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犬土偶日記

海の近くに住みたい

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2007年09月26日

犬土偶旅行記 86日目 続々と帰り始める

公開日時: 不明

弟が朝一の飛行機で帰る。昨晩にネットで飛行機のチケットを手配してゐた。猫の叔母の旦那さんと従弟も午後に帰るやうだ。みんな急激に来て急激に帰つて行く。弟を空港に送つて行く時に見送りに行くことにした。空港に行つてみると、飛行機のチケットが確保できてゐないと言ふ。予約確認のメールを見せたりしてゐたがダメらしい。よく聞くと、出発前日までに発券しないとダメなやつだつたらしい。前日の夜遅く予約したやつを当日中とか絶対無理だらうが。アホか。でも何とか席を確保して貰へたやうだ。普通の席ではなく、緊急用の補助席みたいなやつだらう。何とか無事に帰れるやうだ。俺の荷物も少し持つて行つて貰ふことにして本を3冊ほど渡しておいた。無駄に重くなつたな。俺が帰る時に送る荷物の送料が少しでも安くなれば良いと思ふのですよ。

空港で親が土産を買つて弟に渡してゐた。ますます荷物が増えたな。弟を見送つてから空港を出た。帰りに西之表に行つて買ひ物をするらしい。空港を出て左に行くと、浜津脇方面と西之表方面に道が分かれてゐる。浜津脇方面に行くと祖母の家の近くに出る。西之表方面へずつと行くとわかさ公園の裏まで繋がつてゐる。祖母の弟とか肺癌の親戚とかが住んでゐる古田といふ地域もそちらの方にある。この道は通つたことがない。島の大きい道路は大体通つたんだが、ここはまだ通つたことが無かつた。いづれ通らうと思つてゐたが、色々あつて今まで通らずに過ごして来た。そこを車で走つて西之表まで出る。途中にトンネルがあつた。空港の滑走路のトンネルしか無いと思つてたのにこんなところにも普通のトンネルがあつたんだな。

サンシードで買ひ物をするらしい。丁度良い。YUIの新譜の発売日だ。親達は1階で食料品の買ひ物だが俺は3階に上がつて本屋の隅のCDコーナーを見る。売り切れ。発売日の午前で売り切れか。仕方が無いので1階に戻つて食料品を買ふ。買ひ物を終へて外に出たら何故かバイクの叔母がゐた。従妹と一緒にバスで来たらしい。能野にある叔母の旦那さんの墓参りのために花とかを買ひに来たやうだ。序でなので叔母達を乗せて帰ることになつた。その前にサンシードの酒屋で酒を買ふ。また夜に酒飲みの親戚達が来ることになつてゐるらしい。

能野の墓地に寄つて墓を参る。命日が9月24日らしい。祖母と1日違ひ。東京方面から何度も法事等に来るのが大変だから一度に両方できるやうに祖母がタイミングを合はせてくれたのではないかと親が言つてゐた。俺はバイクの叔母の旦那さんには一度も会つたことがない。だがその親戚にはバイクのこと等で色々と世話になつた。墓地でセミを捕まへた。門倉岬に行つた時に撮影したあのセミ。種類は全く分からない。ネットで調べても分からない。外見はツクツクボウシに激似なんだが鳴き方が全く違ふ。あのセミは何なんだらう。

叔母達が能野の親戚に挨拶に行く間、近くの道路に車を停めて待つ。能野の港は牧川港より小さいが、釣りをするには良ささうな港だ。結局種子島に来てほとんど釣りもしなかつたな。もう釣りはできさうにない。身近な人が死んだら海や山へ行つてはいけないらしい。連れて行かれるとか何とか。盆に海に行くと引き摺り込まれるとかいふのと同じやつか。色んな人に言はれた。海にも行くな。山にも行くな。釣りもダメ。屋久島も行くな。民宿を貸してくれる予定だつた親の同級生もしばらくは止めておいた方が良いと言つてゐたらしい。安い民宿も借りられない。開聞岳も登るなと言ふ。それだけでなく可児に帰つて鳩吹山に登るのも止めておけと言ふ。ここでみんなが止めろと言ふのを振り切つて海や山へ行つて何かあつたらまた色々言はれるだらう。何も起こらなくてもあれこれ言はれるかもしれない。釣りがダメといふのが激しくつらい。丁度大潮の時期なのでナガラメでも捕りに行かうかと思つてゐたんだが、そんなのは論外といふ状況だ。海へ散歩に行くことすらダメだと言はれてしまつた。

叔母と従妹が戻つて来たので家に帰る。午後には猫の叔母の息子と旦那さんが帰る。叔母の旦那さんは飛行機が怖いらしい。来る時も新幹線と船だつた。帰りも船と新幹線らしい。昨晩ネットで船の時間を調べてゐた。猫の叔母とその娘はレンタカーを借りに行つたらしい。猫の叔母の前の旦那さんの親が種子島にゐるやうで、そこに行つたりするために車を借りるらしい。人が多いから車1台では大変だな。どんどん人が減つて行くな。折角来たんだから1週間ぐらゐ仕事休んで遊んで行けば良いのにと思ふが、普通に働いてる人には無理なんだらう。それに海に行つてはいけないので遊ぶと言つても宇宙センターに行くぐらゐしかできない。今日帰る従弟にバンドのサイトのURLを教へておいた。いづれ従弟のバンドと何かやることになるかもしれない。Debugの宣伝活動も密かにしておくのですよ。

夕方に猫の叔母の旦那さんと従弟が帰つた。ウンコに刺さつた携帯電話はビニール袋に入れたまま持ち帰つた。あの携帯電話がその後どうなつたのか猛烈に興味がある。あと何人残つてゐるんだらうか。明日には残つた人もほとんど帰る。

夜に飲みに来るはずだつた親戚達は来なかつた。漸く葬儀も終つてみんな一息ついてるところだから行くなと家族に言はれたのかもしれない。酒を飲むのを楽しみにしてゐた人達には一寸残念な感じ。でも家にゐる酒飲みだけで酒を飲む。バイクの叔母の娘が何故かあまり飲まない。昨日酔ひ過ぎて色々言はれたことを気にしてゐたんだらうか。オッサンみたいだと言つてスマンかつた。でも昨日は本当に凄い酔ひ方だつたしな。弟にビールを勧めたこととか全然覚えてゐないらしい。俺は記憶が飛ぶほど飲んだことは無いから酒で記憶が無くなるといふ感覚がよく分からない。記憶が飛んだのを良いことにみんなあること無いこと言つて従妹を脅かしてゐた。ビール瓶を持つてラッパ飲みしてたとか何とか色々と。さういふことを言はれたから醜態を晒さないやうに飲む速度を加減してあまり飲まなかつたのかもしれない。気にせず豪快に飲めば良いのに。

叔父もビールを飲んで酔ひ気味だつたが、祖母の子供が全員集まる機会など滅多に無いから、親がこれからの話し合ひをしようと言ひ始めた。祖母はサトウキビの農業をやつてゐたが貧しかつた。3tで18万円らしい。1人で3t出すのに何週間掛かるか分からん。収穫だけでなく1年中肥料を撒いたり雑草を取つたり世話をしないといけないから全然割に合はんだらう。他の作物は半分趣味みたいな物で、自分が食ふだけで出荷したりはしなかつた。収入はサトウキビと年金のみ。財産はほとんど何も残つてゐない。だから財産分与で揉めるといふことはほとんど無い。祖母はまだ元気なうちから自分が死んだ時のことを話してゐた。自分に迫つてゐる死を予感して話してゐたのではないと思ふ。やる気満々で来年の作物の準備をしてゐたから本人もこんなに早く死ぬとは思つてなかつたはずだ。郵便局の簡易保険と朝日生命に保険を掛けてあるらしい。葬式の金はそれで出せと言つてゐた。墓は叔父がどこかに落ち着いて定住するまでは寺に預けておいて、どこに家を建てるか決まつたら祖父の墓と一緒に叔父の近くに納骨堂を建ててくれと言つてゐた。屋久島に行つた時には、保険で残つた金の半分を叔父にやつて残りを4人で分けろと言つてゐたらしい。それは俺や叔父は聞いてなかつたが屋久島に行つた叔母や親がさう聞いたらしい。墓を建てる金とか墓を守つて貰ふとか、さういふことで叔父に多くやると言つたんだらう。まあ俺には関係ないので酒を飲みながら親達の写真を撮つたりしてゐた。香典は100万近くあるやうだ。普通は香典は喪主の物だが、叔父は保険の残りとか僅かな預金の残りと合はせてそれで葬儀代や法事等に使ふつもりのやうだ。香典だけで葬儀代のほとんどは賄へさうだが香典返しで3割か4割ぐらゐ消えるのかもしれない。3回忌までは祖母の残した保険等で全て賄ひ、残つたらみんなで分けるといふことで折り合ひが付いたやうだ。法事のための交通費もそこから出すらしい。その後の法事は自分達で金を出すといふことらしい。畑はどうなるのか知らん。家は当面は叔父が休職中なので奄美と種子島を行つたり来たりして残しておくやうだが、将来的にどうなるかは分からない。借家にするとサーファーが喜んで借りるらしいが、人に貸すとみんな種子島に来れなくなるから人に貸すことはないだらうと思ふ。親戚みんなで別荘みたいにして使ふことになるのかもしれない。しかし常に人が住んでゐないと一瞬で朽ち果てると思ふ。人が住んでゐても毎日凄い量の蟻がゐる。薬を家の周りに撒いたり毎日殺虫剤で殺したりしても凄い量だ。放置したらあつと言ふ間に虫にやられると思ふ。

かなり時間が経つてから日記を書いてゐるので忘れてゐる。無理して当日に書いておけば良かつたかもしれない。

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公開日時不明
本文文字数3750文字 (タグ込み)
URLhttps://orca.xii.jp/br/diary/diary.cgi?id=dogoo;date=20070926
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