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犬土偶日記

海の近くに住みたい

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話題:種子島&屋久島 2007年夏

2007年07月30日

犬土偶旅行記 28日目 23年ぶりに

公開日時: 不明

昨晩は酒を飲みながら選挙の番組を遅くまで見てゐた。鹿児島は自民の加治屋義人と民主の皆吉稲生の大接戦。最初は27000票程度の差でずつと縮まらなかつたが、何故か終盤に猛烈に追ひ上げて2500票ぐらゐの差になつた。結局自民の加治屋義人が勝つた。結果を見届けてから寝た。

大工仕事の手伝ひと海で長時間貝拾ひをした疲労のせゐか、すぐに眠りに落ちた。しかしそこから急激に異変が起こつた。すぐに目が覚めてしまつた。気分が悪い。猛烈に喉が渇く。水を飲みたいといふ意味ではなく、気管や食道の潤ひが一切無い。呼吸も苦しい。自動呼吸の機能が弱まつて、自らの意思で息を吸はないと呼吸できない。恐ろしく気分が悪い。何だこれは。

取り敢へず台所へ行つて水を飲んでみた。ますます悪化した。腹も痛くなつて来た。便所で軽くウンコを屠る。さらに気分が悪くなり、海水のやうに辛い唾液がドバドバどこからか湧いてきた。便所にダラダラと唾液を垂らす。滅茶苦茶気分が悪い。何だこれは。疲れてゐて睡眠不足なのに眠れる気もしない。でも寝るしかない。寝れば回復するかもしれない。さう思つて便所を出ようとした時、急激に猛烈な吐き気に襲はれた。胃がジャンプして喉を圧迫するやうな痛みから始まり、勝手に腹筋に超常的なパワーが発生する。ひ弱な俺がこんなに腹筋に力を入れることができるのか。しかも恐ろしい勢ひで。まるで腹を殴られたやうな強く重い衝撃だ。だが吐かない。喉を閉めて堪へる。何度も何度も自動的に腹を殴られるやうな衝撃が加はるが、負けるわけにはいかない。いや、ここは素直に吐いた方が体には良いはずだ。そのために備はつた機能だらう。だが吐くのは気持ち悪いのでできれば吐かずに終らせたい。小学校2年の時に風邪で体調を崩して吐いたのが最後で、それ以降はどんなにつらくても一度も吐いたことがない。今回も堪へるのだ。

自動的に始まつた吐く動作を自らの力強い意志で強引に抑へ布団に戻る。何故こんなことになつてゐるんだらう。何が原因だらうか。まさか貝に当たつたのか?食中毒だけは勘弁して欲しい。だが俺以外は当たつてゐない。俺だけが食つた種類の巻貝に食へない貝でもあつたんだらうか。それとも焼酎を飲み過ぎただけなんだらうか。そんなに大量には飲んでゐない。もつとアルコールの強いウイスキーをもつとたくさん飲んでもこんなことになつたことは一度も無い。沖縄のアルコール40度以上の焼酎を飲んでライブをやつたりしても大丈夫だつた。あの程度の焼酎でこんなになるとは思へない。やはり貝だらうか。それとも密かに貝拾ひで日射病にでもなつてゐたんだらうか。何にしても今は寝るしかないと思ひ、無理矢理寝ることにした。

息苦しい。眠れない。気分が悪い。相変はらず喉が異様に渇く。いや、渇くではなく乾く。眠れない。何で俺がこんな目に遭はねばならんのだ。また水を飲む。そして下痢気味のウンコを屠る。やはり貝に当たつたんだらうか。ウンコ中にまた来た。猛烈に腹を殴られたやうな感触が起こり、定期的に力強く腹筋が締まる。恐ろしいパワーだ。犬がゲロを吐く時、波打つやうに体を何度も動かしながらグボァ!グボァ!グボァ!とか呻き、最後にドバッと吐く。あれと同じことが俺にも起こつてゐる。最初は堪へたが、かう何度も起こると命に関はる危険な状態なのかもしれない。吐いた方が良いだらう。でも吐きたくない。また無理に我慢してみたが、今回は堪へ切れなかつた。激しく吐いた。凄い勢ひで水分多めのを吐いた。胃液で食道と喉を焼きながら。一度に全部吐き切れなかつたのか、また体が勝手に動き出して第2波。こんなに胃に入つてゐたのかといふほど出た。腸から逆流したかもしれん。つひに23年間続いて来た嘔吐我慢記録が途絶えた。本当に種子島に来てからの短期間に次から次へと色々起こるな。

出すものを出したからこれでOKかと思つた。うがいして水を飲んで寝る。だがまだ気分が悪い。呼吸が苦しい。何故だ。何が起こつてるんだ。結局、苦しいまま気を失ふやうにいつの間にか寝てゐた。

昼近くまで寝てゐた。5時頃まで苦しんでゐたからな。で、起きたら息苦しさは治つてゐたが、まだ少し気分が悪い。ウンコも回復しない。やはり何かに当たつてしまつたのかもしれない。やはり貝?原因が貝ではないとしてもしばらく貝は食ひたくない。酒もしばらく控へよう。体調が完全回復しないので何もかもが怖い。

動ける気もしないので、本を読んで過ごす。本など種子島でなくても読める。折角種子島に来て本を読むなど完全な無駄に思へる。でも体調悪いんだから仕方が無い。それにどうせ眼鏡もバイクも無いから身動き取れん。ていふか、バイクはどうなつてるんだらう。もう10日近くなるぞ。あれから何の連絡も無い。バイク自体は置いた場所に無かつたと叔父が言つてゐたのでバイク屋が持つて行つたんだらう。盗まれたとかでバイクを発見できなかつたらさう連絡して来るはずだ。修理に10日も掛かるとも思へんし、どうなつてるんだらう。もう修理は終つてるけど連絡して来ないのか?待つしかない。明後日にバイクの持ち主の一家が来る。祖母は叔母や従弟がよきのに行く時にバイクを頼めば良いと言つてゐた。もう7月も終るな。もうすぐ種子島に来て1ヶ月。半分は梅雨と台風に引き篭もらされ、残りはバイクを失つて引き篭もる日々。これから先は親戚が大量に押し寄せる賑やかな時期か。それまでに色々やつておきたかつたが、狙はれてるから上手く行かない。

ずつと引き篭もつてゐても仕方が無いので夕方から釣りに行くことにした。今回は最初からクサビを狙ふ。食へないし邪魔な魚だが、最初からそれをターゲットにして遊べばそれなりに楽しめる。ハエ竿と仕掛けと替へ針とプライヤーだけ持つて海へ。山奥の淡水の川でオイカワやカワムツを釣るための道具だが、これぐらゐ弱い道具の方が楽しめるのだ。エサは現地調達。ミナを適当に拾つて石で叩き割つて使ふ。

適当にミナを15個ぐらゐ拾つて岩場の奥へ。短い延べ竿なので水際まで行かねばならん。竿に仕掛けをつけてミナを叩き割つて針につけて海へブチ込む。川用の小さい浮きでは波に揉まれて読みづらい。だが魚が食へば完全に引き込まれるので分かる。とは言つても、なるべく早く合はせないと飲み込まれてしまふので難しい。バカな魚だからエサが針から外れなければ必ず釣れる。針を飲まれても良いなら浮きが沈んで3秒ぐらゐ待つと良い。バカだから吐かない。そして無限にゐる。入れ食ひだ。でも釣つた後が大変。飲み込まれると針を外すのに苦労する。

折れたり奥まで飲まれて取れなくなつたりして3本ほど針を失つた。1匹変なのが釣れた。クサビだと思ふんだが、色が黄色つぽい。そして模様が少ない。似てるだけで違ふ種類なのかもしれない。そいつが激しく飲み込みやがつた。苦労して針を外さうとするが、口が小さいのでプライヤーが入らない。散々苦労して結局針が折れるといふ結末。しかも海に捨てたら瀕死で漂つてるし。

一度激しく力強く引き込まれた。どんな魚が掛かつたのかは分からない。竿が折れさうなほどのパワーで、強引に竿を上げても竿が限界までしなるだけで上がつて来ない。そのまま横方向に2mぐらゐ走つて岩の下まで引き摺り込まれた。その後はビクともしない。どうやら岩の下に引き込まれた状態で針が外れた上に根掛かりしてしまつたらしい。もしかしたら針が刺さつたまま岩の穴の中に入つてじつと堪へてたのかもしれない。どうやつても外れないので仕掛けを捨てることにした。竿がハエ用の細いやつなので無理をすると折れてしまふ。竿を短くしながら竿先を手元に寄せる。何故か突然針が外れた。竿を伸ばして上げてみた。上げる途中で残つたエサにクサビが食ひ付いて1匹GET。死ね。

結局釣果は黄色いのも含めてクサビが12匹と、紫色の小魚が1匹。ミナが尽きたのと、潮が満ちて来て危ない状況になつたのと、素晴らしく飽きたのが重なつたタイミングで家に帰つた。

晩飯に昨日のアナゴの残りが出た。夜中に吐いた原因が貝なのかは分からないんだが、怖くて食へなかつた。明日は祖母が鹿児島大学病院に診察に行く日。指宿温泉の日からもう2週間も経つたのか。明日は叔父と祖母の2人で行く。俺は留守番。アンプで音を出しながら1日中ギターの練習でもするかね。

8月からは人の入れ替はりが激しい。明後日に3人来る。叔父が奄美に帰るかもしれない。7日ぐらゐに2人減る。8日に3人増える。14日に2人減る。15日か16日ぐらゐに2人増える。盆ぐらゐに叔父の家族も来るかもしれない。20日ぐらゐに5人減る。20日以降は俺しかゐなくなるのか?まあ誰かがゐるだらうとは思ふ。急激に落ち着かない日々になりさうだが、変化がある方が面白い。今が一番退屈でのんびりしてゐる期間だらう。バイクと眼鏡があれば毎日出掛けるんだけどな。まあ狙はれてるから何もかもが俺に都合の悪い方向へ動く。この先も悲惨なことが次から次へと起こるだらう。ある意味楽しみだな。何が起こるんだらうね。ウンコ食つて死ね。

話題:種子島&屋久島 2007年夏

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