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犬土偶日記

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2007年08月13日

犬土偶旅行記 42日目 薬を裏山に投げる

公開日時: 不明

朝早く目が覚めた。と言つても8時だが。叔母と親は畑に出掛けて行つた。家には俺と弟と祖母だけ。弟は携帯を弄つてゐる。祖母は屋久島から帰る途中に急激に弱つて死にさうになつてゐたが、だいぶ回復して来てゐる。祖母は飯後の薬を飲まねばならないんだが、何故か薬を握り締めて家の中をウロウロしてゐる。屋久島に行く前からさういふ風に薬を握り締めて歩き回るのに気付いて不審に思つてゐた。祖母は薬を飲みたがらない。薬を飲み始めてから調子が悪くなつたと言ひ張つてゐる。悪くなつたから薬を飲んでゐるのに、それが分からない。思ひ込みが激し過ぎるし頑固だからどうにもならない。病院に行くたびに薬が増えてゐるのは病気が悪化してゐるからだらう。治らない病気だといふことを本人は知らないので、ヤブ医者だとか言ひ始めるやうな状態だ。抗癌剤の点滴のせゐで髪が抜け始めてゐるんだが、それを気にしてゐるらしい。点滴ではなく飲み薬で抜けてゐると思つてゐるやうだ。しかもどの薬が悪いとか勝手に決め付けてゐるやうなフシがある。半分ぐらゐは飲むんだが、残りの薬を握り締めて不自然に家の中を歩き回る。屋久島に行く何日か前に、握り締めて長時間ウロウロした後で便所に入るのを目撃した。見てないうちに飲んだのかもしれないとその時は思つてゐたが、屋久島で全く薬を飲まないのに飲んだと言ひ張るのを見て、もしかして薬を飲まずに捨ててゐるのではないかと思ふやうになつた。実際に捨てる現場を見たわけではないので、密かに監視しようと思つてゐた。でも俺は朝起きれないから夜しか見れない。今日は奇跡的に早く起きれて祖母が薬を飲む現場に居合はせることができたので何気なく監視してゐた。半分ぐらゐは飲んだ。だが残りは錠剤を入れ物から出して手に握り締めてゐる。その状態で立ち上がり、台所へ。俺は水を飲みに行く振りをしながら台所へ行つて監視。祖母は薬の殻だけゴミ箱に捨ててゐた。薬本体は手に持つたまま水だけ飲んでゐた。俺は水を飲み終り、不自然さを無くすためにハエタタキを持つてハエを探す振りをしながらずつと祖母を見る。俺がいつまでも近くにゐるので捨てられないんだらう。今度は薬を握り締めたまま洗面所の方へ行つた。意味もなく何も無い風呂場の方を見てゐる。俺もずつと後ろで祖母を見てゐる。俺の視線に気付いてゐる感じだつたが、そのまま何気ない風を装つて見続ける。その時、弟が俺に何か話し掛けて来た。それに対応するために部屋に戻つたが、それは敢へて隙を与へたのだ。そつと祖母の方を見たら、何かを、薬を握り締めてゐた方の手で裏の山に投げてゐた。やはり捨ててゐた。そしてすぐに居間に戻つて来た。気付かぬ振りをしながら外に出て、急いで畑に行つてゐる親に報告に行くことにした。丁度雨が降り始めて親が傘を取りに走つて来てゐたので今見たことを話した。その後親が畑で叔母達に話したやうで、今日の昼から叔母2人と親と俺の4人で取り囲むやうにして薬をその場で飲ますやうになつた。叔母がキツく色々行つてゐた。勝手に薬を減らしたり飲まなかつたりすると急激に酷くなつて大変なことになると。祖母は湿疹が出るだけの病気だと思つてゐる。薬や抗癌剤等が効いて皮膚の湿疹はほぼ消えた。だが病気自体は治つてゐない。祖母は湿疹だけの病気だと思つてゐるので、湿疹が消えたのに薬の量が増えることに納得がいかないらしい。体調が悪くなるのは薬のせゐだと思ひ込んでゐる。今薬をやめるとまた湿疹が出て来るから体の中から完全に治るまで、医者がいいと言ふまで素直に薬を飲めと言はれてゐた。これからしばらくは監視されるから確実に飲むことになる。だが忘れた頃にまた捨て始める気がする。薬を飲まないと確実に寿命が縮まるのでこれからはしつかりと監視して飲ませないといけない。それにしても、一体いつから薬を捨ててたんだらうか。よく今まで生きてゐられたものだ。祖母の病気はリンパのT細胞が癌化して異常増殖し、免疫機能が弱まつていく病気だ。免疫が弱くなるので感染症に弱くなる。薬の多くは感染症予防の薬だ。それを飲まないと感染症に罹りやすくなつて非常に危険だ。今でも普通に畑仕事に行つたりするので危ない。

屋久島の写真を処理してアップロードした。ISDNなので恐ろしく時間が掛かる。画像処理だけでもかなり大変な作業だ。何か半日ぐらゐPCを弄つてゐたやうな気がしないでもない。日記本文を書く暇もない。写真は少なめにした方が良かつたかもしれない。

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公開日時不明
本文文字数1862文字 (タグ込み)
URLhttps://orca.xii.jp/br/diary/diary.cgi?id=dogoo;date=20070813
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