海の近くに住みたい
公開日時: 不明
今日もハエに起こされた。起きてすぐ俺の寝床付近にゐた4匹を華麗に屠り、居間でもサクッと殺戮。台所に行つたら祖母が昨日貰つた魚を捌いてゐた。そのおかげで獲物が大量だ。バシバシ叩きまくつて短時間で20匹以上殺した。それで大体ゐなくなつたやうな感じだつたが、少し待てばまたどこからか来る。それをまた殺しまくる。だいぶヒット率が上がつて来たが、まだ命中率100%には程遠い。祖母の域に到達できる気はしない。昨日祖母が素手で叩き殺してゐた。凄過ぎる。親がいくら殺しても次から次へと出てくるから無駄だと言ふ。それは間違ひだ。無限に湧いてくるといふことは、殺し放題といふことだ。ゴミ箱をハエの死骸で溢れさせてやる。ハエを叩きたくて叩きたくて仕方が無い。短時間で30匹以上屠つて一旦休憩。しばらく時間を置けばまた来るだらう。
叔父と従弟が奄美へ帰る。来たばかりなのに慌しい。また叔父だけ23日に来ると言つてゐた。今が一番入れ替はりが激しい時期か。やはりナガラメの刺身が合はないやうで、昨日のバーベキュー後から腹の調子が悪い。夜寝る前に腕に少し蕁麻疹も出た。可児にゐた頃は3日に2回は必ず出てゐて蕁麻疹など珍しくも何ともなかつたのだが、こちらに来てからは2回しか出てゐない。ダニか埃のアレルギーなんだらうなと勝手に思つてゐたが、違ふのかもしれない。一休みしてからまたハエを屠る。正確には数へてゐないが、恐らく40匹は屠つたはず。
親達が西之表のクロネコヤマトに荷物を持つて行つた。叔母も一緒に行つたのか、家にゐなかつたので、バイクで散歩することにした。今日は犬城海岸(インジョウカイガン)へ行つてみようと思つた。島の東側なので山を越えて行かねばならん。2週間ほど前に行つた男淵女淵の滝のさらに向う側だ。ガソリン残量に多少不安があつたが、まあ大丈夫だらうと思つた。浜津脇を越えてしばらく行き、納官の辺りから左折して山へ入る。ずつと真つ直ぐ行けば良いはずだ。犬城海岸・男淵女淵の滝といふ看板が出てゐた。知らない道だが何とでもなる。しばらく知らない道を走つてゐたら、滝を見に行つた時に通つた道に出た。つまらん。知らない道だけで行きたかつた。まあ良からう。滝の入り口を華麗にスルーして遠くに見える海を目指す。サトウキビ畑の間の狭い道を抜け、ゴルフ場の脇を抜け、山に入つて行くさらに細い道へ。こんな山に入つて大丈夫なのか?と思つてしまふやうな場所に看板が出てゐる。屋久島の西部林道を彷彿とさせる道だ。アスファルトではなく、砂利を混ぜたコンクリートみたいな道で、恐ろしく走りにくい。しかも狭い。さらに両脇が崖。いつの間にこんな高いところまで登つて来てゐたんだらう。道路のすぐ横が切り立つた崖になつてゐる場所も少しあるが、多くは木が生えた崖になつてゐる。万一突つ込んでも死ぬ可能性はそんなに高くはないかもしれない。だが怖すぎる。ずつと下つて行くと、突然視界が開けて海に出た。ここか。
馬立の岩屋(マタテノイワヤ)の看板が出てゐた。観光誌にも載つてゐた。適当にバイクを停め、海へ行つてみる。こんなところにも一応観光客はゐるらしい。デジカメを持つてウロウロしてゐる人がゐた。波による侵食でできた巨大な洞窟がある。余裕で中に家が建つほどの広さだが、崩れて来さうで怖い。すぐに抜けて岩(山)の向う側の海に出た。取り敢へず写真を何枚か撮つて戻り、岩屋とは反対側の山の方へ向かつて歩き始めた。丁度干潮の時刻をほんの少し過ぎた辺りの時間だつた。良い感じの潮溜まりができてゐて、波の無い綺麗な水が複雑な地形に溜まつてゐた。魚もゐる。しばらく写真を撮つて歩き回つてから帰ることにした。
またかよ。エンジンが掛からん。絶望的に掛からん。直つたんぢやなかつたのか。ここから家まで20kmもある。しかも険しい山だ。今度はよきの海水浴場の時と違ひ、バイクを持つて帰らねばならん。絶対無理。ここは何としても絶対にエンジンを掛けねばならん。物凄く必死ですよ。灼熱地獄の中を必死にキックしまくり、眩暈がし始めた。俺はここで死ぬのか。もうダメだ。一旦諦めて日陰まで押して行くことにした。その途中で歯を食ひ縛りながらもう一蹴り。掛かつた!もう止めんぞ!
ガソリン残量が少ない。どこかでガソリンを入れる必要がある。しかしスタンドが見つからない。中種子市街と書かれた標識を信じてどんどん一本道を進んで行くんだが、東海岸をしばらく南下して山に入り、さらにまだまだ南へ行く。このままでは南種子に突入だ。本当に野間に通じてるのか不安になつて来た。それでも一本道だから行くしかない。しばらく走り、見たことがある景色になつた。空港から野間に向かふ道だつた。まだ野間より北にゐたのか。もう帰るだけだ。途中、納官のガソリンスタンドで補給。4.02Lで659円。ん?160円以上か?相変はらず離島のガソリンは高い。ガソリン入れた後にエンジンが掛かるかどうかが猛烈に不安だつた。能野の時はここで完全に死んだからな。でも無事に掛かつた。
帰りに浜津脇港に入つてみた。牧川港よりも遥かにデカい。ここで釣りをすればある程度まともに釣れるだらうと思ふ。堤防を乗り越えてテトラポットまで行く気にはならないが、港内でサビキ釣りでもそこそこ行ける気がする。港を下見してから家に帰つた。
ここで初めて愚か過ぎるミスに気付いた。死ね俺。昨晩、星空を撮影するためにISOを1600固定にしたまま戻すのを忘れてゐた。デジカメの液晶画面は小さいのでしつかり撮れてゐるか確認できなかつた。家に帰つてPCに取り込んでから異変に気付くといふ失態。1600なのでノイズが激しい。それだけでなく、シャッタースピードがほぼ全て最短時間になつてゐるにも関はらず光量が多過ぎて白飛びしまくりだ。補正しても無駄つぽい。一応、さういふカス画像も載せておく。例によつてクリックすれば高解像度の画像が見れるが、今回は見る必要は無い。馬立の岩屋はまた今度行つてしつかり撮つてくる。
家に帰つてもまだ親達は帰つてなかつた。叔父の奥さんと娘2人だけ。夕方に親達が帰つて来た。子供達が海へ行くらしいので俺も序でに行くことにした。デジカメに防水プロテクタを着け、釣り用の足袋を履き、水中眼鏡を装備して海へ。子供達は深くないところで遊ぶが、俺は深いところへ行く。イセエビを探して捕まへるのだ。でも波が荒過ぎる。かなり激しく流される。沖へ出ると危ない。不意に予想外に強い波が来て踏ん張り切れずに流されて岩に激突してしまつた。左肘と右手小指の付け根と手首を切つてしまつた。これはかなり危険だな。エビは諦めて浅いところで水中撮影したり泳いだりした。岩の上を歩いてる時、黄色い腕章をした2人の老人が岸から何か話し掛けてきた。漁協の監視員かもしれん。ナガラメの密漁が激しいらしいからな。特にここら辺一帯はナガラメの稚貝を放流してゐる地区だし。でも種子島弁で話し掛けても何を言つてゐるのか分からんよ。会話が成立しないから聞こえない振りをした。足袋を履いて水中眼鏡を着けてウロウロしてたから密猟者と間違はれたのかもしれんな。子供達が泳いでたところに行くことで密漁ではないことをアピールしてみたら去つて行つた。でも捕まへてはいけないイセエビを狙つてゐる俺は非常に危ない立場だ。自分が食べる分ぐらゐ良いだらう?ダメなのか?ナガラメは漁協が放流してるからまあ分かるが、イセエビは全て天然だらう?何故禁止されてゐるのか分からん。もしかして法律とか条例で漁業をやつてゐる人しか捕つてはいけない魚やエビや貝が決められてゐたりするんだらうか。
海で妹が足を切つた。岩か何か尖つた物を素足で踏んで手前に引くやうな動きをしたらしい。指の付け根の辺りの足の裏から指の真ん中ら辺まで、幅2mm長さ4cmぐらゐ皮が細長く剥がれてゐた。深さは2mmぐらゐか。見るだけで震へる。怪我した瞬間の感触なんかが勝手に脳内で作り出されて歯を食ひ縛る。何で俺が苦しんでるんだらう。俺自身は岩に激突して擦り剥いた怪我があるんだが、その痛みよりも妹の怪我を見て脳内で作り出された幻覚の痛みの方が激しい。想像力が豊か過ぎるのが鬱陶しい。人の怪我を見ても平然としてゐられる脳が欲しい。恐らく本人よりも俺の方が痛い。自分自身の怪我は普通の痛みなのに、存在しない怪我の痛みは死ぬほどに痛い。何で俺がこんな目に遭はねばならんのだ。海から帰つてシャワーを浴びる。叔母は用事があるらしく、バイクでどこかに出掛けて行つた。
もう旬は過ぎたが、まだ流星群の残骸が見れるらしい。昨日もいくつか見えた。偶然写真にも写つてゐた。今日も外に出て星を見ることになり、大勢で外に出た。今日は西の方が少し曇つてゐたが、真上は晴れてゐた。適当に写真を撮つたりした。飛行機のライトも写つてゐた。子供達が懐中電灯を振り回して騒ぐ。カメラのレンズに直接ライトが当たることはないが、露光時間が15秒もあるので何か影響が出るかもしれない。まあ星空は15秒程度では綺麗に撮れないといふことが昨日で分かつてゐるので、子供達のライトで普通とは違ふ写真が取れるかもしれんと期待してみたりした。月も出てゐて少し明るいのでますます星は写りにくい。今回は撮影終了後にISOをAUTOに戻すのを忘れない。
星を見終つて家に入り、デジカメ画像をPCに移してくつろいでゐたら叔母が帰つて来た。夜は危ないからと説得されてバイクを西之表に置いて車で半ば強引に送つてもらつたやうだ。それは非常に困る。明日は種子島鉄砲まつりがある。どうやつて行けば良いのかね?まあバスで行くしかあるまい。明日は6人ぐらゐ一気に帰る。短期間に物凄い人数が来てゐたが、それも今日で終りだ。明日みんなが帰つたら急に静かになるな。明日叔母を除く全員が帰り、23日に叔母が帰つて叔父が来る。その後は俺が帰るまで変動は無いかもしれない。
公開日時 | 不明 |
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