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犬土偶日記

海の近くに住みたい

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話題:種子島&屋久島 2007年夏

2007年07月03日

犬土偶旅行記 1日目 種子島へ行くだけでも一苦労

公開日時: 不明

つひにこの日が来た。母の故郷、種子島を全力で堪能する。去年の初め頃に祖父の法事で行つたのだが、冬は海で遊べないので本気で何も無かつた。ダイビングとか釣りとか、冬でもできることはあるんだらうが、去年行つた時は何もできなかつた。偶然ロケットの打ち上げがあつたので良かつたが、それが無かつたら悲惨だつただらう。やはり南国は海で遊んでこそだと思ふ。夏に行くべきだ。といふわけで、夏に種子島へ行くために必死に頑張つてきた。旅行には大量の資金が必要なので稼ぐのが大変だ。鶏卵の値段が10円変はるだけで一喜一憂してゐるやうな貧乏人には簡単に旅行などできない。旅費を稼ぐのに相当苦労した。真面目に働いてゐれば勝手に金は入つて来るから、節約しながら待つだけで楽に金が貯まるだらう。そして使ひ切つてもまた月末まで待てば金が入つて来るといふ安心感もある。しかし俺は無職で、パチンコ・パチスロなどといふ下らないギャンブルで金を稼いでゐる。ギャンブルには当然種銭が要るので、旅行で贅沢に使つた後にも大量の金が残つてゐる状態にしなければならない。これは相当キツい。種子島だけでなく、鹿児島や屋久島にも行くつもりなので、かなりの金額が必要になる。ずいぶん前から、旅行に40万は必要だらうと思つてゐた。多めに見て60万。それを使ひ切つてもギャンブルの種銭が残つてゐないといけない。だから、最低100万、できれば200万は稼がねばならなかつた。種子島へ行きたい気持ちを抑へられなくなつた時点で蓄へは一切無かつた。ギャンブラーとは言つても別に好きでやつてるわけではないし、当然浮き沈みもある。正直に言ふと、パチンコ・パチスロが死ぬほど嫌いなので、ギリギリ生活できるだけ稼いだら自然と稼ぎに行かなくなつてしまふ。金よりも時間の方が大事だ。そんな事を言つて種銭が尽きて飯もまともに食へない生活を何度も味はつたりした。金は欲しいが、時間を失はずに手に入れたいと思つてゐる。時間を失つてまで稼ぎたいとは思はない。さういふ人間だから常に極貧。実は祖父の法事以前にも夏に種子島へ行かうと計画を立てたことはある。だがその時はバンドのライブの予定が入つたり金欠状態を脱出できなかつたりで流れた。今回はかなり本気だつたので、去年の秋頃から猛烈に我慢してパチ屋へ通ひまくつて生きてる実感も無いやうな地獄の日々だつた。おかげで8ヶ月で200万以上稼げた。月平均150時間。3月の時点で種子島旅行に手が届くと思つた。そこからの不調は過去の日記を読めば分かるだらう。しかし6月に復活して無事に種子島旅行が実現することになつた。5月初めに飛行機のチケットを買つて自分を追ひ込んだ途端に不調に見舞はれてストレスも相当なものだつた。チケットを取つてしまつたから、もう種子島へ行くしかない。その状態で激しく負けると旅行の内容が劇的に惨めなものになる。負けるわけにはいかない。凄いストレスだ。真面目に働いた方が遥かに楽だらう。しかし通常の社会人は長期間休んで旅行するなどといふことはできない。俺は今回、2ヶ月程度は旅行を堪能するつもりだ。その間バンドの練習に参加できないのでバンドメンバーには迷惑を掛けることになる。とにかく、金が尽きることもなく無事に旅行へ行けることになつたのでそこまでは取り敢へず良しとしよう。

旅行が確定してもパチ屋へ通ふ日々で時間に余裕が無かつた。準備が捗らない。パチ屋で13時間半フルに頑張つて死にさうになりながら帰宅し、そのまま気絶するやうな状態で、なかなか旅行の準備をする時間も心の余裕も無い状態だつた。絶望的に準備が間に合はない。ギリギリになつても全然終らない。特に、この旅行のために買つたノートPCに色々インストールしたりアプリの設定をしたりするのが異常なまでに大変だつた。旅行の数日前になつても夜型生活だつたりして買ひ物もまともにできない。車を持つてゐないので普通に買ひ物するだけでも大変だ。原付で何往復もしてそれだけでも相当疲れる。準備が全然終らないまま時間だけが過ぎて行く。そしてつひにそんな状態のまま出発の日を迎へてしまつた。夜の10時に目が覚めた。準備の作業は全然終つてゐない。ピンチだ。早朝に出発せねばならない。必死に作業をしたんだが、何故か何もかもが上手く行かない。あり得ないやうなハマり方で時間を浪費する。メールアカウントの設定で何故かハマつた。何も間違つてゐないのに、どのアカウントもPOP3サーバーに接続できずにメールが受信できない。送信だけはできる。意味が分からん。ノートンの何かがPORT110を遮断してゐるのかもしれんと思つてファイアウォールを切つてみたりもしたが、全然変はらない。結局、最後は諦めて再起動したら何故かできたといふ落ち。死ね。今まで使つてたメインPCでDVDをコピーしたりしたが、絶望的に間に合はん。音楽ファイルをDVD-RWに焼いてノートに移植したりもしないといけないし、色々なアプリのデータファイルの移植にもそのやり方でやつてゐたので相当大変だ。絶対に間に合はん。結局、DVDは2枚しかコピーできず、コピーではなくオリジナルを持つて行くハメになつた。朝まで作業を続け、何とかギリギリ終らせたやうな気はするが、何か忘れてゐるに違ひない。何か忘れてゐないか考へる余裕すら無いほどギリギリだつた。

昨日またダンボールに荷物を詰めて色々送つたんだが、送つた後で送り忘れた物が大量に出てきた。といふか、送るつもりが無かつた物も持つて行かねばならない状態に陥つた。オーディオインターフェースをカバンに入れた。ノートPCのサウンドカードがあまりにもウンコ過ぎて音楽なんかまともに聴けない。これは非常に拙いのでUSBのインターフェースを持つて行くことにした。それを持つて行くのなら、PCにギターを繋ぐことが可能になる、といふわけでギターのシールドも1本入れた。ならばレコーディングするソフトも必要だらうが、もうインストールする時間は無い。といふことでソフトもカバンにブチ込む。種子島に着いてからインストールすることにする。他にも色々とカバンに詰め込み、恐ろしい重さになつた。死ぬ。これは本気で死ぬ。急行とか準急の電車で行くのは不可能に近い。夜からずつと起きて作業してゐたので昼前には確実に眠くなるだらう。種子島に辿り着くのも難しい。ここは思ひ切つて余分に金を払つて特急に乗るべきだと思つた。震へながら350円余分に出費して特急へ。すげえ快適。いつも乗つてる電車と違ひ、何故かあまり揺れないし音も静かだ。さすが金持ち専用列車だな。今日は飛行機の乗り継ぎの都合上、鹿児島で4時間以上無駄な時間がある。その時間と電車の時間を何とかしようと思ひ、駅で文庫本を買つた。読む気力も無いが買つてしまつた以上は読まねばならぬ。マゾか。

空港に着き、取り敢へず去年と同じやうに高速艇乗り場方面を写真に収めた。それから搭乗手続き。クレジットカードを機械に入れるだけでOKのはずなんだが、どうやつても中部国際空港から鹿児島空港までのチケットしか出て来ない。何故か500円分の喫茶券とかいふやつが出て来た。仕方が無いので鹿児島から種子島の分はカウンターに行つてクレジットカードを渡して発券して貰つた。序でに両方とも搭乗手続きした。で、鹿児島行きの飛行機がまだ中部国際空港に来てなくて1時間遅れるとか何とか言はれた。狙はれてるな。喫茶券はそのお詫びらしい。まあどうせ鹿児島で4時間以上も待ち時間があるのでどうでも良い。乗り継ぎに時間の余裕が無いパターンでチケットを取つてゐたらこの時点で鹿児島足止めが確定してゐたかもしれない。中部国際空港で少し遊んで行くことにした。しかし既に瀕死。疲労が激し過ぎる。といふか、荷物が重過ぎるんだよ。ギターもあるし。もう寝る時間だし。地獄だな。椅子タンや親からメールが来たので、どうせ暇だからと思ひ、携帯で恐ろしい時間掛けて短文のメールを返信したりした。携帯で文章書くのなんかよほど気の長い人間か暇人でないと気が狂ふんぢやないかと思ふ。PCで書けば10秒も掛からない文章を打つのに5分とか10分とか。死ねよ。まだ出発まで時間があつたのでカフェで休憩することにした。500円券があるのでコーヒーぐらゐはタダで飲めるだらう。勿体無いから500円丁度が理想。500円を超えない範囲で限りなく500円に近いのが良い。・・・なんて思つてたんだが、500円未満の飲み物なんてありません。搭乗手続きの時にお釣りは出ませんと注意されたがそもそも500円未満が無い。まあ店によるんだらうな。俺が高い店に突入しただけのこと。アーモンドティーといふのを飲んだ。650円。

中部国際空港から高速艇乗り場方面の風景 中部国際空港展望台から 鹿児島へ向かふ途中の機内からの風景

歩き疲れて死にさうだつた。さう言へばアーモンドティーを飲む前に展望台に行つたんだ。結構長いんだな。端まで歩いて疲労全開。端の方にあるベンチに座つてデジカメを弄つてゐたらデジタル一眼を持つたオッサンが話し掛けてきた。モンゴルが来るとか何とか。は?意味が分からん。飛行機ですか?と聞いたらさうだと言ふ。昨日も何か来たとか言つてたがよく分からん。モンゴルは珍しいのか?俺を飛行機マニアだと思つて話し掛けたんだらうが、全然意味が分からんし、適当に相槌打つのすら難しい。といふか、何か雰囲気がをかしい人だつた。いかにもヲタクといふ感じの。まあ俺の反応を見て飛行機に興味が無い人間だと分かつたらしく、すぐに去つて行つた。全然知らない人に親しげに話し掛ける感覚が俺にはよく分からない。そこからまた建物まで長距離歩いて恐ろしく疲れた。

散々歩き回つてみたが、中部国際空港には何も無い。飲食店が大量にあるだけ。歩き疲れたので中に入ることにした。国内線の入り口で手荷物検査。ギターを係の人に渡し、リュックも出す。ノートPCが入つてることを一応言つておく。そしたらノートPCだけカバンから出してくれと言はれた。別々にX線に通すらしい。デジカメとiPodを小さいトレーに入れてそれもX線に通し、俺本体は金属探知機のゲートを通る。はい、鳴りました。ズボンの裾を上げてくださいとか言はれた。ポケットの中身も全部出せと。仕方が無いので財布やギターのピックを小さなトレーに入れ、それらもX線に通す。ギターのピックは関係ないだらう。小銭に反応したんだらうか。再検査を受け、再び俺本体が金属探知機ゲートを通る。すぐ後ろにどこかの高校の修学旅行か何かの団体がゐて、激しく晒し者にされてゐた。無事に手荷物検査を終へ、奥の土産屋に突入。長期間世話になるんだから、やはり何か買つて行つた方が良いだらう。どうせなら自分が食ひたいものを・・・と思つたのだが、あまり良さげな物が無い。まあいいや。面倒臭いしこれ以上手荷物を増やすのも無理だと思つたので諦めた。

飛行機に乗るのは緊張する。貧乏人だから飛行機に乗ること自体がほとんど無い。毎回死を覚悟する。墜落したら絶対に助からん。一瞬で墜落すれば何も分からんうちに死ねるかもしれんが、墜落する時はパイロットも死にたくないから限界まで必死の努力をするだらう。墜落がほぼ確定しても恐ろしい時間を掛けて客に凄まじい恐怖を与へながら墜ちて行くのだ。喚き散らす客もゐるだらう。パニックになつたりすると鬱陶しい。考へるだけでキツい。飛行機の事故なんて滅多に起こらないが、それでも運の悪い俺ならピンポイントで食らふかもしれない。事故に巻き込まれるとすれば帰りではなく行きだらう。旅行を楽しむ前に殺されるのだ。ここが最難関。

飛行機が遅れてゐるだけでなく、鹿児島で天候不良のため視界が悪いらしい。福岡に着陸するか、中部国際空港まで引き返すなんてこともあるらしい。中部は最初は小雨だつたが、俺が乗る1時間遅れの飛行機の出発の頃はかなり晴れてゐた。鹿児島はまだ雨らしい。時間になつたので切符を機械に通し、飛行機に乗り込む。さらば地上。もう生きて戻ることは無いかもしれない。空席が結構あつた。フライトアテンダントが俺のギターを空席に置いて良いかと聞いてきた。座席に置いてギターにシートベルトを着けてゐた。空席が多かつたので、余裕のある場所に移動するかと聞かれたが、足元に置いた10kg近いリュックをまた持ち上げるのが激しく億劫だつたので断つた。窓側だつたので、移動するためには通路側の他の客にも迷惑が掛かる。何もかもが面倒臭い。

恐ろしい加速力で滑走路を走る。どうやつてこんなクソ重い機体をこんな速度で走らせるんだらう。一瞬で車よりも速くなる。どんどん加速して一気に空へ。あつと言ふ間に死ねる高さへ上昇。気分が悪い。何度も機内アナウンスで福岡に行くかもとか引き返すかもとか言はれる。頼むから無理してでも鹿児島へ行つてくれ。福岡に泊まる金銭的余裕は無い。福岡から種子島への直行便は無いから、交通費も相当掛かる。2ヶ月前に予約して交通費を安しくした意味が無い。クソ高い交通費を払ふのはアホらしい。中部に引き返すのもかなり最悪。どうなるんだらうかと不安になりながらも機内サービスのコーヒーを飲みながらiPodを聴いてくつろいだ。俺にはどうすることもできない。機長のアナウンスもあつた。時速780kmで飛んでゐるらしい。すげえ速さだな。見た感じだと全然速くないのに。地球は球状になつてゐるらしいと本か何かで読んだが実際に見たわけではないので真実は不明。可能性の道ですか。仮に球状ならば、低空飛行をした方が距離が短くなつて燃料の節約にもなるし時間も短縮できる。もつと低いところを飛べば景色も見れて良いのにと思つたりした。高いところの方が安全なのかな。まあ何となく雲の上の方が良さげな気もするしな。気圧が十分低いところまで上がらないと灯油では飛べないのかもしれんな。窓の外は無駄に広がる雲海。たまに地上が見えるがどこなのか分からない。

九州の辺りに到達。やはり天候が悪い。雲の上を飛んでる時は当たり前だが晴れてゐた。高度を下げると急激に最悪な天候になる。黒い雲と白い雲は何故色が違ふんだ?成分が違ふのか?黒い雲がヤバいといふのは経験的に分かる。視界が黒い雲で覆はれて全く何も見えない。機内アナウンスを聞くと、どうやら鹿児島に着陸するやうだ。ずいぶん高度が下がつたと思ふんだが、窓の外には黒い雲しか見えない。大丈夫なのか?すげえ不安なんだけど。突然山肌が視界に現れて激突とかいふことは無いのか?パイロットには見えてるのか?計器類を無駄に信用するなよ。ここが俺の人生の終りかもしれんと思ひながらも、気圧の変化で脳がモワモワしてどうでも良く思へたりもする。急に景色が見えた。恐ろしく低いところを飛んでゐた。大丈夫なのか?と思つてゐたらすぐに着陸。すげえ雨。霧は出てゐなかつたが、かなり低いところまで雨雲があつた。無事に鹿児島までは辿り着けた。

さつま定食そのまま種子島行きの飛行機を待つても良いが、降りてすぐの場所にはジュースの自動販売機しか無い。一度外に出ないと飯も食へないし土産物を見ることもできない。だが一度出るとまた面倒な手荷物検査がある。どうしようか迷つたが、飯を食ひたかつたし、あまりにも時間が余り過ぎてゐたので出ることにした。山形屋といふところでさつま定食を食つた。鹿児島は黒豚が有名らしい。黒豚とんかつがどの店にも多くあつたが、別にとんかつなど珍しくも何ともない。色んな物が入つてる定食を食つておくのが良いだらうと思つた。しかしあまり金を使ひたくないので1370円で済ませた。店の外に出て椅子に座りながらノートPCでネット。AIR-EDGEで接続して自分のサイトの掲示板や犬土偶日記のコメント欄に少し書き込んだりした。それにしても、AIR-EDGEの128kbpsといふのは異様に遅いな。ブロードバンドに慣れ過ぎだな。

アホみたいに喉が渇いた。しかし飲食店が儲けるためか、近くに自販機が無い。3階にゲームコーナーがあるらしいと知り、狭い階段を昇つて3階に行つてみた。確かにゲームコーナーはあつたが、猛烈にショボい。空港のゲーセンがこれなのか。スーパーの3階とかにあるゲーセンの方が立派だ。ジュースの自販機があつたので素晴らしい勢ひで買つて飲んだ。序でにゲームも見てみたんだが、10年ぐらゐ前のゲームが多く、稀にマッピーとかのクソ懐かしいゲームもあつたりして趣がある感じ。もちろんそんな物に金は出さない。しかし客が1人もゐないゲーセンといふのもなかなか面白いな。

飛行機が遅れたから鹿児島での待ち時間は減つたんだが、それでもあまりにも長い。散々歩き回つたが、特に何も無い。去年行つた時は焼酎の試飲コーナーみたいなのがあつたのでそれを楽しみにしてたんだが、今回は無かつた。さつま揚げの試食すら無い。天候はどんどん悪化して、豪雨で展望台に行けない。こんな状態で種子島への飛行機は出るんだらうか。小さいプロペラ機だから天候が悪いと不安の度合ひもなかなかのものだ。でも何のアナウンスも無い。奄美大島行きが遅れてるとか、さういふ別の便のアナウンスはあるんだが、種子島に関しては何も言はない。定刻通りに出るんだらう。疲れ過ぎて死にさうだつたので早く種子島に行つて寝てしまひたかつた。また激烈に面倒な手荷物検査を受け、搭乗を待つ。まだ1時間半ぐらゐあつたので、椅子に座つてiPodを聴きながらDIGI-ZOを弾くことにした。ケースを開けて愕然。スイッチ入つてるぢやねえか。手荷物検査の時に入つたのか?電池が勿体無い。死ね。勿論チューニングだけして電源OFF。電気の通つてないエレキギターで猛烈にハードロック。ここでふと忘れ物に気づいた。ジョジョの名言を大量にコピペしてテキストファイルに保存してくるのを忘れた。CHOSANGみたいに一瞬で脳から噴き出すなら良いが、俺はいちいち見ないと引用できない。何?引用しなくて良いつて?いや、適切な場所でジョジョの名言を織り交ぜた方が良いに決まつてゐるではないか。まあ後から続々と忘れ物に気づくんだらうな。

種子島行きの飛行機はかなり小さいプロペラの飛行機だ。乗る時はチケットを機械に通した後、奥の階段を下りて外に出て直接飛行機まで歩いて乗る。だが今回は雨が激しくてバスだつた。階段を下りたところにバスが止まつてゐて、一瞬濡れてバスに乗り込む。地面が凄いことになつてゐた。川みたいだ。恐ろしい量の水が溜まつて流れてゐる。飛行機大丈夫なのか?すげえ天気悪いぞ。風も強さうだ。怯えながら飛行機に乗り込み、また死を覚悟してみたりする。俺のすぐ横にプロペラがある。機体からプロペラが外れて飛んで来たら間違ひなく機体ごと引き裂かれて瞬殺だらう。余計なことばかり考へてしまふ。このプロペラ機は揺れが激しいので天気が良くても気分が悪くなる。今日はキツいだらうなと思つた。しばらくして定刻通り離陸。恐ろしい悪天候。雲の中に稲妻がバリバリ光つてゐる。大丈夫なのか?視界は雲しかない。でも鹿児島から遠ざかるほどに天候が回復。どうやら鹿児島が一番酷い状態だつたらしい。機内から見える種子島をデジカメで撮影。意外とデカい島だな。これは原付で全ての道を走り尽くすのは無理がある。島の西側を北から南へ飛ぶ。島の中央にある空港の東西に走る滑走路に南から回つて島の東側から回り込む。その時に島の東側の海岸が見えた。犬城海岸とかいふところだつたかな?熊野とかいふところだつたかな?祖母の家は島の西側なので島の反対側だが、恐ろしく綺麗な場所だつたので必ず行かねばならんと思ふ。でも空から見た感じだと周辺に道路がほとんど無い。どうやつて行くんだらうか。

上空北西方向からの浦田ビーチ付近 西之表港 島の西側から中種子方面 島の東側の海岸

無事に着陸。去年の3月に開港した新空港だ。利用は今回が初めて。滑走路が前の空港よりかなり長いな。着陸してもなかなか減速しないからブレーキが壊れたのかと思つたよ。飛行機を降りて建物に入り、土産屋を適当に眺める。イセエビが1kg7600円ぐらゐで売られてゐた。1kgつて何尾ぐらゐだ?1尾かもしれんな。水槽の中で長期間飼はれてる栄養状態の悪いイセエビなんかこんな大金払ふ価値無いだらうに。焼酎を買はうと思つたが、荷物をこれ以上増やしたくなかつたのでやめた。外に出てタクシー乗り場へ。若い女の運転手だつた。種子島にも若い人がゐるんだな。空港からすぐに祖母の家に着くと思つてゐた。地図を見るとかなり近い感じだつた。しかし、思つた以上に広い島のやうだ。意外と時間が掛かつた。事前に地図で見て大体の道路を知つてゐる。遠回りしたわけではない。まづ海に出るまで結構長い。結局タクシー代が1890円も掛かつた。

さて、無事に着いたわけだが、俺を出迎へてくれる人はゐない。親戚が肺癌の手術をするらしく、来れる人はみんな来るやうに医者に言はれたとか何とかで祖母も叔父も叔母もみんな鹿児島に出かけてゐる。祖母自身の治療もある。肺癌の人の状況次第では誰も今日中には帰つて来ないかもしれないと聞かされてゐた。家の鍵は某所に隠してある。その場所は知つてゐたので問題は無い。ただ、独特な鍵で、開閉に一寸したコツが要る。そこが不安だつた。もしかしたら鍵はあるのに家に入れずに家の前で野宿なんてことになるかもしれない。だが何とか無事に開けて入れた。相当苦労したけども。取り敢へず、着いたらメールくれと親に言はれてたのでメールを送つた。その後、荷物をそのまま置きつぱなしで何も持たずに海へ行つてみた。風が強い。波が荒い。猛烈に釣り日和な感じ。早速ダンボールを開けて釣りに出たいところだが、さすがに疲労が激し過ぎる。22時からずつと起きてゐるし、恐ろしく重い荷物を持つてアホみたいに歩いた。これはもう無理。少し海岸の岩場を歩いてすぐに帰つた。それにしても暑い。さすが南国。太陽が出てなくて風が吹いてゐても激烈に暑い。汗が止まらん。

祖母の家の電話が鳴つた。出ても良いんだらうか。出るべきなんだらうか。叔父か叔母か祖母が俺に掛けて来てるのかもしれんと思つて出てみた。誰だか分からん。奥様はゐらつしやいますでせうか、と。ゐませんが何か?誰に掛けて来たんだらう。ゐませんと答へたら何故か相手は半笑ひ。何がをかしいんだ。さうか、俺が九州訛りぢやないから、向うからすると俺が猛烈に訛つてゐるやうに感じたのかもしれない。相手はタカ何とかと名乗つた。人の名前はなかなか覚えられない。タカハマだつたかタカナシだつたか、何だつたか忘れた。タカハシではなかつた。しばらくしてまた電話が掛かつて来た。もう出ない方が良いのかなと思ひつつ、また出てみた。叔父からだつた。叔母と祖母が帰つたからもうすぐ種子島に着くといふ内容だつた。叔父自身は明日帰るといふことらしい。まあ寝る前にノートPCとか出しておかうと思ひ、色々と準備し始めた。そして日記を書き始めたところで祖母と叔母が帰つて来た。

アホみたいに眠い。晩飯を食つてテレビをボーッと見るうちに寝てしまつた。祖母に起こされた。電話が鳴つてるとか何とか。出れば良いぢやん・・・と思つたのだが、俺の携帯が鳴つてゐた。何か数日前にも似たやうなことがあつたな。自分が携帯電話を持つてゐるといふことがいまだにハッキリ認識できてゐない。弟からだつた。無事に着いたのかどうか知りたかつたらしい。途中で通話が切れた。圏外になつてゐた。電波の状態が不安定。まあ田舎だしな。風呂に入つてから22時頃に寝た。結局24時間ぐらゐ起きてたのか。1日目はとにかく種子島に辿り着くだけで精一杯な感じだつた。この先も色々大変だらう。まづは種子島到着。ここまでは多少危ない状況もあつたが、何とか無事に終つた。この日記はいつ更新できるか分からない。AIR-EDGEは当然圏外。携帯でも危ない状況なのにPHSが通じるわけがない。

話題:種子島&屋久島 2007年夏

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