たい。そこはまだ通つたことがない。取り敢へず宇宙センターを出て門倉岬方面へ向かふ。門倉岬へ辿り着く前に、宇宙ヶ丘公園に出る北へ向かふ道があるはずだ。少し行くと標識が出てゐた。左へ行くと門倉岬・ドラムエルタン号漂着地、右へ行くと上中。ここかな?もう少し門倉岬方面へ行つてからのやうな気がするんだが、まあ通つたことが無い道だから行つてみることにした。ずつと行くと、河内温泉センターに出た。失敗だつた。上中の交差点を東へ下りてしばらく行くと、右側に河内温泉センターの看板が出てゐて細い道が繋がつてゐる。そこから出て来てしまつた。結局県道586号線に出て上中の東側から出てきた。

交差点を左折して南へ向かひ、河野書店へ。CDコーナーを目指す。あつた!つひに松浦亜弥のニューアルバム「ダブル レインボウ」が手に入る!このCDを買ふためだけに一体何十km走つただらうか。だがつひに勝利を収めた。種子島でCDを買ふなら予約した方が良いといふことを思ひ知らされた。CDを買ふだけでは何となく勿体無いので本を立ち読み。長時間の立ち読みはご遠慮くださいと書かれてゐる。短時間なら良いのか。短時間を複数回重ねると長時間と同じことだが良いのか。まあ俺には関係無い。読まれたくなければ紐で縛つておけ。釣り雑誌コーナーで良い物を見つけた。鹿児島の海の航空写真と季節ごとにそこで釣れる魚等が書かれてゐる釣り場情報の本。3ヶ月早く見つけてゐれば良かつた。種子島も相当広範囲に渡つて掲載されてゐる。叔父や従弟と7月に釣りに行つた深川の岩場はブダイが釣れる場所として載つてゐた。牧川周辺は釣りには向かないと思つてゐたが、牧川周辺でも沖に出ればそこそこ狙へるらしい。それよりも、浜津脇港が実はかなり良い場所だつたと判明した。漁師に頼んで沖の堤防に渡ればかなり良いやうだし、港内でもいける。そんな良い釣り場が近所にありながら一度も釣りに行つてゐないといふこの体たらく。死ね俺。割と近い住吉もかなり良い釣り場のやうだ。宇宙センターの周りや門倉岬や犬城海岸の辺りまで載つてゐる。といふか、島の外周ほぼ全て掲載されてゐる感じだ。これは買つて祖母の家に置いておくべきかもしれない。次に島に来た時にこの本が売られてゐる保証は無い。チャンスを逃すな。でも3600円ぐらゐするので躊躇ふ。どうせ来週帰るし、それまで釣りにも行けないし、今買つても無駄だから諦めた。次に来た時に買はう。

帰りは本屋を出て南へ。宇宙ヶ丘公園の前を通り、ひたすら南へ。この道を通らずに可児に帰るわけにはいかん。しかしもう夕方だ。昼は暑かつたのに何故か夕方になつた途端、急激に寒くなつてきた。半袖が初めてつらいと思つた。風も強くなつて来た。南へ抜け、県道75号線を門倉岬方面へ向かふ。トンボが大量に飛んでゐて、バイクで走るとアホみたいに激突して来て痛い。朝から何十回トンボミサイルを食らつただらうか。蜂ぢやないからまだ良いけどな。門倉岬の入り口まで行つてしまつたが、そこへ行くしか無いだらう。75号線に出たところを左に行くとまた586号線から上中に出るか、熊野の方から遠回りして帰らねばならん。まあ門倉岬から回るのも同じぐらゐ遠回りだけどな。といふか、現在地がアホみたいに家から離れてゐる。名古屋から可児に帰るやうなものだ。リミッター付きの原付で名古屋から可児なんて相当大変だぞ。考へるだけで気力も萎える。気力が萎えるのは無駄な疲労と寒さのせゐ。

西海岸を眺めながら島間港方面へ向かふ。島間港の待合所で原付を止め、太陽丸乗船券売り場といふ文字を確認してから港を出る。やはり屋久島へ行くフェリーの太陽丸はここで切符を買ふやうだ。9月の終り頃に屋久島へ行かうと思つてゐた。そのために島間港周辺をウロついたりしてゐた。祖母の具合が悪くていつどうなるか分からんからしばらく行くのをやめておけと親に言はれてそれに従つた。奇数日に行くと午前中に屋久島に行けるので21日か23日に行かうと思つてゐた時だつた。行かなくて良かつた。21日の午後に祖母の具合が急激に悪化し、22日には一度良くなつたが、結局23日に亡くなつてしまつた。屋久島へ行つてゐたら大変なことだつた。まだ祖母は大丈夫だらうと甘く見てゐたのは俺だけだつた。21日に病状が急変して、医者にこのペースで悪くなつて行つたらあと2・3日で危ないと言はれてもその後一時的に良くなつたのを見てまだ大丈夫だとバカみたいに思つてゐた。親が岐阜に帰るのをやめ、親戚が遠くから続々集まつて来るやうな状況でも1人でバカみたいに観光してゐた。南種子方面に観光に行つた序でに見舞ひに行つたりしてゐた。

島間港を出て屋久津方面へ。とにかく北を目指すしかない。何か昨日も同じ道を通つたやうな気がする。長浜海岸の南端から遥か遠くの牧川方面を眺めた。いつになつたらあそこに辿り着けるんだらう。満足山方面へ抜け、国道58号をただ真つ直ぐ北上して帰つた。遠い。遠過ぎる。寒い。昼まで灼熱地獄だつたのに夕方は常時鳥肌全開。早く帰りたい。何で急激にこんなに寒くなつたんだらう。何とか日が落ちる前に家に帰り着いた。今日だけで135kmも走つた。アホか。長い1日だつた。

家に帰り、デジカメの画像をPCに取り込む。そして千座の岩屋の動画を日記にUPすることにした。ファイルサイズがデカいのでエンコードしないといけない。まづはTMPGEncといふソフトをダウンロード。激しく懐かしい。昔は毎日のやうに動画をエンコードしてゐた。TMPGEncをダウンロードするだけでもISDNでは大変だ。苦労してTMPGEncを落とし、早速千座の岩屋の動画を読み込・・・めない。対応してゐない形式だとさ。何故だ。メディアプレーヤーで再生は普通にできるからCODECが無いわけではないだらう。Googleで検索してTMPGEncでも読めるやうに設定を変へ、エンコード開始。2パスでエンコードしたが、ノイズ除去等のフィルタは使はなかつたのでかなり早くエンコードできた。エンコ後のファイルサイズは18MB。ナローバンドではこれだけ上げるのも一苦労だ。どうせほとんど誰も見ないのに。まあUPすると決めたからにはUPせねばなるまい。といふわけで、FFFTPでアップロードを開始して放置。

晩飯の時に見てたTVで赤福の製造年月日偽装のニュースをやつてゐた。8月8日に弟が来た時に赤福が食ひたくて買つて来させたが、あれも偽装されてゐたんだらうか。偽装されてゐてもされてゐなくても違ひが分からない鈍感な舌なので問題無いと言へなくもない。偽装されても腐つてゐたわけではないが、一度冷凍して解凍したことで確実に味が落ちてゐるのに、それに全く気付けなかつた自分の味覚の弱さが腹立たしい。これは本当に美味い物を食つてもその真の良さが分からないといふことだから、人生の大半を無駄に過ごすのに等しい。敏感で繊細な味覚が欲しい。まづはウニの良さを分かるやうになれよ!とか俺を見下して嘲笑してるお前らの顔がディスプレイに浮かび上がつてゐるよ。汚え笑顔だな。

日焼けが痛い。腕が真つ赤だ。シャワーでお湯をかけると泣きさうになる。風呂から出て洗面所の鏡を見て叫びさうになつた。日焼けで顔まで真つ赤になつてゐるが、眼鏡を掛けてゐたせゐで逆パンダになつてゐる。これは拙い。このまま黒くなつたら大変だ。人前で眼鏡を外せなくなる。レンズに薄つすらとウンコ色のインクを塗つておかねばならんかもしれん。

夜遅く、JALとANAのサイトを見た。そろそろ帰る日を決めて飛行機のチケットを手配せねばならん。今の季節はJALの鹿児島から中部の便が少ないので無駄な待ち時間がある。待ち時間を無くすと夜遅く帰ることになる。鹿児島から中部はANAで帰ると良い。種子島から鹿児島はJACしか無い。ANAだけで行ければ色々楽なんだけどな。ANAは7日前までに買ふと安くなる特割7といふ割引がある。それが一番安い。数ヶ月前に買ふやつならもつと安いのもあるが、来週辺りに帰るならこれが最安だ。特割7で買ふなら19日以降だ。乗る予定の12時半の飛行機は19日以降どれも今のところ空いてゐる。次にJACを調べてみた。何故か19日の朝一の便だけ満席。何故?こんな中途半端な時期の平日に何故その日だけピンポイントで満席?その前後は空席だらけなのに。土日ですら空きまくりなのに。何故19日の朝だけ埋まつてるんだらう。19日に鹿児島で何かあるのか?種子島人がわざわざ飛行機で大量に島外に脱出せねばならん何かがあるのか?意味が分からん。午後の飛行機は空いてるんだけどな。どうやら帰るのは20日以降になりさうだ。20日にするか。そろそろ決めないといつまで経つても帰れない。まだ種子島に未練がありまくるが、ここで勇気を振り絞つて決断することにした。一度帰つたらもう来れないかもしれない。手が震へる。帰ればまた地獄のやうな日々だ。歯を食ひ縛つて半泣き状態になりながら20日の飛行機を予約した。だがまだだ。まだ予約だけで購入はしてゐない。ここから先がなかなか踏み出せない。これをやつてしまふと帰るのが確定してしまふ。今ならまだ間に合ふ。もう少し滞在を延長しても良いではないか。どうしても帰らねばならん理由など無いのではないか?でもここは俺の居場所ぢやない。いつかは帰らねばならん。アメリカに向けた核ミサイルの発射ボタンなら押せるが、この飛行機チケットの購入ボタンが押せない。ここまで来てまだ悩むか。これを買つてしまつたら全てが終る、そんな気がして最後の決断ができない。だがやるしかない。いつかは必ずやらねばならん。長引けば長引くほどますます決断できなくなる。今ならまだ諦めて帰ることもギリギリ可能だ。こんなに悩むことも珍しいな。もう良か。可児に戻る。さらば種子島。20日土曜のチケットを購入した。

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公開日時不明
本文文字数35751文字 (タグ込み)
URLhttps://orca.xii.jp/br/diary/diary.cgi?id=dogoo;date=20071012
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