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犬土偶日記

海の近くに住みたい

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2007年07月16日

犬土偶旅行記 14日目 流れゆく日々

公開日時: 不明

猛烈に爆睡してしまつた。昼まで寝てゐた。その間に俺以外の3人は野間の方へ買ひ物へ行つたらしい。その序でにラーメン屋で飯を食つて来たやうだ。外食するなら起こしてくれよ。祖母が美味いラーメン屋を知つてゐるとかで、そこにラーメンを食ひに行つたらしいんだが、店に入るなりカレーはありますか?と祖母が店の人に聞いたらしい。ラーメンが美味い店と言つて食ひに行つたのにそこで素晴らしい勢ひでカレーを食ふ力強さが驚異的だ。

トラ祖母の家で飼つてゐる猫、名前はトラ。虎といふよりはパンダウサギだな。弱い猫で、すぐに怯えるし攻撃して来ない。これは元々野良猫だつたらしい。叔母が昔愛知で飼つてた猫を種子島に送つたらしいんだが、その猫が連れて来た死にさうな仔猫だつたとか聞いた。その愛知から送られた猫は逃げたのかどこかで死んだのか、突然ゐなくなつたらしい。で、トラだけが残つたらしい。あまり詳しくは知らないんだが、確かさういふ経緯で飼はれてゐる。去年の2月に来た時にも家の周りをウロウロしてゐた。その時は他の猫にやられて背中の肉が破れて中身が見えてる状態だつた。そのまましばらく放置されてゐて、今年になつて叔母が祖母の面倒を見るために種子島に来てから動物病院に連れて行つて治したらしい。推定3歳のオス猫。俺が急激に走つて迫つたり変な動きで威嚇したり鼻にムヒを塗つたりしたので、もう俺が3m以内に近づくだけで逃げる。目が合ふだけで警戒する。カメラを向けても警戒する。シャッターを押した瞬間に逃亡した。

折角晴れてゐたが、昼まで寝てゐたので半日無駄になつた。海は何故か波が荒く、泳ぐことは不可能。まだ台風の余韻が残つてるみたいなことを言つてゐたが、そんなに引き摺るものなんだらうか。バイクで島探索をするつもりだつたんだが、もう午後であまり時間も無いので近場で良い釣り場を探すことにした。家を出てすぐ下りたところから、西之表方面へ海岸沿ひの岩場をひたすら歩く。干潮から少しづつ潮が満ちて来る時間帯だつた。ずいぶん沖の方の岩まで歩いて行けたので可能な限り沖まで出てみた。遠くから見ると小さくてショボい岩でも実際に行くとロッククライミングみたいな感じ。ところどころに海水が溜まつてゐて、そこには蟹やフグやウニがたくさんゐた。岩の下に手を入れればもつと何かゐたかもしれないが、怖くてそんなことはできん。毒を持つたやつがゐるかもしれんからな。素手では漁れない。海水が溜まつて池みたいになつて一時的に海と切り離されてゐるところは大したことないが、海と繋がつてゐる溜まり場は色々ゐた。エビの小さいやつとか、熱帯魚みたいな魚とか、ハゼみたいなやつとか。陸地からずいぶん離れたところを西之表方向へ少しづつ歩き、牧川港の辺りまで行つた。そこら辺の沖の方の岩場は水深も深く、良さげなサラシができてゐて、釣りもしやすさうな感じだつた。魚がゐるかどうかは知らない。潮が満ちて来たらどうなるのかも分からない。今度狙つてみようと思ふ。岩場を長距離歩いて恐ろしく疲労した。鳩吹山登山の2倍ぐらゐは疲れた。汗も相当出た。

一度家に帰り、釣りの準備をした。シーバスではなく、他の小物をソフトルアーで狙つてみようと思つたのだ。夕マヅメを狙つて近場の海で適当に。釣れる気はしない。淡水のブラックバス用のタックルをそのまま流用する。ベイトリールに巻かれてゐた古過ぎるラインを新しいスピニングリールの下巻きに使つてしまつたので新しいラインを巻き直す。引き篭もつてばかりの生活に飽きて久しぶりにバス釣りでもしようと思つて道具を買つたのは何年前だらう。結局買ふだけ買つて全く釣りに行かずに何シーズンも経過した。まだその時に買つた12lbのナイロンラインが新品で残つてゐる。新品なのに古い。既に巻き癖が付いてゐる。結ぶと必ずよれてしまふ。もうダメかもしれん。まあ使はずに捨てるのは勿体無いので、それをそのまま巻いた。

釣りの準備をしてゐる時に、どこかに出掛けてゐた親が帰つて来た。近所の人と話し込んでゐたらしい。近所に老人ホームがある。祖母が言ふには、「半端ボケ」だか「半ボケ」だかどちらか忘れたが、さういふ人しか入れないらしい。体が悪いだけの老人はダメで、完全にボケてゐてもダメらしい。本当かどうかは知らんが、さう言つてゐた。その老人ホームの経営者が俺の母親の同級生らしい。その人は屋久島で素泊まりの民宿をやつてゐるらしく、その人に言へば1泊2500円のところを1500円にしてくれるらしい。長期滞在もOKとか。レンタカーも安く手配してくれるとか。屋久島に行く時はそこの世話にならうと思ふ。宮之浦と安房の中間ぐらゐの場所にあるやうだ。空港の近くだらうか。白谷雲水峡と縄文杉の登山口の間ぐらゐ。まあどこでも同じやうに行けるとも言へる。そこを拠点に1週間ぐらゐ屋久島にゐようかと思ふ。ただ、宿が安いといふことで親も行きたがつてゐる。親は今月20日に一度岐阜に帰るんだが、来月の8日にまた種子島に来る。次回は弟と叔母と一緒に。それからみんなで行かうかと言つてゐる。その頃にはもう1人の叔母も種子島に来てゐるので、その叔母も含めて大勢で行かうかと。2泊ぐらゐして種子島に帰る予定のやうだ。まあ弟や叔母が14日ぐらゐに帰る予定なので、あまり屋久島にゐると何しに種子島に来たか分からなくなるからな。俺だけ残つてしばらく屋久島を堪能し、16日のロケット打ち上げまでには種子島に帰るといふので良からう。まあどうなるか分からんけどな。その屋久島の民宿の人が言ふには、原付では島の外周の道路しか通れないらしい。島の内部に入る道は全て勾配がキツく、50ccのバイクでは絶対に無理なのださうだ。縄文杉を見るために行く荒川登山口といふところまでも原付では絶対に無理だとか。原付のパワーで登れない坂など今まで体験したことが無いから想像も付かんのだが、原付で登れない坂なら車でも凄い前屈みの姿勢で上を向くやうな姿勢で運転することになるんぢやないのか?そこまで激しいとも思へんのだが。原付でも何とかなりさうな気がするんだけどな。でも1000mクラスの山が大量にあるやうな島だしな。気候も亜熱帯から亜寒帯まであの狭い島で体験できるらしい。山の上の年間平均気温は札幌より低いとか何とか。縄文杉を見に行く登山道も700mの高低差があるらしいしな。本当に無理なのかもしれんな。8月9日辺りに親や弟や叔母達と一緒に高速艇で様子を見に行つて原付が使へさうかどうか見て来るといふのでも良いかもしれない。原付でも大丈夫さうなら親達と一緒に一度種子島に帰つて日を改めて本格的に1人でフェリーに原付を乗せて屋久島に渡るといふのでも良いだらう。

さういふ話をしてゐた時、外で涼んでゐた叔母が叫びながら戻つてきた。何かと思つたら俺が種子島に来た日に肺癌の手術をした親戚が来たらしい。その肺癌の親戚は、祖母の一番上の姉の息子らしいんだが、祖母の姉がまだ結婚してない時の子供だつたとかで、祖母の弟として籍に入れたらしい。だから俺の母親から見ると実際は従兄に当たるのだが、戸籍上は叔父に当たるといふ間柄らしい。その人が肺癌になつて3ヶ月の命と宣告された。最初は告知してゐなかつたらしいんだが、何故か突然医者が本人に言つたらしい。俺が種子島に来る日に一か八かの大手術をすることになり、もしかしたら手術中に死ぬかもしれないからといふことで、親類がみんな鹿児島の大学病院に集められた。大きい動脈のすぐ近くに癌があつて、もしかしたらもう手の施しやうが無いかもしれない状態だつたらしい。開けてみてダメだつたら諦めて閉めるとか言つてゐた。年齢的にも体力の面で不安があつた。放置すれば必ず短期間で死ぬが、手術しても上手く行くとは限らんし危険も伴ふといふ状況だつたらしい。それでも手術して何とかギリギリのところで成功して無事に肺を片方全部摘出したらしい。それで肺癌自体はOKみたいなんだが、転移してゐる可能性が高いのでその後はどうなるか分からない。取り敢へず肺癌ですぐに死ぬといふことは免れたらしい。さういふ状態で入院してゐたのだが、手術後すぐに歩いたり話したりしてゐたらしい。手術の後遺症で声が出にくくなつてゐるが、それも3ヶ月ほどで治るとか。死に掛けてゐたところから復活して本人が見舞ひのお礼に親戚に会ひに来れるところまで奇跡的に回復した。その人には子供の頃に少し世話になつた。子供の頃に種子島に来た時に車で種子島を案内してくれたのだ。あまり覚えてゐないんだが、小5の時だと思ふ。

その親戚が帰つた後、釣りの準備を再開。丁度良い時間になつた。晩飯を食つてから行かうかと思つたんだが、行かうと思つたら雷が鳴り始めた。激ウザ。俺が何かしようとすると必ず宇宙に邪魔される。釣りは断念。明日は鹿児島へ行かねばならん。祖母の治療がある。薬が切れたので診察してもらつて病気の経過を調べつつ、新しい薬ももらはねばならん。どうせならみんなで鹿児島に行かうといふことになり、どうせ行くなら温泉で1泊しようなんてことになり、それなら指宿で砂むし温泉・・・と、どんどん話が進み、指宿の白水館といふ巨大な旅館を予約するに至つた。俺は今回の種子島旅行の合間に個人的に鹿児島観光をするつもりでゐた。桜島、開聞、指宿、知覧、鹿児島と、色々1人で回るつもりだつた。指宿ではもちろん砂むし風呂を味はふつもりだつたので、今回これに便乗して1つ消化できることになつた。しかし次回1人で観光に行く時に重複を避けて指宿を回避するとどういふ経路で回るのが良いのかとか、色々考へることも増えた。開聞岳を登るとあの付近で宿をとるしかないやうな気がする。知覧にも回らねばならんしな。まあとにかく今回は行き当たりばつたりで流れに任せて指宿を堪能しようと思ふ。

明日は7時の船に乗らねばならんらしい。6時過ぎに家を出る。5時起き。無理。昼まで寝てたから眠れない。眠くなるまで起きててそれから寝ると絶対に起きれない。相当キツい。それでも寝るしかない。夜中に部屋の中を猫がウロウロしてゐる。俺が熟睡してゐると思ひ込んでゐたのか、俺のすぐ横を物音も立てずに歩いてゐた。タイミングを見計らつて布団の中から猛烈な勢ひで蹴りを繰り出した。もちろんヒットさせるつもりは無い。寸止めといふやつだ。これが猫には完全に予想外だつたやうで、ゆつくり歩いてゐる途中、そのままの姿勢で、4本足で垂直に50cmほど跳び上がつた。そのまま祖母の部屋に逃走したが、数日前に祖母の布団に小便をしたこともあつて、祖母が裏のドアを開けて外に追ひ出してしまつたらしい。夜中に猫が鳴きまくつてうるさかつた。

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